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斧使いのゴルディオン

「何が起こったんだ!?」


俺は声のした方を見た。

すると、一人の男が現れた。

全身鎧に身を包んでいる。

男は巨大な斧を持っていた。


「どけ! ガキども!」


男が叫ぶ。

人々は慌てて道を空けた。


「なんだよ! あいつ!」


俺はムッとした。


「お前も邪魔だよ!」


斧を持った男が叫ぶ。

次の瞬間、男は消えた。


「なにぃいっ!?」


俺は驚愕する。

いつの間にか、俺の目の前に斧を振り上げた大柄の男がいた。

この大きな体で、この速さ! 只者じゃない!


「死ねぇええいっ!!」


男の振り下ろした斧は、魔剣グリムリープによって受け止められていた。

グリムありがとう!!


「ぐぬぅうううううううううううううううううう!!!」


斧を持つ男が力を入れる。


「くぉおおおおおおおお!!」


グリムがミシミシと音を立てる。

グ、グリム!?

ミシミシって……壊れちゃうの!?


「クソがぁああああああああああああ!!!」


魔剣グリムリープが真っ二つになった。


「な、なん……だと……?」


斧の男は、信じられないという表情を浮かべている。

なんでお前が驚いているんだ!?


「俺の力で粉々にならないなんてな! いい剣だぜ!」


あ、そういうこと?


「グリム……【破壊】のスキルを使いたい! 人間だから手加減してくれる?」

『お任せあれ』


黒い斬撃が飛ぶ。


「グゲェエエッ!!!!」


斧の男は倒れた。

すごい血飛沫だ。

し、死んだ?

死んでないよね?

俺は呆然と立ち尽くしている。

何が起きたのか理解できないのだ。

いや、わかった。

グリム、手加減してないじゃん。

『お任せあれ』とか言ってたけど、折られちゃったから、めちゃめちゃ怒ってるんだよね?


「グリム」

『はい。我が主よ』


魔剣グリムから返事があった。


「お、お前! 折れたのに! 喋れるのかよ!」

『はい。我が主よ。私は魔剣グリムリープ。あなたの剣です』

「そ、そうか……それは知ってるんだけどさ。折れちゃったけど、大丈夫か?」

『魔力を注入していただければ直りますよ。時間は掛かりますけど』

「そうか。俺の魔力で……」

『主の魔力では何十年かかることやら』

「え……」

『魔力の高い人が恋しくなってきました』

「ええ……」


グリムがわがままになっている。

折れた影響だろうか。


「って、おい! 俺が殺したのか? 俺があの男を殺したのか? グリムが殺ったんだよな!?」

『圧をかけないでください。殺していません』


あ、本当だ。

大男は動き出し、去って行ったぞ。


「ごめん、グリム」

『魔力を注入してくれるなら構いません』


グリムとの仲が険悪になりつつある。

気がつくと、俺の周りに人が集まってきた。

街の人が俺を称える。


「斧使いのゴルディオンが倒された!」

「たった1人に!」

「ゴルディオンは荒くれ者で、みんな困っていたんだぁ!」


え、すごい歓声。

調子に乗っちゃおう。

グリムのことも讃えよう。


「俺が、この俺が! 最強の剣士! 最強の魔剣グリムリープ! 魔剣グリムリープの使い手! 俺、ハヤトが! 斧使いのゴルディオンを一人で倒したんだ! 最強の魔剣、グリムリープで!」


俺は天に向かって拳を突き上げ、勝利の雄叫びを上げた。

グリムの【破壊】のスキルを使い、俺は斧使いのゴルディオンを倒した。


『あんまり魔剣って言わないほうがいいですよ。魔王の遺物なんで』

「あ、ごめん。直すから許して」

『他に何か言うことはありませんか?』

「え? ああ……ゴルディオンの攻撃から守ってくれてありがとう」

『よろしい』


なんか上下関係が逆になってきてないか?

グリムを修復して関係も修復しよう。

よろしければ、ブクマ・評価をぜひお願いいたします!!

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