プロローグ
□■プロローグ■□
「はぁ…まさかここの学校が…廃校になるなんてなぁ…」
そう一人薄暗くなった教室を一人で掃除する少年がいた、彼の名前は鎖薙 氷空、この田舎町の飯山高校のただ一人の高校生、そして今日、創立100年を超えた高校が廃校になるのだ。
理由は簡単、ただ単に少子化と氷空の友達が都会に移ってしまったのが原因、氷空は元々一人っ子だったが、そこに追い討ちをかけるかのように父親の交通事故死に母親の出勤により、俺一人になってしまった友達は俺に毎年新年に帰って来る。
帰宅中、俺は周りを見る、氷空が暮らしている飯山村は、主に老人が多い様な集落の為か、いつ倒壊してもおかしくない建物が多く見られる。
「あ…買わないとなぁ…」
「「あっ…」」
「すいませ…ん…」
「ごめんなさい……あら…っふふ…」
そこに居たのは綺麗な服を着ており、キレイで真っ直ぐな超ロングヘアの持ち主…そして俺よりも背が高くて、とても美人だった、そんな女性が俺を見るなり、
「またお会いになりましょう」
「は、はぁ…」
そう言ってその女性は俺に背中を向けて去っていった。
「またお会いになりましょう?どういう事だろ…ん?」
俺は道に無かったはずの水滴があるのに気付く、
「これは…なんだろ…知らない方が良さそうだな、うんうん。」
そんな氷空は気付かない、氷空に出会った女性、実は軍人だと言うことを。