アーサー魔導師目線/冒険での事件
魔法団にとんでもない依頼が飛び込んできた。
その依頼に私はとてもじゃないが信じられずに目を見開いてしまった。
『エンペストスピアローが下級の魔の森に現れた』という内容だ。
エンペストスピアローは神龍とも呼ばれ、嵐を体現したかのような存在だ。
ダークスピアローの格上で、私が二人でもいればギリギリ戦えたかもしれない相手だ。
それが現れた。しかも下級冒険者が集う魔の森に。
今回幸いなことに、二人しか森に向かっていないという。
犠牲は出ないに越したことはないが、最小限で済みそうではあるとのこと。
早急に部下に指示を送り、私はアルフレッドにこの事態を報告、直ちに冒険者ギルドへ向かった。
「頼む!僕は力になるから連れてってくれ!!」
「だめです、冒険者は今魔の森へは入れません!」
「僕はBランクはある!絶対に荷物にはならない!」
「魔法団の方の到着を待ってください!!」
そんな声が聞こえたので見る。
少年が必死になってクエストカウンターの人に迫っていた。
「お待たせいたしました、魔法団の魔導師トップアーサーです。お話を伺っても?」
「アーサー様!お待ちしておりました」
こういうことはよくあることで、少年には悪いが私にも任務がある。
後で魔法団の団員が到着するといい、話を聞く。
「お願いだ!友達が!カインと天使が!!僕が…僕が勉強だからなんて断らなければ…!」
カインと姫君の話をさりげなくギルドの人に聞く。
ランクはFとEで、カインは上位貴族の伯爵家後継者候補の人らしい。
姫君は?と聞くと、確認してきますと奥へ引っ込んだと同時に城の騎士がギルドに駆け込んできた。
「大変ですアーサー魔導師様!レア姫様がまだおかえりになりません!」
「レア様が?」
話によると、学院からはすでに下校しており、その時カインというあの男と仲良く歩いている姿が目撃されたいたのだという。
嫌な予感がする。
「そこの少年、天使というのは少女でしょうか?」
慌てる少年を捕まえて問い詰める、少年も私が少し怖く見えたのかビクつき、そして少女だと肯定した。
「きれいな銀の髪が腰ぐらいまであって、青い瞳で、貴族学院の子なんだ…。魔法も、使える子だよ」
嫌な予感は的中してしまった。私が愕然として立ち尽くしているとギルドの奥から顔を真っ青にした人が戻ってきた。
「上位貴族のご子息様と、レア殿下だけが、森に…」
事態は思いの外深刻だった。
アルフレッドはレア様が冒険者をしていることを知らなかったそうで、今にも気絶してしまいそうだった。
国の兵力をかき集めたいところだが、そうなると動きが鈍くなり、隊列が崩れかねない。
私ぐらいの、強い存在が、もう一人必要だった。
「僕は!フルブラント・D・ペルデリア・エース!11属性が扱える騎士家の息子だ!連れてってください!」
少年が途方にくれる私にそう叫ぶ。
「11属性…?まさか君が今噂の私を越えるとされる冒険者リッシュさん?」
「うん、ほら!」
カードにもしっかりBランクでリッシュと書かれている。この子なら…可能性はある。
「…わかりました。力を貸してください。」
「絶対助けるんだ!だからお願いします!」
そう決めたらまずは魔法団との合流、作戦会議、物資の運搬などを話し合い、決定する。
今回は私だけでなくエースさんもいるのでごり押しでもいけなくなはい。
レア様のことだから、命と約束なら命をしっかり取るだろう。
だから魔法を使ってくださっていることは間違いない。
なら守るのではなくてエンペストスピアローの討伐に専念しようとはなしになった。
ただ、そのエンペストスピアローの家臣が何匹いるかにもよっては助け出せない可能性がある。
「一刻を争う事態なので、気を引き締めて向かいましょう。」
レア様救出およびエンペストスピアロー討伐任務が開始した。




