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3年経過そしてそれまで

ココアをパーティーに加入させて3年の時が過ぎようとしていた。


その間、ココアを偽名で呼ぶことにし伯爵家から横槍が入らぬよう育てる事としたのであった。


その名前は、コハクとすることに。


偶々、街にお使いに来ていたマリルと会う機会がありコハクと名乗っている事を教え、暫くはここにいる旨連絡を取る場合は冒険者ギルドのサラに言伝を頼むように伝えている。


伯爵家の者たちは、すでにココアが死んでいるものと思っており体裁のいい厄介払いが出来たと北叟笑んでるらしい。



「うん。コハクも俺たちのパーティの主力と言っていいくらいまでに育ったなぁ。」


「そうだわね。前衛も後衛も熟せるし、私たちの教えることをどんどん吸収していってるからだわ。」



もともと、物覚えがいいコハクは乾いた砂が水を吸うように冒険者としての知識をガッデスたちから教わったのであった。



「ヴェルベットの言う通り、俺たちのパーティに入れたのは正解だったな。」


「儂も以前と比べて楽に戦えるようになって嬉しい限りじゃ。」


「最近、コハクの活躍が目立って来て俺の出番が減ってるのは気のせいか?」



他の3人もコハクを十分に評価し、仲間として認めている。



しかし、その反面Bランクパーティに拾われたコハクの事を気に入らない冒険者たちも中にはいた。


ガッデスたちのパーティに参加した頃、やっかみで嫌がらせをしようとした冒険者の一団がおり、コハクに対する嫌がらせがひどかった時期がある。


ギルドマスターであるメリッサが剣術を教え、ガッデスたちが面倒みているという事実に嫉妬しているのであった。


ある日、冒険者の一団の一人レブナクがコハクに喧嘩を売ったのである。



「おうおう、てめえは何で優遇されてんだ?その貧相な体でギルマスとガッデスに言い寄ったか?」


「そういう事をした覚えはありませんね。私を心配してくれたメリッサ様とガッデス様たちが私を鍛えて下さってるのですよ。」


「一冒険者を優遇する訳ねーだろ。てめえは、気にくわないからこのギルドから出てくんだな。じゃなきゃ、俺たちがボコボコにして奴隷商に売ってやんよ。」


「私も生活がかかってますので、あなた様の言う事は聞けませんね。」


「舐めてんのか!てめえ!」



今にも襲い掛かりそうなレブナクたちであった。



「ギルドの刃傷沙汰はご法度ですよ。これに違反すると冒険者資格の停止及び罰金が発生します。」


「あーん?サラ、てめえもこいつの肩を持つのか?おめえも一緒に奴隷商に売ってやるわ。おめえなら、高く買ってくれるだろうから冒険者やる必要もねえわな。くくく。」



サラの制止も聞かないレブナクたちであった。



「やれやれ、騒がしいな、どうしたんだ?」



メリッサが奥から出て来た。


事情を説明するとメリッサは笑い始めた。



「サラの制止を聞かなかったって事は、冒険者ギルドに喧嘩売ったって事でいいんだな?」


「ギルマス、ギルドに喧嘩売ってる訳じゃねーよ。そこのガキとサラが気にくわないだけだ。ガキが優遇されてるのが気に食わねー。」



レブナクは、メリッサの言う事を聞こうとしないで自分の意見を押し付ける。



「仕方ないね。レブナクとお嬢ちゃんのタイマン勝負で勝敗を付け、負けた方はギルドを去るって事でいいね?」


「おう、俺はそれで構わねーよ。」


「わかりました。メリッサ様がそう決めるのであれば従う事にしましょう。」



地下の練習場に移動し、メリッサ立ち合いのもとタイマン勝負が開始されようとしている。



「お嬢ちゃんは、全力出しちゃダメよ。」


「はい、わかりました。」



その台詞にレブナクは顔を真っ赤にして怒っている。


いよいよ、タイマンの開始である。



「はじめ!」



メリッサの掛け声と共に戦闘が開始される。


レブナクは大剣を装備しており、コハクはレイピアと盾を装備している。


レブナクが一気に攻めようと大剣で鋭い一撃を放つ。


その一撃をバックステップで躱し、レイピアで突く。


コハクの一撃は、レブナクの左肩に刺さる。


しかし、その程度の傷ならレブナクは何度も経験している。



距離を取り、大剣技を放とうと構え直す。


コハクは相手の動きをしっかりと見据え、レブナクの一挙一投足を見逃さないように警戒する。


レブナクが横薙ぎ一閃を放つ。


その技が発動を見極め、コハクは盾での防御で距離を縮め大剣を防ぐ。


横薙ぎ一閃は、振り切る事によりその剣速によりカマイタチを起こす技である。


盾で防いだ為、体重差で飛ばされる事となるが、カマイタチの発生を防ぐ事は出来たのある。



飛ばされて着地した瞬間にコハクは、レブナクの喉元にレイピアの突きを放ち寸前で止める。


勝負は決したのだが、納得いかないレブナクの仲間がコハクに対し攻撃を仕掛ける。


コハクは、風の刃の威力を押さえ唱える。


レブナクの仲間たちは練習場の壁に叩きつけられ気を失った。



「やれやれ、レブナクよ。お前の仲間はタイマンも知らんのか?言い訳も出来んぞ?」



レブナクは、がっくりと肩を落としメリッサの沙汰を待つことに。



「メリッサ様。此度の事は、若干の行き違いがあったものと思われます。彼らに寛大な処置をお願いいたします。」


「仕方ないの。レブナクよ、聞いたな。お嬢ちゃんがこう言うから資格剥奪は許してやろう。だが、罰金は支払って貰おうか。とりあえず、一人金貨1枚って事にしてやる。」



メリッサは、レブナクにそう告げると練習場を後にする。



「お嬢ちゃん、すまなかった。俺たちが全面的に悪かった。許してくれるか?」


「私が許すも許さないもメリッサ様にお任せしたので、問題はありません。これからもよろしくお願いしたします。」


「すまねぇ。ありがとうよ。」



コハクも練習場を去り、レブナクは仲間たちの意識が戻るのを待ち事情を説明し、その後コハクに全員で謝りに来たのは後の話だった。


お読みいただきありがとうございました。

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