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コンビプレイで決着を


 リミスは自身のスキル、<フワフワタイム>を使ってデカブツゴブリンの部下を殲滅した。残る敵はデカブツゴブリンのみ。デカブツゴブリンは部下がやられ、自分のプライドが深く傷つけられたため、怒りを爆発させていた。


「さーて、敵さんは怒りでプッツンしてる」


「大半はあんたの挑発のせいでしょうが。で、どうするの?」


「今、<イビルアイ>を使ってる。あいつの詳しい情報を探ってる」


「この状況で?」


「余裕ってもんだよ。それよりも面白い情報を得たぜ。あいつ、右の脇腹に古傷がある」


「古傷?」


「ああ。右腕を大きく動かすと古傷が痛み、動きが鈍くなるようだ」


「へぇ。<イビルアイ>ってスキル、そこまで分かるのね」


「女の子の場合、スリーサイズも分かるし、本当の体重もはっきりと分かる。俺に嘘をついても意味ないぜー」


「そんなこと調べなくていいわ!」


「何をごちゃごちゃと話をしているんだァァァァァ‼」


 放置されたため、怒りを爆発させたデカブツゴブリンが叫び声を上げながら、左手に持つ大きな棒で攻撃を仕掛けた。大きな棒が床の上に激突した瞬間、周囲の机や椅子が吹き飛び、天井にある電飾が大きく揺れた。


「あれを喰らったら、一発で頭が変形してたな」


「バカなことを言わないの。私からあいつに攻撃仕掛けるから」


「ああ。任せた」


 リミスは剣を手にし、大声を上げながら迫ってくるデカブツゴブリンを睨んだ。


「死ねェェェェェ‼」


 デカブツゴブリンはリミスを睨み、左手に持つ棒を振り下ろした。


「そんな武器で私を倒そうなんて……思わないでよね」


 そう言って、リミスはデカブツゴブリンの攻撃に合わせて剣を振るった。剣の刃はデカブツゴブリンが持つ棒にめり込み、棒の先端を斬り落とした。デカブツゴブリンは先端を失った棒を見て、口を開けて驚いた。


「な……結構固い材質だったのに……」


「やわだったんじゃないの? その棒の素材も、あんたの頭も」


 呆然とするデカブツゴブリンに接近し、リミスは剣を振るった。デカブツゴブリンは攻撃に気付いたが、素早い動きで最初は対処できず、三回斬撃を受けてしまった。だが、デカブツゴブリンは腹を突きだし、攻撃を防御した。


「はん! 俺の腹はでかいし固い! そんな剣で斬ることは……」


「できるわよ」


 と言って、リミスはデカブツゴブリンの腹に向かって何度も斬撃を放った。その直後、デカブツゴブリンの腹に大きな切り傷が無数にでき、そこから滝のように血が流れた。


「うわァァァァァ‼ ど……どうして……どうして攻撃が!」


「やわな腹だからよ。そんなんで私の斬撃を止められると思わないで」


 リミスは呆れてため息を吐きながらこう言った。その後、ムラサメは右手に魔力を溜め、大きな風の刃を発した。魔力を感じたデカブツゴブリンはムラサメの方を振り向き、防御の構えをした。


「この一撃で、お前をぶっ倒してやるぜ!」


「そんなちっぽけな攻撃が、俺に通用すると思うな!」


 デカブツゴブリンは先端を斬り落とされた棒を投げ捨て、左手でムラサメを殴ろうとした。だが、リミスが<フワフワタイム>を使って近くにあったフォークを動かし、デカボスゴブリンの左肩に突き刺した。


「グッ! こうなったら!」


 デカボスゴブリンは右腕を大きく引き、右手の拳でムラサメを殴ろうとした。だが、その時に古傷から痛みが走った。


「ぐう! このタイミングで古傷が……」


「運がなかったな、デカブツ野郎!」


 ムラサメはデカボスゴブリンの顔に向かって高くジャンプし、右手の風の刃で攻撃を仕掛けた。


「くたばれ!」


 叫び声を上げながら、ムラサメは右手の風の刃をデカボスゴブリンの顔に押し当てた。風の刃は激しく動きながら、デカボスゴブリンの顔を傷付けた。


「ぐおォォォォォォォォォォ‼」


「そのまま切り裂いてやらァァァァァ‼」


 ムラサメは激しく動く風の刃を操り、一本の刃にした。そしてその刃を下に向かって振り落とした。この攻撃によって、デカボスゴブリンの体に深く、大きな切り傷ができた。


「そ……そんな……バカな……」


 攻撃を受けたデカブツゴブリンは、小さくそう呟くと、切り傷から血を流しながら倒れた。ムラサメはリミスの方を向いて、ブイサインを作った。




 ウターンのギルドセンター。書類整理をしていた役員は、近くの電話が鳴ったため、受話器を取った。


「はい。ウターンのギルドセンターです。あら、リミスさん? 依頼は……まぁ! デカブツゴブリンとその部下を倒したんですね!」


 この言葉を聞いていたロマクは、驚いた表情をした。その後、ウターンのギルドの戦士と役員が、ムラサメとリミスを迎えに向かった。ロマクの近くにいたギルドの戦士は、笑いながらこう言った。


「ハッハッハ! ギルドの戦士になった初日でデカブツゴブリンの討伐か! こりゃー活きのいい新人が入ったなぁ! なぁロマクよ!」


「あ……ああ。そうだね」


 ロマクは小さく笑いながらそう答え、目をつぶってこう思った。


 リミスがいたからデカブツゴブリンを倒せたんだ。やっぱり……リミスが欲しい。リミスの力を手にしたい。


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