第一話最悪な人生?
この星には3つの勢力がある。
それが醜い人間達が住む人間界。あんなのはバカ達がバカどもを蹴落としあっているクソみたいな世界だ。
そしてそんなクソみたいな世界を自分達が守ってあげてると勘違いしてる臭い天使やその親玉のいる天界。
確かに親玉の神はちょっとだけ強いかもだがそんなやつもただの少し頭が良くなった猿にすぎない。
そして最後に、この俺が君臨している悪魔達がいる地獄。もとは悪魔界とかいう名前だったが気に入らなかったから地獄にしてやった。もとのここは一人一人は強いくせに脳みそがないってのかと思うくらいには頭が悪かった。まあ、何人か頭のいいのがいたが...
とにかくこの星には3つの勢力があり最強の地獄の長である俺がこの星を手に入れるため他2つの勢力に戦争をしかけたんだ。俺はまず天界を攻めることにしたんだ。だって人間達は弱いし攻められるなんて考えたとしても動くはずないだろうからな。
そしてその結果神のほとんどがしに天使は全滅した。そこで俺は目標を天界から人間界へと向けた。天界は残った神も弱いのばっかりだったからほっておいても大丈夫だという判断だ。
そうしてすぐに人間界も攻め落とせると思っていたが、その考えは攻め始めてから20年たってから気づき始める。なぜかこの戦争の状況が拮抗しているのだ。
なぜだ?人間は弱いはずだし、脅威になるようなものも事前に把握していたはずだと思っていたが勇者なるものがでてきたのである。しかもそいつは悪魔に対して無類の強さを誇るという。悪魔と相性の悪い天使どもよりも悪魔に強いのだから驚きだ。そう、俺は俺の気づかないところで人間の成長の早さと適応能力を舐めていた。
そしてまた10年経ちついにその時がやってきたのである。そう俺が死ぬ日だ。結局人間とは今は休戦状態にある。じゃあなぜ俺自身が人間界を攻めないかって?それは
「俺はただのゴブリンだからだよ!!」
そう俺はただのゴブリンなのだ。先代の魔王、つまり俺の父親はドラゴンと悪魔のハーフとかいうなんつーチート種族だよと思っていたがその父親がゴブリンと恋に落ち俺ができたのだ。頭が痛くなる話である。
せめてそこらにいる悪魔とのこどもだったら俺も強かっただろうな...
「あぁぁぁもう!!なんでゴブリンなんだよ!!この顔のせいで結局かわいい悪魔と結婚もできず、人間界も征服できずで最悪の人生だったよ!!いや、人はクソだからゴブリン生...いやもう人間でいいよ!!ゴブリンなんかよりマシだろうからな!!」
そうして魔王である俺は命を落とした...
ぉぃ!
(なんだよ...いったい誰がこの魔王様を呼んでるって言うんだ?)
おい!おまえだよおまえ!何死んでるんだ!このわしが特別に生き返らせてやるから!今度はしっかりやれよ!
(は??いったい何言って...)
「おい、あんたは誰なんだ。生き返らすとか意味わかんないこと言って。」
これがこのジジイからやる最初で最後のプレゼントだ。ありがたくもらうんだな。
(プレゼントだぁ?わけわかんないこと言いやがっていったいなにが...)
あれ?俺死んだバスなのになんでまだ意識があるんだ?というかまずは目覚めないと
「オギャーオギャーオギャー」
俺はなぜが泣いている。悲しいわけじゃない。なぜか涙が、いや泣くことがやめられない。大の大ゴブリンであり魔王の俺が生涯出したことのないような大声で泣いている俺自身に驚きが隠せない。
「よしよーし、大丈夫だからねー」
急にそんな言葉が聞こえた。目を開いて目の前を見ると自分よりも何倍もでかそうな人間の女性がいる。
(ゴブリンの頃から小さかったから相手がでかいのには慣れていたがこんなでかい女性がいたとは。俺と比べて3倍はありそうだぞ!)
というかそんな言葉で誰が大丈夫だと思うんだ、大丈夫だというのだったらそれだけの材料がほしいものだが...
と思案しているとなぜか俺は泣き止んだ。
(こ、これはまさか魔法の言霊!?そんなものがあるというのか!?こ、この女性実はすごい人だったりするのか!?)
「大丈夫だからねー。ママが守ってあげますからねー。」
(ママ?今この女性は自分のことをママといったのか?しかもその対象は俺?つまり俺は...)
「バ、バフバブバッベブー!?(人間になってるー!?)」
そうして俺の初めての目覚めはいつのまにか終わりまた眠りに深く入っていった。