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101年12月13日15時36分13秒

二作目になります、よろしくおねがいします



 「………………………………………………………………」

 沈黙、沈黙、沈黙。

 森の中、足に蚊が集ろうが虫が這いずり回ろうが息を漏らしてはいけない。

 なぜなら近くに殺すべき『奴』が居るからだ。



 「…………………………………………………………………」

 奴は動かない。

 見た目は黒い靴にスカートの様なズボン。

 そして赤い服を着て頭髪を纏め、一本の縄のようにしている。

 性別は不明、なぜか顔が判別できないのだ。

 手には長い爪をチラ付かせている。


 そっと内ポケットの中から銃を取り出す。

 安全装置を下げ、それをゆっくりとそいつの頭に合わせ、引き金を引く。


 『バーン!』


 死んだ。

 奴は為す術も無く地面へ倒れ、頭から真っ赤な血がどくどく流れ始めた。

 問題はここからだ。

 突然、奴の死体は激しく発光し、死んだ筈の奴が起き上がる。


 「うァ…うぅぅ……『バン!バン!バン!バン!』


 銃に残っていた弾をすべて全身に浴びせた。

 奴の四脚は飛び散り、目玉が転がっている。

 しかし再び発光したかと思うと奴の体は元通りになっていた。


 「こいつッ!」


 すかさず、銃で頭を殴った後、足を絡め地面へ押し倒し、ポケットからナイフを出してメッタ刺しにしたが、それでも奴の体は光と同時に元通りになっていた。

 そして、復活した奴の首をナイフで掻き切ろうとした瞬間だった。


 『ザァァァァァッ!』

 「ッ!?」


 奴が私の脇腹を、その長い爪で切り裂いたのだ。

 脇腹に深い切り傷が出来た事により血が流れ、強い痛みが私を襲う。

 そして、奴に振り向いた時には、その長い爪が、私を再び襲おうとしていた。

 絶体絶命の中、私は握っていたナイフの事を思い出した。

 奴は腕を私目掛けて振りかざした

 その僅かな隙を見て持っていたナイフを一か八か腕に向けて投げつける。


 『ドスッ!』

 「!?」

 奴は突然腕に刺さったナイフに目を白黒させている。

 私はこれがチャンスだと思い、間一髪奴から逃げ出した。


 「セセセセセセセセセ……」


 奴の不気味な笑い声が森に響く。

 後ろを振り向いても奴が追いかけてくる気配は感じない。

 しかし、だからといって逃げることを躊躇する気はさらさら無い。

 私は森の外へと逃げ出すことに成功した。



 さて。

 私がなぜ『奴』を殺さなければいけないのかだが、これを説明するには一年前に戻らなくてはならない。

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