最近よく会う神様
『……やあ、また、会ったね』
真っ白の空間にいる真っ白の神様が背中を向けて話しかけてきた。
私はその背中にどこか見覚えがあると思いながら見つめ、何も思い出せなかった。
『……そう、今回は仕方ない…ね。あれしか方法がないからね』
もしかして障壁や鎖や槍のことだろうか?そんなにいけないことだったのだろうか?
『……いや、きみなら……レアならそれをするだろうと思ったし、迷わないとも思ってたけどね』
くるりと振り返った神様は泣いていた。
とても悔しそうに、切なそうに、もうやめてくれと言いそうなほどに。
ボロボロと涙を流していた。
その涙を神様は拭い笑ってみせるが、またすぐに涙が溢れていた。
『……ごめん、これは仕事の都合上言えないんだ。いえないんだ…』
仕事の都合上か、神様も大変なんだなと他人事のように思う。
『…目がさめるようで、よかった。』
ああ、もう夢が終わるのかと思うと世界が白い靄に包まれて……
私は目を覚ました。
目をさますとそこは魔の樹海で、あたりはまだ少し暗く、夜明けぐらいだろうと思っていた。
ふと視線を感じて視線だけ動かすと、カインが涙を溜めながらこちらを見つめて喜んでいた。
そしてそのままぎゅうっと抱きしめられた。
「生きていて、よかった、です」
そういえばそうだった。
あの真っ白な獅子龍はきっと只者じゃなかったのだろう。相当強そうだったし、みんな諦めていたし。
死の恐怖というのはどんな時でもなれないものだろう。
私はあまりうまく動かない手でカインを撫でた。
大丈夫、絶対に護ってあげるから安心してという思いも込めて撫でた。
しばらくするとケイトとクシュシュも起きて私に飛びついてきた。
その頃には私もほぼいつも通りぐらいに体が動くようになっていたので笑顔で彼らを受け止めた。
しかし、周りにいる真っ白の鎧はなんだろうか。
カインに聞くとゴーレムという名前らしく、召喚しないと出せないそうだ。
あれ何属性だろう?私が召喚したのだろうか?
なんにせよ、馬車を失ったことも、魔の樹海の中という最悪の状態なことにもかわりない。
方向はきっとあっちだろうというのはわかっても、地図があるわけでも手練れなわけでもない。
じっとしていても始まらないからといって四人で道のない樹海を歩いた。
途中で木に髪の毛が引っかかったり、動く際にとても邪魔だからとカインに頼んでバッサリと短く切ってもらった。
生まれてこのかたきったことのない艶やかな銀髪。
なんだか名残惜しくて持っていきたい気もしたが、そんなことをして荷物を増やしても意味がないので放置した。
短くなったのでとても動きやすくなり、道無き道を進みやすくなった。
方向感覚が優れているカインが先頭で次にケイトとクシュシュ、最後に私が続く。
道中サキュリリスと出会ったが、目が合う前にカインが斬り殺していた。
あの技さえなければ本当にそうでもない程度なんだなと改めて認識した。
歩いて歩いて歩き続けるとさすがに疲れてしまい、今日はここまでにしようと障壁をはる。
でもここのモンスターたちはつよいんだよなぁ…
そうだと閃いてまたゴーレムを召喚したらいいと思い、無属性で召喚しようとした。
もちろん上手くいかなかったので無属性で障壁を張り、さらに自分たちの気配を最小限にまで消しておいた。
四人で近場の岩陰に隠れるようにして今日を終えた。




