表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/69

神再び


真っ白な空間、なんだか以前来たことがあるような気がするその場所に私はいた。

奥を見ると千手観音のような手に多すぎる翼を生やした神様がやはりいた。


『君の願い事、しっかり聞いたよ。』


「私の、願い事?」


すると神様は少し悲しそうにした。


『彼らは無事だよ、もちろん君も』


彼らと言われてハッとした。

そして無事だという言葉を聞いてほっと胸をなでおろした。


『さあ、そろそろ目が覚める頃だ…精一杯楽しんでおいでね、レア』


聞き覚えのある声が聞こえ、視界がぼやけていく…


「ーー…」

「…!」


遠くから何かを呼ぶ声が聞こえて来るそういえば私はええっと…


「レア殿下!」

「…アーサー兄様?」

「天使!」

「…リッシュ?」

「レアさん」

「…カイン?」


気がつけば私はカインに優しく抱えられた状態で眠っていたようだった。

周りはすでに明るくなっており、嵐が嘘だったかのように晴れていた。

私が目覚めたことに安心したのか、アーサー兄様はほっと胸をなでおろした。


「立てますか?」


アーサー兄様が手を差し伸べてくれたので、それに手を重ねて立ち上がる。

少しふらつくが変なところはなにもない。


「平気です」

「それなら、本当に良かった…」


微笑むアーサー兄様を見つめていると、後ろから誰かに抱きしめられた。

見るとそれはリッシュで、今にも泣きそうなような不安そうな表情で強く抱きしめてきた。


「よかった、無事で」


抱きしめてきながらそう小さく呟いた。

リッシュはその後カインのところにも行き、怪我がないか平気かと詰め寄っていた。

カインは恥ずかしそうに姫君が守ってくれたから平気だと言っていた。

それを聞いたリッシュは少し驚いて、ならよかったと笑った。


「しかし、レア殿下」


少し厳しい顔つきのアーサー兄様が私を見下ろした。

やっぱり怒られると思っていた私は困ったように笑い謝った。


「でも、一般国民は冒険者になるのが基本なんでしょう?」

「そうですが…」

「なら私が冒険者になってもおかしいことではないでしょう?」

「そうもいきません、万一のことがあっては困ります。」


私が第三王子で皇女だからなのだろうか。

しかし私は剣術は中級、魔法もアーサー兄様に教わりアースピアレベルの上位魔法を使えるほどには強い。


「伝えないでなったことは謝りますけど、私は冒険者をやめません」

「レア殿下…」


今回は異例中の異例だったから危なかっただけで、普通だったらこんな危険な目には合っていない。


「では、国王陛下に許可をもらってください」

「もらったら続けていいんですね?」


一応国王陛下の決めたことになるので従いますとアーサー兄様がため息をつきながら言った。

こういう表情を見るとやっぱりアーサー兄様は私に対して丁寧に接しているんだろうなと推測できた。


「天使の名前、レアっていうんだ」


初めて知ったと言わんばかりのリッシュにそうだよと答えた。

アーサー兄様と呼んでいたことと、アーサー兄様が私をレア殿下と呼んでいたことからどれほどの貴族なのだろうとひとりごちていた。


立って歩きあたりを見渡すと、エンペストスピアローの屍が解体されているところだった。

しかし不思議だったのはたった一撃だけ喰らったような後があるだけで他に何もなかったのだ。

何があったのかと聞くとアーサー兄様は首を横に振り、神の怒りだと答えた。

神様ってあの人だよね?あの人って怒るのかな?などと見当違いなことを考えながら歩いた。

ふと視界の端にしけってない丸キノコを発見し、立ち止まり、引っこ抜いた。

そういえばこれ食べたことないな、食べてみたいな、ぐらいの感覚だったのだが…


突如私とカインの足もとにクエスト完了の文字の魔法陣が浮かぶ。

唐突のことでアーサー兄様もリッシュも気がつかなかったようで、私とカインは二人を置いていち早く冒険者ギルドに転移してしまったのだった。


もちろん慌てて帰ってきたアーサー兄様とリッシュにこっぴどく言われたが、カインと私は大笑いしていた。

生きて帰ってこれて本当によかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ