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到来するその日の姿

私は黙す

私は黙す


眼の前で友人達が、親族が、家族が、彼らによって殺されてゆくを見ても。

抗議しても、手を挙げても、願っても、そこには何もない。

我らの神は彼らの神でもある。そして、神はお答えにならない。


既に何人知り合いが殺されただろうか。彼らの方でも、何人か、殺された。

抗議しても、手を挙げても、願っても、そこには何もない。

このまま、皆殺されていく。


確かに、何も言わなくなったものたちは生き残るだろう。従順になったからか?

いや、絶望しているからだ。生きる力を失ったからだ。


こんな状況で、何をしろというのか? ただ生きろ、と?


目を開けると、あそこで両手に穴の開いた人が、我らに愛想をつかされ、彼らに嬲られている。そして、彼も殺された。

そうか、ここでは、彼らの神であり、我らの神である彼が殺されつつあるのか。

道理で、人類は滅びよと裁かれるはずだね。


おそらく、預言に謳われている救われる「残りの人」とは、

ただ彼に祈ることしかできない人間なのだろう。

そして、人は皆、そんな祈りの言葉をすら忘れ去っている。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだか切ないですね。
2023/12/16 17:02 退会済み
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