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やわらかなるホワイトデー生活♪②

続きです♪

『うっそだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!』


元我が党の

書記長だった吾輩メガネ君に、アホ面下げたメガネ男子二人は餌にたかる子猫の如く群がった。


それも、一目散に股間めがけてネコまっしぐら。。。である。


そう、吾輩君の股間が彼らにとっての猫缶《モ〇プチ》であったのだ。


「我が党の規則に従って引っこ抜け!!」


「党則は憲法よりも重い!そこのところ解っているな元書記長どの!!」


かつて、旧ソ連軍に政治将校をおさとした督戦隊とくせんたいなる恐怖の部隊が存在した。


この部隊は血肉飛び散り銃砲弾駆け交う戦場いくさばで、自軍の兵士や部隊がもし敵と戦わず逃亡を図ったり降伏するような素振りを見せたら、後ろから容赦なくド頭撃っちゃうんだからね♪リアルに…。。な、とんでも部隊であったのだが、今まさに元書記長メガネが直面している事態は、その悪名高き督戦隊よりも厄介な、ゲームの失敗だけで将来有望(自己判定)な〝第三の足〟を【物理的に引き抜かれようしている】としていたのだから、、、始末におえない。


「ぬーがせ♪ぬがせ♪ぬーがせ♪」


「ふーうふーう♪」


「ぬーがせ♪ぬがせ♪ぬーがせ♪」


「ふーうふーう♪」


『おやめになってェーーーー!!』


全力防御と全力攻撃!!


男の子の・そ・ん・げ・ん・♪を掛けた闘いの火蓋が、今まさに切られた!!


これまでの人生の中で出したこともない最大の力を振り絞り、黒縁メガネ元書記長は自分の制服ズボンのベルトをつかみ脱がされまいと必死の抵抗線を張り巡らせている。


たとえれば、メガネ書記長の防護は関東平野から北陸を範囲と直線で結べる規模であった鉄壁の【クルスクの縦深防禦陣地】に立て籠もるソ連軍。そして、この頑強なる抵抗を排除しようと同じく黒縁メガネの同志二人は、さしずめこれを力づくで突破し破砕せんと攻勢をかけるドイツ軍である。


いつの間にか二人が自作金モール付きの襟詰めの制服に、鷲のマークの制帽を決めているのもその為である。


彼らは、もと何とかさんのズボンの両足部分の裾を片方づつ分担しながら、,,


「「Hurry--------------!!!!《フラーーーーーーーーーー!!!》(万歳!!!)」」


と喚声を上げ引っ張り回し、もと何とかさんは、、、


『Ypaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!《ウラーーーーーーーーーー!!!!》(万歳!!!!)』


と、叫喚きょうかんの声を上げて、気合と根性で彼らの攻撃に耐え続けていた。


そう、まかり間違ってズボンを引きずりおろされれでもしてしまったら、人生終了の御知らせなのだ!!


即ち、もと同志二人に股間のウインナーがナニされてポコんと引っこ抜かれて、空いた穴に特売品(98円)のナメコが一個が差し込まれる予定であった。


無論。ナメコは既に購入済みである。


であるので、、


(お前のナニちっちゃ!しかもものっそいヌルッヌルだな!キッモ!!)


などと、今年行く予定の修学旅行のホテルの浴場で他の男子生徒から言わせるためだけに、ただそれだけのために、アホみたいな理由で考え出された罰ゲーム【ちんちん抜きぬき大作戦】(伏字にする気はない)を、【エロ縛りしりとり】の失格者に課すため、盛大にして大いに無駄な攻防を激烈に繰り広げていたのだ。


発案者は、しくも【メガネ書記長】その人であった。


ただ、それが物理的に実現可能か、それをすることに一体何の意味があるのか、人生に重大な汚点を残す可能性が大ではないのか、などを彼らは一切考えてはいない。


そう、その場のノリだけで彼ら三人は人生を無駄に元気に謳歌おうかしているのである。


要するにバカとは、どんな時でも全力でバカなのである。 


…そして、バカには必然的にお仕置きが必要なのである。


「「お前ら!屋上で何を騒いでいる!!」」


学業的必要性をもって、バカ三人衆の前にあらわれた先生たちが二人。


屋上から階下に繋がる階段室の両開きの扉を〝バ―――ン!!〟と開け大いに怒声をあげた。


『くっそ!公僕こうぼくの犬どもに踏み込まれたぞ!!』


 確かに学校の先生たちは〝公僕〟ではあるが、犬ではない。口を慎みなさい。


「誰が我らの〝アジト〟をタレこみやがった!?」


 たれ込むも何も、ここは校舎の屋上である。


「て、てったい!撤退だぁ~~~!!」

『バカ!ここは転進と言え!!』

「「わかった!!」」

『「「て、転進だァ~~~~~~~~!!!」」』


 そうだね。うん、逃げるが勝ちだね。逃げきれたらね。


 こうして三バカトリオは捕まるまいと、今までやっていたおバカな内ゲバに終止符を打ち、以後、如何にしてこの刹那せつなからトンずらするか、それのみを目的に彼らは命がけの行動を開始した。


「「えっ?あっ!おいやめろ!!あぶないぞ!!」」


『来れるもんならこっちまでおーいでwww』


「バーカバーカwww」


「アデュ~~~www」


三バカトリオは先生たちの制止も聞かず、屋上の四周に張り巡らしてある高く内側に湾曲した金網をものともせず、まるで餌の尽きた山野をさ迷う餓えた猿のような狂気を孕んだ表情と動作で登り降り、そしてすぐさま校舎の側面に設置してある雨樋あまといのパイプにガッチリしがみつき、器用にスルスル地上に向かって下りはじめたのだ。


「あんな危険なルートを使って屋上に侵入していたのか!あいつらチンパンか!?」


「通りで、出入り口のカギを錠前に変えても入られたわけですね…メガネチンパンのくせに賢い」


それだと単にメガネ猿と言った方がよいではないか。


そう。三バカは、屋上へとアクセスする階段室【東西2箇所に存在】の出入り口一箇所及び窓二箇所のカギが、運動場としての機能を求められていないときは錠前と固定錠で入れないように施錠されていることに愕然がくぜんとし憤慨ふんがいしたが、だからといって破壊活動をしてまで中に入る訳にはいかず(やったら絶対親呼ばれてひどい目に会うから)、そのため、長く苦しい侵入ルート開拓の結果、遂に見出したのが、この【長征四万里】(四階建ての校舎なので)と名付けた突入ルートであったのだ。


注・良い子はマネしないでね♪落ちたら死ぬよ♪


とは言っても、先生たちが彼らが再々に渡り屋上に侵入し、なんちゃってアジ演説ごっこをしたり、突如始まる内ゲバで争ったりして無駄に騒いだりしているのを危険視し、屋上へのアクセスを遮断したのが施錠された主な原因である事実を、彼ら三バカは予想だにしていない。


だってバカだから(* ̄∇ ̄*)


左様な、怖いもの知らずの三バカ……。ていうか、世の中のナニが本当に怖いのか、理解できない程度の頭脳をもつ日本が産んだ生粋きっすいのバカたち、、、あっ、いや。【サル目-直鼻猿亜目-メガネサル科】の霊長類の端くれどもは、えらい高所から地上に降りるという難易度の高い作業に恐怖心を一切感じることもなく続々と、重力のある地面にドン!!!と降り立ち、、、


『「「鷲は舞い降りた!!!」」』


などとほざき、得意気に昭和の3人戦隊ヒーローのようなアレなポーズをバシッと決めたのだ。


さあ出てきて悪の組織!!やってきて悪の怪人!!


そして頭がアレなこいつらを退治して!!


斯様かような人類たっての願いもむなしく三バカたちは、屋上から怒鳴り声を上げる先生方の存在など完全に無視して中庭のテラスを掠めながら逃げ走り、そのまま健全な部活動を実施中の女子らの御姿を股間を押さえつつ前屈みになりながら覗き見。そして体育館ヨコの倉庫の屋根に無駄に登って飛び越して、今は廃部となった野球部のカギのかかっていない部室に侵攻。オリジナルの真っ赤な旗を埃だらけの机に立てて占領のあかしと成して、やっと一息ついたのであった。


               

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