目覚めたら鈍感って言われました
「レア!よかった…」
「姫君、ここがどこだかわかる?」
「心配したよぉ」
「寝すぎて死んだかと思った」
目をさますと四人の顔があった。
立てかけてあった杖が夢じゃないと言っていた。
「わたし…どれぐらい、ねてたの?」
「ざっと1週間」
「だーから死んだんじゃねえのって思ってたの」
話によるとあまりにも目覚めないものだから、リッシュに来てもらい聖属性の回復をかけてもらっていたそうだ。
けれどあまり良くならず、打ち消しを唱え続けて3日目にして目が覚めたらしい。
「でも、打ち消しで目が覚めたということは、邪属性だったってことだよね?」
「そうなるね、でも私達はまだ彼女には会っていない」
そういえばなんで四人は平気だったのだろう?
もしかしてあのとき私が聖属性打ち消しを四人にかけていたからだろうか?
一応自分にも聖属性の打ち消しをかけて起き上がる。
体の動きが少しぎこちないぐらいで目立った外傷はない。
本当にねていただけみたいだ。
お風呂に入って服を着替えて、それで少し体を動かすと本調子に戻った。
リッシュにお礼を言って、もう元気だというと「でも今日は様子見」と言われて明日決行することになった。
私のせいでごめん…。
「そういえば私、夢の中でおじいちゃんに会ったんだ」
ふと思い出してつぶやく
大したことではなかったのだけれど、1歳の時にみたきりで会っていない。
あれからどうなったのだろうか。
「姫君のおじいちゃん?」
「ゾード元国王陛下様のことですか?」
「ん?国王陛下??」
どうもリッシュが何かを理解していないように首をかしげる。
「私、レア・ドミニクって名前で王女だからおじいちゃんが王族でもおかしくないよ?」
「姫君って王族だったんだ…」
「知らなかったのかよ常識じゃんか」
リッシュは今初めて私がプリンセスだったと知ったそうだ。
どれだけ長い間一緒にいたと思ってるんだこの人は。鈍感にもほどがあるだろう。
「…ええ、ってなると僕は姫君を落とさなきゃいけないの?無理だよこんな鈍感な女なんて」
「リッシュにだけは言われたくない」
何に落とすつもりなのかはわからないけど、鈍感女とは聞き捨てならない。
リッシュだって相当お子様な頭しているんだから人に言えたものじゃないだろう。
「で、ゾード元国王陛下ってどんな人だったの?」
私は話を戻してカインに聞く、すると同じ王族なのに知らないのかと言いたそうに呆れていた。
「ゾード元国王陛下は私たちが生まれるよりも前にお亡くなりになってますよ」
「なんでもこのフルブラント王国を豊かにしたのはゾード様だとか言われてるぜ」
私は二人の会話に背筋が凍った。
「…私が、生まれるよりも前に、亡くなってる?」
「そうですよ。亡くなっておられます。」
じゃあ、私が1歳の時に会ったあの人は誰だったのだろう。
おかしい、絶対に会ったはずなのに。
母方の祖父だったのかな?そうだったんだよな?とそう思うことにした。
「もう、この話はやめます」
「幽霊が怖いの?」
「ちがいます」
幽霊は別に怖くない、あれが得体の知れないものだから怖い、それだけ。
「ところで落とすってどういう意味なのリッシュ」
「これが分からないような鈍感女じゃ本当に無理…」
途方に暮れているリッシュを見ると殴りたくなった。
カインはなんだか厳しい目をリッシュに向けているけれど、リッシュはそのことも分かっているようで首を横に振っていた。
「カインがかわいそうだ…」
「それは言えるな」
「……」
え?私が悪いの?って思いたくなるほど男三人に見つめられる。
助けを求めようと思ってクシュシュを見るとクシュシュも同じような目をしていた。




