表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/69

リッシュ目線/だれかの噂話


首都ハウトディアの冒険者ギルドにて、僕はジュースを飲みながら今日の予定を考えていた。


「おい、あいつが11属性の魔導師見習いか?」

「多分そうだろうなあの余裕っぷり」


ヒソヒソと僕の噂をしている彼らにとびっきりの笑顔をお見舞いする。

気分悪いんだよ?わかる?なんて意味も含めながらニッコリと

するとそいつらはびっくりして黙った。


僕は11属性を持つ天才だ。

物心がつく頃には魔法学院にいたので魔力も高い。

冒険者登録をして実戦経験を積みながら魔導師であるアーサーを越えるために日々奮闘している。

タイガーライズという虎型の電気属性モンスターを一人で討伐できるぐらいだから、まだ越せないとは思う。

ちなみにこのタイガーライズは僕にとっては丁度いいぐらいの敵だけれど、一般的な騎士に例えるなら剣術中級ぐらいないと太刀打ちできないだろう相手だ。

剣術中級というのはそこそこ高いほうで、騎士の学校に通ってやっと手に入れられる力だ。

一般人は戦士級というもので表現され、戦士級が超上級になってようやく騎士級の剣術下級だ。

つまり僕はそこそこというか上から数えたほうが早いぐらいには強い。

そしてそんな強い僕はまだ6歳だった。


今日はラビアースという名前の戦士上級のうさぎと遊ぼうかと思っていた時、その子は訪れた。

銀色の艶やかで美しい髪を腰ほどまで伸ばし、瞳は夜空を思わせるかのような深い青をした少女だ。

貴族学院1年生の制服を身にまとっていることから今日入学だったのだろうと推測できる。

そしてお世辞にも強いとは思えない細身なその子は冒険者登録カウンターに向かい、登録をしていた。

あの子が冒険者?ちょっと信じられない。

冒険者の登録をしそうな子に見えないのだ。


どう見てもお花畑で花かんむりを作って笑っているタイプのお姫様だ。

そう、天使にしか見えない。

登録したのかカードを受け取ってその子は悲しげにカードを見つめていた。

何事かと思って少し覗き込むと『天使』と確実に書かれていた。

あ、あだ名のところにそのまま書いちゃったのか。

僕はそんなヘマ…したけどそれよりはマシだと思う。

『リッシュ』僕の冒険者ネームだ。

我ながらとんでもない名前にしちゃったなと後悔している。

でも11属性を使えるほどだからと誰もおかしいとは思っていないようだった。


天使はカードをもらった後何もクエストを受けることなくギルドを去った。

あの子の後ろ姿も可憐すぎて僕はまた会いたいと思った。

次は話をしてみたかった。

そして天使って名前になった理由と、僕がリッシュって書いた理由を話して笑いたかった。

なんか友達になってみたかった。


そしてやっぱり今日は何もしないで帰ろうと決めてジュースを飲み干した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ