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ずっと見守ってくれていた人


『やあ、レア』


慣れた空間の中に神様がいた。

今回の神様は落ち着いていた。


『君には感謝しなきゃいけない』


リッシュのことだろうか。

どういたしまして、私としては守りたいものが守れたからそれでいいけれど。


『そこでね、お礼の気持ちも込めて、あと一つ願いを叶えてあげようと思うんだけど』


ただし、なんでもではなくて、同じ世界に生まれたいとか蘇りたいとかそういう願いは言えないそうだ。

その言葉を聞いて私は悩んだ。

私はもう満足だった。

短いけど、前世よりも楽しかったし、守りたいものも守れたし、後悔があるとすればそうだな…これから先を共に歩めないってぐらいで何も、何もほしいものなんてなかった。

でもせっかく一つ叶えてくれるというのなら何か言った方がいい。


そうだ、私がいなくなったあとの大切なものたちをどうやったら守れるだろうか。

私だったら魔法をぱぱぱっと使って解決ぐらいできたけど。

そうもいかないだろうし。


「そうだ、彼らの願いを叶えてあげてほしい」


これが一番いい願い事だ。

どんなにプレゼントをあげようと思っても、相手がほしいものじゃないと迷惑だったりもする。

なら相手が決めればいい。簡単だ。


その言葉を聞いた神様は驚いて、笑った。


『そっか、うん、そうだね、』

「我ながら最高な願い事だと思わない?」


だってこれならもう私がいなくても平気になる。

彼らだけで生きていけるとわかっていても念には念を、これで心配しなくて済む。


「あ、そうそう、一つききたいんだけど」

『なんだい?』


そう、なんだか見たことがあるとずっと思っていた神様がようやくわかった気がして。


「私のお父さんだったりする?」


そう、小さいころ離婚したと言っていた父親の方。

もし離婚なら母親が相手を探して再婚していてもおかしくないし、現に母親は再婚を迫られていた。

けれど母は結ばれることはなく、ただひたすら何かを信じて生きて、そして死んだのかもしれない。

もしそれが、別の世界でリッシュに閉じ込められ、出てこれなくなっただけだったとしたら。


『……』


神様は答えなかった。

否定をしなかったと言った方がいいかもしれない。

ただ、申しわけなさそうに頭をかいていた。

なんて、頼りない顔をしているのだろう。


そうなればわかることがある。

私がドミニクつまり奇跡の子として生まれたのはもともと神様の子だったから。

女神とかで生まれなかったのは人間と神様の間だから。

12属性だったのは神様がくれたからじゃなくて元からそれだけの力があったから。

前世で生きていけなかったのはそれを知らなかったから。

ここを居心地がいいと思うのは、きっとここに近い存在だから…かな?


しかし、頭が良くなったり、運動神経が良くなったり、見た目が良くなったのは確実に父親のおかげだ。

くだらないお願いをしてごめんね。


「お爺ちゃんのふりしてまで見守ってくれてたんでしょ?ありがとう」


ゾード爺様は既に他界しているはずだけど、それでも時々現れて、しかも私以外の記憶にのこらないなんて神業使える人絶対に他にいないはずだ。


謎もとけてスッキリ、でいいのかな。

ふと、父親が何かに気がついてニヤリと笑った。


『さあ、そろそろ眼が覚めるころだよ?』

「え?私死んだんじゃないの?」


白くぼやけていく世界に私は叫ぶ。


『みんなが望んだんだよレア、”君に生きていて欲しい”ってね』


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