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アジト突入!


 アングが放った巨大な炎の塊はワルザーのアジトに命中し、中にいた戦士たちを動揺させていた。


「な……何だ今のは⁉」


「奇襲か? どこのバカがこんなことを考えやがった!」


「敵の奇襲に構えろ! うわ、俺の剣はどこだ!」


 部下たちが混乱する中、部屋の中央にいるワルザーは手にしているワイングラスを小さなテーブルの上に置き、立ち上がった。


「うろたえるな。魔力で攻撃したということは、敵は遠くにいる証拠。アジト内に入るまではまだ時間がかかる。余裕を持て」


 ワルザーの言葉を聞いた部下たちは、一瞬で静かになった。




 アジトに攻撃を仕掛けたムラサメたちは、アジトに向かって走っていた。


「大きな一発ぶっぱしたってのに、敵は何もしねーなー」


「冷静に対処されたんだよ」


 攻撃を仕掛けたアングに対し、ムラサメは<イビルアイ>を発動しながらこう言った。


「敵が動いているのを確認できる。ただ、慌てているようには見えない」


「私たちに立ち向かうってこと?」


「その可能性がでかいな。何があるか分からんから、離れ離れにならないように……」


 ムラサメがリミスと話をしている途中だった。遠くから弾丸が飛んできて、ムラサメの足元に命中した。


「ヘッ、遠くからバンバン鉄砲撃つだけかよ!」


 と言って、アングは魔力を開放した。


「ムラサメちゃん! 敵はどこにいるか分かるか?」


「あの高台だ。あそこにいる! 敵の数は二人、ライフルを持っている」


「了解! 位置が分かればこっちのもんよ!」


 アングは再び大きな火の塊を作り、ムラサメが伝えた高台に向かって投げた。


 高台にいる狙撃手は、飛んでくる大きな火の塊を見て、動揺した。


「またあれだ!」


「撃って破壊するぞ!」


 狙撃手は手にしているライフルで何度も火の塊に向かって弾丸を放った。しかし、火の塊は飛んでくる弾丸を溶かしてしまった。


「クソッ! 高熱で弾が解ける!」


「逃げるぞ!」


 狙撃手は魔力を開放し、高台から飛び降りた。それからしばらくして、火の塊は高台に命中して破裂した。




 狙撃手を返り討ちにしたムラサメたちは走り続けた。しばらくして、アジトらしき建物の近くに到着した。


「さて、殴り込みに行きますかっと」


 ムラサメは右腕を回しながらこう言った。アングも同調したかのように剣を装備して大声を上げた。


「もう、策がないのに無暗に突っ込まないでよね」


 ムラサメとアングを見たリミスはため息を吐き、ロマクの方を向いた。


「ロマク、あんたもそう思うでしょ? 策が必要だって」


 いきなり話しかけられたため、ロマクは少し動揺した。


「あ、うん。確かにそうだね」


 動揺したロマクを見て、リミスは少しだけ違和感を覚えた。


「おーい! 二人も早くこっちにこいよ!」


 と、アングが煽ってきたため、リミスは仕方なくロマクを連れ、ムラサメとアングの元へ向かった。


 アジトの中に入ったムラサメは、すぐに周囲を見回した。<イビルアイ>を使って敵の位置を調べ、リミスたちにこう言った。


「でかい魔力が奥の方にいる」


「それがワルザーってわけね」


「多分な」


 ムラサメは<イビルアイ>を解除し、歩き始めた。すると、突如床が崩れた。


「んなっ⁉ ああっ!」


 いきなり床が崩れたため、ムラサメはなすすべなく下に落ちてしまった。リミスとアングはすぐに助けようとしたのだが遅かった。ムラサメは悲鳴を上げながら、暗闇の中へ落ちて行った。


「ムラサメ……」


「結構深いけど、ムラサメの魔力なら大丈夫……だと思いたい」


 気を落とすリミスとアングに対し、ロマクが口を開いた。


「こうなった以上仕方ありません。僕たち三人でワルザーを倒しましょう」


 この言葉を聞いたリミスとアングは目を開いた。アングはロマクの胸ぐらをつかみ、そのまま壁に押し当てた。


「仲間を見捨てろって言うのかよ⁉」


「この状況だと、先に進むしかありませんよ」


 ロマクの言葉を聞き、リミスは周りを見回した。すでにワルザーの部下たちが、リミスたちの周りにいたからだ。


「ようこそ、俺たちの楽しいアジトへ」


「男は殺せ。女は捕まえて玩具にしてやる」


「さぁ、覚悟しやがれ!」


 下種な声を上げながら、ワルザーの部下たちが襲い掛かった。


「ケッ、俺を殺すつもりか? やれるもんならやってみやがれ!」


 アングは剣を手にし、迫る敵に向かって攻撃を始めた。リミスも聖剣ヒアラを手にし、応戦を始めた。ロマクは敵から奪った銃を使い、援護を始めた。


 一方、下に落ちたムラサメは痛そうに尻をさすっていた。


「いってー、<イビルアイ>で罠の位置を調べるのはできねーのかよ」


 そうぼやきながら立ち上がり、周囲を見回した。そこには、獲物がきたことを嬉しそうに顔で表現するワルザーの部下たちがいた。


「エロい子猫ちゃんが落ちてきたぜぇ?」


「こりゃーいいお楽しみの道具になりそうだ」


 敵の言葉を聞いたムラサメは呆れたため息を吐き、敵の方を見た。


「テメーら、こんなに大勢で未成年のカワイ子ちゃんを襲うってのは、男としてどうかと思うぜ?」


「知らねーよ。俺たちはただ、お前みたいなカワイ子ちゃんをオモチャにできれば、それでいいんだよ!」


「はーあ、だからお前たちは女から好かれない見た目なんだな」


 と言って、ムラサメは戦う構えをとった。


「そんなに楽しみたいなら相手になってやるぜ。だが、半殺しにされても文句は言うなよ?」


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