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敵の狙撃手を叩け


 ムラサメの<イビルアイ>の催眠の力で、ワルザーの部下であるモブエーからアジトなどの情報を聞き出そうとした。だがその時に石のような何かがモブエーに当たり、催眠は解けてしまった。攻撃される瞬間、ロマクがモブエーの頭に向かって銃弾を放ってしまった。


 敵の攻撃が終わったのを確認したムラサメは、再び車の外に出て<イビルアイ>の探知能力を使っていた。


「うーん。敵はいねーなー」


 と言って、車内に戻って首を振った。


「敵はいないのね」


「ああ。安全っちゃー安全だが、情報がもっと欲しいな。俺たちの動きを把握してるんだったら、もっと襲われても俺はいいが」


「そんなことを言わないでよ。そう言うことを言ったら、本当に敵に襲われるんだから」


 リミスはムラサメの発言を聞き、呆れてため息を吐いた。次の瞬間、ムラサメは運転席に向かって近付いた。


「急いでブレーキを踏め! 早く!」


「え? はっ、はい!」


 運転手はムラサメに言われた通りに、急いでブレーキペダルを踏んだ。急ブレーキで車が止まったため、ムラサメたちは大きく前後に動いた。


「もう、一体何を考えてんのよ⁉」


 リミスは胸のあたりにいるムラサメに向かって叫んだ。その直後、車の前方で大きな爆発音が聞こえた。


「敵の攻撃が迫っていたのか」


 アングはそう言って、剣を手にして外に飛び出した。ムラサメは少しだけ立ち上がり、<イビルアイ>を発動した。


「敵は結構離れた場所にいるな。ここから十キロ先にある岩盤の後ろにいる。そこからここまでロケットランチャーを飛ばすなんて、結構腕のいい狙撃手だな」


「それはいいけど、いい加減私の胸から頭をどかしてくれない?」


 と、リミスは右手で拳骨を作ってこう言った。殴られると察したムラサメはすぐに外に出て、先に外に出たアングにこう言った。


「敵は十キロ先にいる。アングの技じゃどうしようもないだろ」


「じゃあ近付くしかないな」


「敵は確実に俺たちの位置を把握している。スキルか何か知らねーけど、何らかの方法で把握してる」


「そうか。それじゃあ、こっちは堂々と姿を現して動くしかないってことか」


「そうだな。だけど、遠くからバンバンロケットランチャーを撃って攻撃するような陰キャのクソ野郎には、俺がお仕置きしねーとな」


 と言って、ムラサメは魔力を開放した。




 ロケットランチャーを使って攻撃をしていた狙撃手たちは、次の攻撃の準備をしていた。


「第二砲用意よし」


「了解。敵に動きはなし!」


「それでは、第二砲発射します!」


 攻撃の準備を終えた狙撃手たちは、ロケットランチャーの引き金を引こうとした。だがその時、下からドリルで何かを削るような音が聞こえた。


「何だこの音は?」


「分かりません」


 会話の直後、下から強い風が吹き出し、狙撃手の一部を上に吹き飛ばした。


「ぐわァァァァァァァァァァ‼」


「な……何だ⁉」


 突如吹き飛んだ仲間を見て、狙撃手たちは動揺した。


「た……退避! とにかく安全なところに退避しろ!」


 狙撃手たちのリーダーはそう言うと、遠くに離れた岩盤の後ろに隠れようとした。だがその時、再び下から風が襲い掛かった。


「うわァァァァァァァァァァ‼」


「隊長!」


 狙撃手たちは悲鳴を上げたが、それから次々と下からが風が吹き出し、狙撃手たちを襲った。


 しばらくして、謎の風によって狙撃手たちは全員倒された。


「な……何だったんだ……今の……風は……」


 狙撃手の一人は悔しそうにそう言うと、気を失った。




 <イビルアイ>を使っていたムラサメは、息を吐いて<イビルアイ>のスキルを止めた。


「なるほど。探知できるから、こうやって遠くから奇襲ができるってことか」


 ムラサメの戦いを見ていたアングは、感心した様子でこう言った。ムラサメは魔力を抑え、大きなあくびをした。


「まーな。敵を殺すことはできないけど、命を奪うまで敵に追い打ちをするのは嫌だからな」


 そう答え、ムラサメは車の後部席に座り、座っているリミスに近付いた。


「リミスー、膝枕してくれー」


「嫌だ。寝るならちゃんと寝なさいよ」


「えー? 俺一人で陰キャ狙撃手を全員倒したんだから、少しくらいいいだろうがよー」


 ムラサメの言葉を聞き、リミスは考えた。ムラサメの行動がなければロケットランチャーの攻撃で吹き飛ばされており、遠くにいる狙撃手を倒したのだ。


「仕方ないわね。次に車が止まるまで、膝枕してあげてもいいわ」


「わーい」


 ムラサメはすぐに頭をリミスの太ももの上に置き、右手でリミスの胸を揉もうとしたが、リミスはムラサメの右手をはたいた。


「そこまでやっていいって言ってないわ」


「チッ」


「舌打ちしないの」


 そう言いながら、リミスはムラサメの頭にある猫耳を引っ張った。


「ギャァァァァァァァァァァ‼ 止めて! 耳は敏感なんだよー! この耳がなければ、ロケットランチャーの音とか聞こえなかったんだよー!」


「うるさい! それと、どさくさに紛れて胸に触ろうとするな!」


 にぎやかなムラサメとリミスのやり取りを見て、アングは爆笑していた。だがロマクはその逆で、ムラサメを睨むように見ていた。


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