そういうのがシュミの方とか怖い
次の朝も硬いパンだった。
私たちの檻は他の奴隷たちの檻から見えないようにされているので互いにどんな奴隷がいるのかは理解できない。
けれどこの食事でマシな方なのだとしたら、いったい周りはどんなものを食べているのだろうと思う。
ケイトとクシュシュもそばにいるが、そっちはその二人で寄り添い合っている。
とても仲が良いようで、内緒話をしてはクスクス笑っていた。
私とカインはそういう内緒話はしないが、ただ寄り添うだけで良いような仲だ。
それでもまだ「レアさん」なのは変わらないけれど…
知らない場所に来てから今日で5日目。
そういえばフルブラント王国は一週間で死亡扱いになるとあった気がする。
あと2日で私たちは死んでしまう。
しかし最低でも1年はかかるからどうあがいても無理だ。
私が死んだとなったら、父様は泣くだろうか?母様も泣くだろうか?
そんなこと愚問だ。悲しむに決まっている。
揺られる馬車で今回は我慢せずにトイレに行きたいと言った。
気にしてたら前には進めないから仕方ないと割り切った。
しかし用を足し終えて思ったことがあるのだけれど、これは本当だったら怖いので実は知りたくない。
他にも奴隷がいるのは確かなのだけれど、私たち4人しかトイレで出してもらえない。
逆を返せば私たちだけ見張りがついてトイレをしているのだろうか…?
ーーッ怖い!
やはり何も知らなかったことにしよう。
もしかしたらそういう理由で連れてきてくれているのかもしれないし。
変に怖すぎて私はカインに引っ付いた。
カインは何事かと驚いていたけれど、私は忘れようとしてぎゅうっと引っ付いた。
あまりにも私がくっつくので、カインは私の肩に腕を回し抱き寄せてくれた。
ごめんねカイン…ありがとう。
しばらくするとクシュシュも震えてケイトにしがみついていたので、きっとクシュシュもその結論に至ったのかと思って知らない方が良いこともあるんだなと二人で震えた。
ケイトとカインはさっぱり分かっていないみたいだったが、それで良いと思った。
知らないままの方が幸せだ。絶対そうだ。
こうして今日は少し怖い思いをしただけで一日を終えたのだった。




