表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ビッグ・スロープ

作者: ロック

隣に君がいた。

だけど、もう君はいない。

何がいけなかったのかは、わからない。

置き手紙も残さずに、君は家から出て行った。

僕は、君のいなくなったリビングで、一人泣いた。

こんなに、愛し合っていたはずだったのに。

ののこ、まるで君との日々が僕の脳裏に鮮明に映る・・・。


俺は通信会社をクビになった後、転職活動をしていた。

もう5回目の転職だ、職場をよく転々としてると思われるが、色んな会社が短期間で俺をクビにするから、行き先をずっと探していた。


何が落ちる理由なのかは、わからない。

だがとにかく俺は次の職場を見つけたいという気持ちがあるのと反面、またクビになるのかなと考えると、まともに就職活動をするのも正直怠い。


だから様々なSNSを使用していた。

ある日音声通話特化型SNSで出会った少女、ハンドルネームは、nono。

僕は彼女に電話をかけた。

「声可愛いね、自撮り界隈の方ですか?」

「うん。」

彼女は僕にインスタグラムのIDを教えてくれた。

彼女は僕が一目惚れするほど美しかった。

彼女は俗に言う自撮り界隈のユーザーで、僕は自撮り界隈に対し強い関心があった。

「いいねがたくさんついてる

君はアイドルにならないの?」

「ならないよ、アイドルは好きだけどね

プロデュースしたいんだ」


「プロデュースか、いいね。応援してる」


彼女は現在18歳、まだ女子高生、僕の年齢は23歳、俺は彼女が進学したら、彼女がいるところに引っ越そうと決心した。


そのために俺は必死に就職活動をした。

彼女が住んでいるのは大阪府、引っ越しの費用の捻出も大変だろうからなるべく社員寮がある職場を選んだがそうそうない。

だから僕は豊中市で、家賃の安い物件を探しながら、大阪で職を探した。1週間で20社受けた僕はなんとか事務職で内定をもらった。


内勤を希望する理由が、ののこがウルフヘアが好みだからだ。

俺は今まで住んだアパートを引っ越し、大阪府豊中市曽根西町にあるアパートに引っ越した。


引っ越した後は家電量販店やスーパーで家電や食材などを調達した。

そして、家にいろいろ揃えた後、僕は彼女と会った。


実際に会う彼女はインスタで見る彼女とは印象は違うがマスク越しでもその可愛さがわかる。

「引っ越したんだ、」

「うん」

僕はののこも自室に招いた。


僕は、ののこと会話を15分ほどした後、僕はののこを抱いた。

ディープキス・・・それがただ心地が良かった。


「ののこ、卒業したら同居しよう」

「うん」

「ののこ、・・・」

「何も言わなくていいよ、二郎くんが私のこと好きなのは知ってるから。

・・・付き合おっか」

俺は、またののこをハグした。


ののこは、自宅に帰った。


その後俺は職場で死ぬほどの思いで頑張った。

業務を効率化するために、マクロを用いて、同僚に業務がしやすくするように、効率化したり、また能力が認められ入社6ヶ月目にして、営業の仕事もさせてもらえるようになった。


こうして月給が25万円を超えた時、俺は2人で過ごせるマンションに引っ越した。

家賃は10万円だが、2人の時間が過ごせるならそれで良い。


「ののこ、来て欲しい」

僕はののこを弁天町駅に呼び、引越し先のマンションに案内した。


「2DK、これで2人で暮らせる」

「ありがとう・・・」


ののこは、大学生になっていたからこそ、僕は言った。

「一緒に暮らそう」

「うん」

ののこは、俺をハグして俺に言った。

「勅使河原二郎くん、本当に大好き」

「ありがとう」


僕の懐的には決して安くないが、それでもののこと入れるならそれで良いと思った。


けど、屋根の下で2人で暮らしてみると、色々嫌な部分も見えてくる。

僕はののこが好きだし胸を張って愛してると言えるけど、だけど、ののこは、不満はあっても何も言わなかった。

それが僕がののこの唯一嫌いなところだった。


同棲して1ヶ月後、僕はののこにいったんだ。

「ねえ、なんか思うことあるなら言って欲しいんだけど」

「いや、特にないけど」

「じゃあなんで、不機嫌そうにすることあるの?」

「言わせてもらいますけど、あなたの料理全然美味しくないし、全然構ってくれないし、それに休日も本ばっかり読んでばっかりだし、話をしても自分の話しかしないし、私の話全然聞いてくれないじゃん。

そりゃ最初は好きだったけど毎日マシンガントーク聞かされる私の身にもなってみてよ、興味のない、戦闘機の話とか、ロボットアニメの話とかされてもうざいだけ。


ごめん、言いすぎた」

俺はののこに土下座した。


「ごめん、君の話を聞くようにするね」

「良いよ、ごめんね怒っちゃって」


そして翌日・・・


彼女は、自宅にいなかった。

ラインもインスタもブロックされてるし、電話も着信拒否にされている。


涙を流しながら自室にあるギターを取り出し、僕は、スタンドバイミーを歌い始めた。


歌い終えると僕は泣いていた。

さようなら、ののこ。

幸せになるんだよ……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ