喧嘩の始まり
ムラサメはデーモンブレスのボス、クチアに宣戦布告をした後、部屋に戻ってソファーの上に座っていた。危機感がないムラサメを見て、ソワンは苛立って口を開いた。
「あんた。裏ギルドのボスに喧嘩を売ったのはいいけれど、どうしてそんなにゆっくりできるのよ?」
「ただゆっくりしてるわけじゃねぇ。あいつらが近付くのを待ってるだけだよ」
ムラサメの返事を聞き、ソワンは黙って考えた。今の状況、ギルドはデーモンブレスのアジトの場所を把握していないのだ。
「あんたまさか、敵を捕まえて……」
「それもある。だけどま、どこからあいつらが現れるか分かったら、アジトがそこに近いってことだ」
と言って、ムラサメは腕を回しながら外に出て行った。その時、飲み物を飲んでいたリミスがこう聞いた。
「どこ行くのよ?」
「喧嘩」
ムラサメの答えを聞いた後、リミスは意味が分からなくなってその場で立ち止まった。そんなリミスに対し、ムラサメは笑顔でこう言った。
「すぐに終わらせてくるから安心しろ」
と言って、部屋から出て行った。
ウターンの外。かなり離れた場所にその男はいた。
「あれがウターン。俺たちデーモンブレスに喧嘩を売った猫女がいる町か」
男はそう呟き、立ち上がった。男の名はディングレイ。デーモンブレスの団員であり、『デーモンブレスの韋駄天野郎』と自称している。ディングレイは高く飛び上がり、岩場から遠くの平原の上に着地した。その時、見張りをしていたギルドの戦士たちがディングレイに接近した。
「お前は誰だ? 見かけない顔だな」
「身分証を出してくれ」
ギルドの戦士の言葉を聞いたディングレイは、腰の左にある銃を素早く取り出し、ギルドの戦士の頭に向かって弾丸を放った。
「なっ⁉」
動揺したギルドの戦士は弾丸を避けることができず、頭に弾丸を受けてしまった。
「誰がテメーらの話なんざ聞くかよバーカ」
と言って、ディングレイは右側にいたギルドの戦士の首に向かって蹴りを放った。刃のように鋭い蹴りは、ギルドの戦士の首をはねた。
「な……ああ……」
たった数秒で、仲間が二人惨殺されてしまった。この光景を見たギルドの戦士は動揺したが、すぐにアサルトライフルを構え、ディングレイに向かって発砲した。
「んー? 安物のアサルトライフルか? そんなちっぽけなもんでこの韋駄天男を倒せると思ってんじゃねーぞ格下」
ディングレイは目で追えないほどの速度で走り出した。動揺したギルドの戦士は無我夢中でアサルトライフルの引き金を引いたが、弾丸はディングレイに当たることはなかった。しばらく引き金を引いていたら、弾切れになってしまった。
「な……あ……」
「あーあ。あれだけ無駄弾使ったらそーなるって。計画的に使わないとね」
と言って、ギルドの戦士の背後に回ったディングレイはナイフを手にし、ギルドの戦士のうなじを突き刺した。攻撃を受けたギルドの戦士は短く悲鳴を上げ、その場に倒れた。
「けっ、あっけねぇ」
ギルドの戦士たちを惨殺した後、ディングレイはギルドの戦士の遺体を調べた。
「なーんだ。こいつらウターンって町の連中じゃないのか。ま、ギルド全体俺らの敵のようなもんだし、まぁいいか」
「よくねーよ」
この声を聞き、ディングレイは後ろを振り向いた。そこには、腕を組んで立っているムラサメの姿があった。ムラサメの姿を見たディングレイは笑みを浮かべ、笑みを浮かべた。
「猫女。俺たちに喧嘩を売った奴と特徴がほぼ一致している。つーことは、お前が俺らに喧嘩を売った猫女か」
「まーな。こんなに早く動くとは思わなかった」
言葉を返した後、ムラサメはディングレイに向かって膝蹴りを放った。ディングレイは左手を使い、ムラサメの攻撃を防御した。
「へぇ、なかなかやるじゃん。俺たちに喧嘩を売るほどの実力はあるってことは認めるよ」
「テメーみたいな奴に褒められても嬉しくねーよ」
「そこはきちんと喜べよ」
ディングレイは魔力を開放し、ムラサメを吹き飛ばした。ムラサメは後ろに下がり、<イビルアイ>のスキルを使った。
「目の色が変わった。つーことは、スキルを使っているな」
「だとしたらどうする? <イビルアイ>を使った以上、お前に策はあるか?」
「だったら俺もスキルを使うしかないね」
と言って、ディングレイは大声を上げた。その瞬間、ディングレイの姿は消えた。<イビルアイ>の情報収集のおかげで、ディングレイのスキルを把握したムラサメは驚きもせず、その場に立っていた。
「おかしいな。いきなり姿が消えたから動揺すると思ったけど」
「スキルの力で早く走ってるだけだろうが」
ムラサメの言葉を聞いたディングレイは驚いたが、足を止めることはしなかった。自身の考え通り、ムラサメの背後に回って奇襲を仕掛けようとした。だが、ムラサメは笑顔で後ろを振り向き、攻撃の構えをとっているディングレイを見た。
「なっ⁉」
「小賢しい手を使うんじゃねーよ!」
ムラサメは叫び声を上げながら、後ろにいるディングレイを殴った。
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