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裏ギルド討伐へ


 裏ギルド討伐に向かっていたロマク一行だが、返り討ちにされて戻ってきた。ロマクと一緒に戦ったとされる戦士は命を落とし、共に戦ったゴリマーチョも命を失った。


 翌日、ギルドの役員がムラサメ、リミス、そしてロマクと同期であるアングを呼び寄せた。


「今日、皆さんを集めたのはゴリマーチョさんたちを返り討ちにした裏ギルド、アンガータイラントの討伐をお願いしたいからです」


「やっぱりその話か」


 ムラサメは両手の拳を握りしめて呟いた。病院でゴリマーチョの妻が泣き叫ぶのを目撃したため、ムラサメはアンガータイラントに怒りを覚えていたのだ。リミスがムラサメの拳を触り、首を振った。


「今、ここで怒りを爆発させるタイミングじゃないわ」


「分かってる。あいつらのアジトで爆発させるよ」


「話を続けます」


 ギルドの役員は咳ばらいをし、話を続けた。


「アンガータイラントはウターンから車で三時間ほどにある、山道にある洞窟をアジトにしています。奴らは誘拐、強盗などを繰り返すとんでもない極悪人です。こちら、資料になります」


 ムラサメたちは役員から資料を渡されたが、ロマクだけは受け取らなかった。


「ロマクよ、お前にはこれが必要ないってか?」


「一度戦った相手だ。資料なんて必要ない」


「そうかいそうかい」


 無愛想なロマクを見て、アングは笑った。リミスはアングを睨み、笑っている場合じゃないと伝えた。


「では話を続けます。昨日の戦いで、何人かの団員が怪我を負い、奴らの戦力は削れている状況です。そのまま野放しにしておくと、奴らはまた暴れ出します」


「その前に潰すってわけか。分かりやすい」


 ムラサメの言葉を聞き、ギルドの役員は頷いた。


「どうやら皆さんも話の意図を理解したようですね。これからあいつらのギルドへ向かってください。緊急依頼です。ボーナスは弾みますし、アンガータイラントのリーダー、ワルザーを倒して捕まえたらボーナスはもっと出ます」


「イヤッホー! こりゃー張り切らないとな! ロマク、お前もそう思うだろ?」


「え? あ……ああ。確かにな。僕だけ生き残ったんだから、ゴリマーチョさんたちの仇討ちをしないとね……」


 この時、リミスはやけにロマクの様子がおかしいと思った。ムラサメの<イビルアイ>のスキルを使って、何を考えているのか喋らせたいと考えたが、いくら何度も勧誘してくるしつこいロマクでも、変なことは考えていないし、ギルドの戦士だから信頼しないと。と思ったリミスは、考えるのを止めた。


「今から十分後に依頼を始めます。あいつらのアジト近くまで、車で送ります。皆さん、十分に準備をお願いします」


「了解!」


 ムラサメたちは返事をし、支度をするため部屋から出て行った。




 アンガータイラントのアジトへ向かう車の中、ムラサメは何度も呼吸をしていた。リミスはムラサメが緊張しているのかと思い、心配になった。


「ねぇ、初めて人と戦うから心配しているの?」


「いや。どうやってアンガータイラントって連中をぶちのめそうか考えてる。俺の<イビルアイ>を使うのもいいが、この時のために考えた技があるんだ」


「技?」


「披露する時に披露するよ」


 ムラサメがこう言うと、アングが笑い出した。


「ムラサメちゃんよぉ、悪いがそれは適わない願いだ。アンガータイラントは俺が全員ぶっ倒す。ムラサメちゃんもなかなか強いけど、俺の方が強いかもね」


「そうかい。俺より強いんなら、頼らないといけないな。俺はこの快適な車の中で、リミスの乳を枕にして寝て待ってるぜ」


「おいおい、少しはムラサメちゃんも働いてくれよ」


「どさくさに紛れて変なこと言わないの」


 リミスはムラサメの頬を引っ張り、心配して損したと心の中で思った。にぎやかな車の中だったが、アンガータイラントのアジトが近付くにつれて口数は減った。


「余裕気取りだったけどよ、あいつらってゴリマーチョさんたちを殺したんだよな?」


「そうだ。僕も一緒に戦ったが……あの時は、勝てなかった」


「いざとなったら、俺が乳見せてあいつらを動揺させるから。その間に攻撃してくれよ」


「敵が全員スケベな男って決まったわけじゃないわよ! ゴリマーチョと戦った時のように、恥を捨てた戦い方は止めなさい!」


「勝つためには恥を捨てる!」


 ムラサメの言葉を聞き、リミスは呆れてため息を吐いた。その時、車が止まった。


「あれ? アジトまではまだ距離が……」


「皆さん、前を見てください!」


 運転手が叫んだ。ムラサメは前を見て、謎の集団が車に向けて銃を構えている姿を見た。


「あいつらがアンガータイラントか」


「まだアジトまでは距離があるのに」


「はは。早速俺の出番か」


 アングは武器を座椅子の上に置き、車の外に出た。ムラサメもその後ろに付いて行く形で外に出た。


「おーい。俺は武器を持っていない」


「俺も持ってないぞ。そもそも、元から持ってないけど」


 ムラサメとアングの言葉を聞いた謎の集団は、銃を構えたままムラサメとアングを取り囲んだ。その直後、ムラサメは<イビルアイ>を発動した。


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