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レイロの部下たち


 ムラサメたちを乗せたリムジンは大きな城に到着した。


「ほへー、千葉県のあの遊園地の城よりでけー」


 ムラサメは城を見上げながらこう言った。城の外壁は白く、美しいレンガで作られており、作られて何十年経過したものと思われるが、それでも美しさを保っていた。ムラサメたちが城壁の美しさに目を奪われていると、ムラサメたちの到着を待ちかねたように一人の男が近付いた。


「隊長! 無事に戻って来たんですね」


「ヒッペー。留守の間、すまなかったな」


 レイロがヒッペーと呼んだ男は、珍しそうにムラサメたちを見ていた。


「で、あのおっぱいでかい子たちが護衛なんすか?」


「偏見で物を言うなヒッペー。彼女らがいなければ、私たちはここにいなかった」


「そっすかー」


 ヒッペーはムラサメたちを見回す中、プレイを見て、動きを止めた。そんな中、甲高い足音が聞こえ、ムラサメは振り向いた。


「お帰りなさい、レイロ」


 声を聞いたムラサメは、その姿を見て口を開けて驚いた。ムラサメの異変を察したリミスたちも振り向き、同じ反応をした。そこには、ドンナと同じ格好をした女性が立っていたからだ。


「あれ? ドンナ王女? にしても、背丈が結構違うような……」


「タンマタンマ! 私は偽物よ! 影武者」


 その女性はそう言うと、着ている上着を脱ぎ、レイロたちと同じ鎧を装備していることをムラサメたちに見せた。


「私はエクエス。ドンナ王女の護衛、ありがとね」


「いえ、こちらこそ」


 美人のエクエスを見て、ムラサメは目つきと態度を変え、エクエスと握手しようとした。だが、バカなことを考えていると察したリミスとソワンがムラサメに近付き、耳を引っ張って後ろに下げた。


「いってーな! 引っ張るならもうちょっと優しく引っ張ってくれよ! 猫の耳は結構敏感なんだぞ!」


「知らないわよそんなこと」


「スケベ猫。一度死んだらスケベが治るんじゃない?」


「俺は一度死んだけど、スケベは治らなかったぞー」


 ムラサメたちが話をする中、ムラサメは笑うプレイを見つめているヒッペーを見た。


「誰だあれ? いつの間に」


「え? 俺、そんなに影薄かったん?」


 ムラサメの言葉を聞いたヒッペーはショックを受けつつも、小さく笑ってこう言った。


「俺はヒッペー。レイロ隊長の右腕だ! よろしくな」


「あー」


 相手が男のせいか、ムラサメはやる気のない声を出した。リミスとソワンはムラサメの頭を叩いた後、何度も頭を下げた。


「とりあえず、城の中に入ろう。そこで、話をする」


 と、レイロがこう言った。




 城内にある大きな広場にて。ドンナはそこにある赤く、宝石が埋め込まれた赤い玉座に座り、その横にレイロとヒッペーとエクエスが立った。


「まず、多数の部下を失ったとはいえ、王女を城まで護衛してくれたことに感謝する」


 レイロはそう言って頭を下げ、その後に続いてどんなたちも頭を下げた。ムラサメは目をつぶり、言葉を返した。


「いえ、感謝はいいです。仕事はまだ続いていますし、命を落とした人もいるので……」


「ああ。では、話に入る。ヒッペー、資料をムラサメたちに渡してくれ」


「はい」


 ヒッペーは返事をし、資料をムラサメたちに渡した。そんな中、プレイと目が会い、動きを止めた。プレイはヒッペーに近付き、口を開いた。


「どうかしましたか?」


「ええ⁉ いえ、別にどうもありませんよ! 大丈夫です!」


 ヒッペーは急いで資料をプレイに渡し、元の位置に戻った。その後、レイロが話を続けた。


「護衛の期間はあさって行われる即位式が終わるまで。即位式が終わればドンナ王女は正式にこの国の王となり、一番偉い立場となる」


「簡単で分かりやすい説明ね。ありがとう」


 資料を読み終えたプレイはそう言うと、ドンナの方を見た。


「護衛に関しての動きはレイロさんと連携を取るわ。後は、変な奴らが来たら徹底的にぶっ飛ばす」


「けど、俺の<イビルアイ>で情報を調べるから、生け捕りになる形だけど」


「分かりました。戦いに関してはあなた方に任せます」


 ドンナは頭を下げてこう言った。ムラサメたちは顔を見合わせ、これからが本番だと気合を入れた。




 駅のホームにて。ギルドの戦士と警備員に囲まれたエッチェンはやる気満々のトゥラを見て、ため息を吐いた。


「雑魚の相手は俺がする。お前は下がってろ」


「えー? 私暴れたいんだけどー」


「格下に格の違いを見せつけるには、俺のやり方の方がいい」


 エッチェンの言葉を聞いた一人のギルドの戦士が、大声を出し、槍を手にしてエッチェンに近付いた。


「俺たちを格下だと思ってんじゃねーぞ!」


「安い言葉を聞いてブチ切れるのが、格下である証拠だ」


 と言って、エッチェンはギルドの戦士の腹に向かってナイフを突き刺した。ナイフの攻撃を受けたギルドの戦士は短い悲鳴を上げ、口から少量の血を流した。エッチェンは素早くナイフをギルドの戦士の腹から引き抜き、前に蹴り飛ばした。


「運ちゃん、今のうちに逃げな」


「え⁉」


 運転席の片隅でしゃがみこみ、ガタガタと震えていた運転手はこの言葉を聞いて驚いた。トゥラは運転手の顔を覗き込み、笑顔でこう言った。


「私らを送ってくれたじゃん。殺すなんて物騒なことしないわよ」


「は……はい!」


 運転手は立ち上がり、急いで走って逃げた。ギルドの戦士が攻撃をしようとしたが、エッチェンは右足の蹴りでギルドの戦士のあごを蹴った。


「おいおい、俺らを送ってくれた運ちゃんに攻撃が当たるじゃねーか。ちったー空気読めよ低脳さん」


 と、エッチェンはギルドの戦士に向かってこう言った。


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