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作戦成功


虚ろな目をしたクリス兄様とエメスト兄様もそこにいた。


「あら?ようこそ私のお城へ」


妖艶に笑う彼女にすぐに魔法を唱える。

もちろんクリス兄様とエメスト兄様が私の方に来ることなど知っている。

障壁を張りながら戦う。

それでも私は奥にいる女に魔法を唱える。


「あらあら、暴れちゃって、どうしたの?怒ってるの?」


私は無言のまま相手を見ないで兄様とエメスト兄様の攻撃を回避、魔法を唱える。


「お兄さんたちを攻撃しないといつかやられちゃうわよ?」


魔法を唱える余裕がなくなるぐらいに兄様たちが畳み掛けてくる。それも私は回避する。


「避けてるだけじゃだめよ?ほら、殺してあげなさいよ」


相手が笑うが無視をする。

そして私はここで魔力が切れた。

そのことは相手も分かっているらしく、兄様たちの攻撃の手がやんだ。

私は絶望して相手の額を見る。


「ああ、ほら言った通りどうしようもないでしょ?」


女の人が不用意にも私に近づいてくる。

私は兄様たちの目を見た。

クリス兄様は私と視線を合わせると少し微笑んだ。


そうだ、これは作戦だ。

私が全てにおいての囮。

リッシュが私の代わりに聖属性の打ち消しを強く放ち、兄様たちの解放。

カインは抜け道をうまく駆使して玉座の後ろに待機。

ケイトは何かあった時のために目くらましをしてもらう予定。

クシュシュはリッシュと一緒に打ち消し。


「あなたなんかに!負けない!」


私はわざと大きな声を出して相手の注意を引く。

そうだ、相手はそういうモンスターなのだから。

生きるか死ぬかで戦ってきたあのモンスターなのだから。


兄様たちの解放速度を見るからに、カースインキュリットよりもはるかに強い。

油断できない、ランクとしてはSSランクぐらいだろうか。


「うふふ、面白い子ね」


じりじりとカインが近づいていく。

あと少し。


「さっきからこそこそしてるのはお友達?」


そう言って振り向きそうになった時、もちろんカインは目をつぶり、私も目をつぶった。

突如目を閉じていてもわかるほどの光が部屋に炸裂する。

何かあった時の目くらまし。


かなり彼女には効いたらしく、急いで部屋から撤退。

クリス兄様とエメスト兄様もサッと身構えて部屋から撤退。


「…レア、生きてたんだね、よかった」


クリス兄様は見ないうちに痩せてしまっていたので、あいつのせいだと思う。

リッシュのことは信用しているが、一応打ち消しを重ねがけしておく。

エメスト兄様も重ねがけしておく。


「今、ケイトが囮をしてくれている、隙を見て、やろう」


一緒に逃げたカインにそう言い、部屋を確認。


ケイトの囮はうまくいっているのか、部屋の隅に彼女がいて背中を向けていた。

今しかない。


カインが走る。その後ろに私は気配を消して隠れ、走る。

その足音に気がついた彼女がこちらに剣を振りかざす。

カインがひらりとかわした時、私も反対の方向にひらりとかわして背後に回りこんだ。

そして、この杖を握りしめてガラ空きになった背中に向けて、魔道飴10粒ぶんの魔力を固め、“絶対にこの女を倒すほどの力”を込めて全身全霊を持ってぶつける。


「アースピア!」


振り向いた女は私の唱えた最大級土魔法に腹を貫かれ、足が宙に浮いた。

振り返ったままの彼女は少しだけ微笑む。


「ほんっとうに、面白い子」


ざあっと女は真っ黒の粒子になり、空へと登って行った。

あの死に方は獅子龍の時と同じなので、きっとそのレベルの何かだったのかもしれない。


「ケイト!?無事?」

「お、おう…随分と痛かったけど…無事」


腹の辺りを押さえたまま力なく笑うケイトに聖属性回復をクシュシュが施す。

クリス兄様もエメスト兄様も弱っているので回復を施す。

この城にいたほとんどの騎士たちは呪いが解かれたかのように我に返った。

リッシュもカインも無事なようで私はホッとした。


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