聖剣の存在
ムラサメは<イビルアイ>で敵がいること、奇襲を仕掛けることを察し、リミスの力を借りて奇襲を仕掛けた。奇襲は成功し、遠くにいる狙撃手をリミスの<フワフワタイム>で倒すことに成功し、前にいる二人組の剣士も、アングによる攻撃で一人を倒すことに成功した。
残った敵は切り殺された仲間を見て、強く剣を握った。
「この野郎! よくも俺の仲間を殺しやがったな!」
「うるせーよクズ野郎! テメーもギルドの戦士を何人か殺したんだろうが!」
アングは叫び声を上げながら魔力を開放し、敵に向かって剣を振り下ろした。敵は剣を使って攻撃を防御しようとしたが、アングが持つ剣は敵の剣を粉砕した。
「な……あ……」
目の前で散らばる刃のかけらを見て、敵は言葉を失った。その直後、アングの剣の刃は敵の額に命中した。
「アグアッ!」
攻撃を受けた敵は勢いを付けて後ろに吹き飛び、倒れた。アングは剣を構え、深く呼吸をした。
「今のは致命傷じゃなかったな」
ムラサメは倒れた敵に近付こうとしたが、ロマクが手にしていた拳銃で敵を撃とうとした。しかし、リミスが止めた。
「止めなさい。ムラサメが<イビルアイ>で何かすると思うから」
「だけど、敵が動くかもしれないぞ」
「ムラサメもバカじゃない。何か考えているわよ」
リミスはこう言ったが、アングは荒く息を吐き、ゆっくりと歩いた。
ムラサメは<イビルアイ>を使って、ワルザーの情報を得ようとしていた。アングの一撃を受けて魔力も体力も失った今の敵なら、抵抗することなく催眠にかかると考えているのだ。
「さーてと、情報を頂きますよっと」
「その必要はないぞ」
と言って、倒れている敵に近付いたアングは、敵の首を掴んで持ち上げた。気を取り戻した敵は、鬼のような形相のアングに向かってこう言った。
「頼む、あんたらギルドの戦士を殺したのは謝るよ」
「謝って済む問題じゃないだろうが!」
激高したアングは地面に向かって力強く敵を押し倒し、倒れている敵に向かって何度も剣を突き刺した。
「おい、これ以上やるのはまずいって」
「うるさい!」
アングは大声でムラサメに怒鳴った。その時のアングの表情は、激怒した鬼のような表情になっていた。このままだと、ワルザーたちが自分たちの存在を察すると考えたムラサメは、仕方なく<イビルアイ>の催眠でアングを止めようとした。しかし、リミスが剣を抜いてアングに近付いた。
「おい、リミス?」
剣を手にしたリミスを見て、ムラサメは嫌な予感を感じた。
「ちょっと待て! いくら止めるためでも、仲間を刺すのはやばいって!」
「そんなことしないわよ」
リミスが返事をした直後、剣が光り出した。その直後、倒れている敵に追い打ちを仕掛けているアングの動きが鈍り、しばらくして止まった。
「あら。大人しくなっちゃって」
その場に両ひざをついたアングを見て、ムラサメは驚きのあまり言葉を漏らした。リミスは剣を鞘に納め、ムラサメに近付いた。
「この剣のおかげよ」
「さっき光ってたけど、普通の剣と違うのか?」
「ええ。これは聖剣、ヒアラ」
聖剣と言う単語を聞き、ムラサメは驚いて目を開けた。
その後、ムラサメは移動しながらリミスの話を聞いていた。
「私は世界に三本しかない剣、聖剣を扱うことができるの」
「聖剣ねぇ。特別な力があるのか?」
「ええ。私が持つ聖剣、ヒアラは癒しの力を持った剣。力を使えば、相手をリラックスさせることができるわ」
「リラックスねぇ、疲れている人がいたら、欲しいって言いそうだ」
と、ムラサメは笑いながら言った。
「リラックスさせる効果と、この剣の切れ味は他の剣とは違うわ。魔力を込めれば、いろいろと斬ることができる」
「恐ろしいのかすごいのか、よく分からないが……まぁ便利そうだな」
ムラサメがこう言った直後、リラックス状態だったアングが我に戻った。
「あれ? 敵は?」
「あんだけ刺されたら助かるわけねーだろうが。<イビルアイ>でワルザーの情報を聞き出そうとしたのによー」
ムラサメが皮肉交じりでこう言うと、アングは申し訳なさそうに頭を下げた。ムラサメたちが会話をする中、ロマクはリミスが持つヒアラをずっと見ていた。
しばらくして、ムラサメたちは岩でできた大きな砦を見つけた。
「あれがあいつらのアジト?」
「そのようだ。あの中に強そうな奴らがうじゃうじゃいるぜ」
ムラサメは<イビルアイ>の探知能力を発動しながらこう言った。アングは小さく笑い、剣を手にした。
「ムラサメ、敵の様子はどうだ?」
「魔力を開放しているのか、結構魔力を感じる。俺たちがいつ襲ってきてもいいように構えているな」
「敵さんは俺たちのことを把握しているのか。それじゃあ、ド派手に一発ぶちかますか?」
魔力を使ってワルザーのアジトに攻撃をしようとするアングを見て、リミスは止めようとしたのだが、ムラサメは止めた。
「ここはアングに任せよう。さっき言ったように、敵は俺たちの存在に気付いている。こそこそ隠れて移動しても、結局ばれるのが目に見える」
「はぁ……変な騒動が起きないようにしたいんだけど」
リミスは大きなため息を吐いた。それが了解の合図だと思ったアングは、魔力を開放して巨大な炎の塊をワルザーのアジトに向かって放った。
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