1 インスタント美少女を衝動買い
中一のころに書いた作品をリメイクして出しました。
おかげで僕の中一のころはぶっ飛んでいて美少女に飢えていたということがわかる作品になっています。
つまり、俺の醜態さらしてるだけヤーン!
ではどうぞ。
俺、松波八雲は某通販サイトをぼーっと眺めていた。
部活にも入っていないし友達もいないつまらない高校生活。
親の海外転勤で高校から一人暮らしを始め、「これはラブコメあるんじゃないか?」という淡い期待を抱いたのも束の間、現実は非情だ。
一人暮らしをしたところでぼっちに変わりない。
俺もアメリカに行ってウェイウェイ系になりたかった。
「いや、きっと環境が変わろうが俺はこのままだな」
もはや諦めている。
幼いころから美容師という陽キャの極みが苦手で、髪を切りに行けなかったので髪がずっと長く根暗というイメージを持たれ、おまけに身長が高いが猫背で、藻感が強い。
内面はこのように腐っているため、もう手遅れである。
せめていい大学に行っていい会社に就職して、いい暮らしをしたいなと思う毎日だが……モチベも続かない。
そして暇つぶしに、こうして通販サイトを徘徊しているのだ。特にほしいものはないが、バイトして稼いだ金が無駄にある。
「ん? なんだこれ」
ふと目に入るある商品。
「インスタント美少女?」
とんだネタ商品だなと思いながらも、興味本位で詳細を見てみる。
画像のところにはいろんなタイプの、制服を着た学生らしき美少女たちが三人いた。
一人目は青髪のポニーテール。活発そうでコミュ力が高そう。さらにスタイルが良く、きっと間近で見たらすごい大きさだろうな、と高校生らしい発想に至ってしまう。
二人目は茶髪のショートボブ。童顔で、何となくだが後輩キャラって感じがする。
他の二人の美少女と比べると身長が小さいので、おそらく小柄なんだろう。
三人目は黒髪ロングの性格きつそうな美少女。これはたまたま見たラブコメにいた学校一の美少女、というやつに容姿が似ている。おそらくそれを意識しているのだろう。
三人ともめちゃくちゃ可愛いけど、誰も観たことがない。
一般的な高校生が有する知識はあるので、今はやりの女優だったりモデルはある程度知っているのだが、その人たちよりも数段可愛い。
まぁ、普通に考えたら加工か。
続けて詳細を読む。
『そこの独り身の君! 可愛い彼女、欲しくないかい?☆彡
そんな君にぴったりな商品をご紹介! こちら、インスタント美少女(*´▽`*)
注文を確定した瞬間にランダムで美少女があなたの部屋を訪れるよ。
もちろん、彼女としてね!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
友達に彼女ができたって自慢してもいいかって?
もちろんだよ! 一日限りの彼女だけど、一日は君のものだ! いくらでも自慢するなりしていいからね? キラ☆キラ
それと、童貞……卒業するのもアリだぜ? きらりん☆レボリューション
すべて君の自由! 美少女の一日は君の手に!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
おっ興味ありげだねそこの君~。どう? これで独り身の寂しさ、紛らわさない?
本日限定! 二十万のところをなんと一万円で! さぁ、今すぐカートボタンをぽちりだ!』
「……は、半端なく嘘っぽい……」
いや普通に考えれば嘘ってことはすぐわかる。
明らかに文面がキラキラしていてちゃっちさが出ているし、そもそもこんなのが現実でできたらここはラノベの世界か何かだ。
値段設定を最初は二十万にしておいて限定とつけて格安にするのも、よくあるセールス方法だと聞いたことがある。(知〇袋)
でも、なぜだろう。
画像にあった美少女が魅力的で、脳裏に焼き付いて離れてくれない。
それに俺の中の寂しさが「行っちゃえ!」とやけくそに叫んでいる。
「くそ……」
美少女にちやほやされたい。
これは男なら誰しもが持つ願望であり、ぼっちでラブコメの主人公としての素質は持っていると自称している俺ならその願望は強い。
「(絶対こんなの詐欺だろ……)」
そんなのわかってる。
レビューもないし、買われた形跡もない。だからこんなの詐欺に決まってる。それかネタ。
だけど、俺は衝動的にカートボタンを押していた。
そのままやけくそで手続きを済ませていく。
「くそぉぉぉぉぉ!!!!」
無意識のうちに叫びながら、これをしたところで何かが変わるわけでもないのにすがって、自ら騙されに行く。
なんて滑稽な奴なんだと、自分でも思う。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
衝動買いとはきっとこういうことを言うのだろう。
いや、これはそれよりももっとたちが悪い。ジャンク品を買う方がマシだ。
こんなんじゃただ一万円を溶かしただけ。
でもどこか期待している俺がいて、俺って夢見がちだよなぁ、とため息をついた。
少しの間、玄関を見つめる。
すぐに来るって言ってたけど、インスタント美少女が来る気配はない。
「ほら、やっぱりな。これは現実なんだ。美少女が来るとかありえないんだよ。まぁ、カップラーメンでも三分待つけどな」
自分で言って自分で笑う。
なんとむなしい展開だろう。
さてさて、自分で夕飯でも作りますかね。
現在時刻は夜七時を少し過ぎたあたり。
いつも通り自分で何か作って食うか。手ごろに炒飯かな。
『ピンポーン』
キッチンに足を向けた瞬間、機械音が俺の部屋に響いた。
嘘……だろ?
いやいや俺何か頼んだんだろ。いや、頼んだ記憶はないけど。
まぁさすがにそろそろ出た方が良いよな。よし、出るか。
おそるおそるチェーンロックをしっかりとかけてドアを開けた。
「こんにちは! 八雲君! 来ちゃった☆」
そこには、さっき画像で見た美少女よりもさらに可愛い、青髪ポニーテールの美少女が立っていた。
〈もしもやけくそで三回購入したら〉
「くそぉぉぉぉ!!!」
購入個数を三個にし、やけくそで購入する。
これで三人全員当たればラッキーだと、詐欺でも思うこの楽天さ。自分でもおかしいことはわかっている。
ただ、衝動にはあらがえない。
【一分後】
「「「こんにちは! 八雲君! 来ちゃった☆」」」
ダブった……しかも三人とも青髪のポニーテールの子……。
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ではまた明日~