マリーと人形劇
子供部屋に幾つかの人形を抱えてベットを覗き込むクリス兄様がいた。
エメスト兄様も一緒で、私も一緒だった。
最近学院と習い事と剣術の稽古と色々忙しかった兄様達が、今日に限っては運良く休みになり久々に一緒に遊んでいた。
私にも予定があったからなおさら遊ぶ機会がなかっただけなのだけれど…
そして遊ぶときに、いつものように書斎に行くのではなくマリーのところに来たのだ。
マリーはまだ1歳、ルミニア母様やメイドさんが抱っこしたりお世話したりはあるけれど基本はここで寝かされている。
そんなマリーのために兄様達と私は人形を抱えてマリーとたくさんおしゃべりしたり喜ばせたりしていたのだ。
だいたい兄様達が魔法の冒険話をして、かわいいクマのぬいぐるみが魔法使いになってしまったりするのだけど、マリーはとても楽しそうに笑っていた。
「くらえ!アースピア!!どーん!」
「やられたー!」
やっぱりクマが魔法を唱え、かわいい馬の人形が吹っ飛ばされる。
それをみたマリーが嬉しそうに手を叩いて笑い、兄様達も笑っていた。
エメスト兄様がクマを使って魔法を唱えて遊んでおり、やられ役をクリス兄様が使っている。
自然とエメスト兄様が喜ぶようにとやられ役をしているクリス兄様を見ていると、知らないうちにしっかり大人になっていたのだと思い感慨深い。
私はかわいい馬に捕まったお姫様ということで女の子の人形を片手にクマを応援している。
「すてきな魔法使いさんありがとう!」
助け出された女の子がクマのところに行って仲良く笑う。
するとまたクリス兄様が別の人形で女の子をさらって、クマと戦う。
それの繰り返しだ。
マリーが何か欲しそうに手を伸ばすので、ぬいぐるみを一つわたした。
するとマリーも何か楽しそうにしゃべりながら人形を動かし出した。
クリス兄様もエメスト兄様もそれをみて驚き、そして笑う。
私もなんだか嬉しくてマリーと一緒に人形で遊んだ。
しばらく一緒に遊んでいたところ、マリーがスヤスヤと眠ってしまった。
どうやら遊び疲れたようだった。
兄様達と私は顔を見合わせて静かにし、こっそり部屋から出て行った。
そのときマリーの周りにたくさんの人形を置いて行った。
これで起きたときも寂しい思いはしないだろう。
そして私たちはもちろん書斎に向かうのだが、執事長アンドレさんに見つかり捕まってしまったのだった。




