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今度こそ勝った


杖にはまっていたオーロラ魔道石が白く光った。

その光はきっと私の名前の由来にもなった獅子龍の光だ。

レアテルオスは勇敢と正義を司る光の精霊。


私は自分の中にある、本来ならとっても大切なものを手に取った。

きっとリッシュはこれができなかったから負けてしまったのだと思う。

私の手に握られていたのは兄様からもらった大切な杖にその大切なものを込める。


気がつけばリッシュも魔法を唱えてサキュリリスと応戦しており、クシュシュはみんなに聖属性打ち消しを唱えていた。

ケイトは城が燃えないようにと工夫しながら火を放っていた。

クリス兄様もエメスト兄様も得意の剣術上級でサキュリリスを討伐している。

サキュリリスが減り、ロイとカインが剣を交えていた。


ほんの一瞬、されど長いこの一瞬。

私は深く息を吸って、吐いた。


魔法を唱える。

今まで神言を使っていたものをノーモーションに切り替え、多種多彩な魔法を放つ。

魔力切れの心配はもうない。


私の魔法が当たったサキュリリスはそこに存在した後だけを残して消え去った。

そして私は誰よりもあいつと戦う必要があった。


邪の精霊。


私が放った魔法をたくさんある腕の一つで受ける、がその腕が消し飛ぶ。

邪の精霊もそれには驚いたようで、涼しげにしていた顔が怒りに歪んだ。


食って溜め込んだ魔力の形を変え、放ってきた。

”ヴォルフマグナ”だ

それを私は無属性の魔法で受け止める。私の魔法に触れたヴォルフマグナは無力化し、形が消えた。


さらに怒りに任せて魔法を放ってきた。

“ウィンズアロー”

無数の風の矢が降り注ぐので私は無属性で障壁を仲間にも張った。

私の障壁に触れたウィンズアローは無力化し、形が消えた。


これでもか、と先ほど私が使った魔法を放ってきた。

“アースピア”

大地から突き出てくる槍が私を貫くが、私に触れた時にそれは無力化し、形が消えた。


私の魔法の異常さに気がついた邪の精霊は少しおびえたようになり、闇雲に魔法を唱えだした。

その魔法はどこかのおとぎ話に出てきた魔法ばかりで、私は懐かしく思い、笑う。

彼の腕に魔法をぶつけ吹き飛ばし、彼の目玉に魔法をぶつけ消しとばし、彼の羽に魔法をぶつけて四散させた。

私はゆっくりと怯える彼に近づいていく。

その頃にはサキュリリスたちもあらかた片付いて、仲間たちは余裕を見せていた。


「その力を、元あった場所に返してきなさい」


彼の頬に手を添え、輝くオーロラの瞳で心の奥にあるそれを睨む。

私が触れた彼はどんどん無力化されて、どんどんその真っ黒な姿が落ちて人の姿に戻っていく。

しかしその人もおびえ、今度はどんどん老けていく。


「いやだ」


老人がかすれた声で泣いた。

泣いて私の腕を掴み、離せともがいたが、その腕はサラサラと砂になり崩れていく。


「嫌だ!」


そう叫ぶ老人はどんどん砂になり、消えた。


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