ずっと20歳超えてると思ってました。
エメスト兄様が8歳になり、クリス兄様が10歳になった。
この時初めて知ったことが、アーサー先生とクリス兄様が6歳差だということだった。
それで私は天地がひっくり返るほど驚いた。
この世界での成人は18歳だと本で知ったので、それ以上だろうと思っていたのだ。
アーサー先生は背丈が180を超えていて、目つきも大人びている。
故に見間違えても未成年だとは誰も思わないのだ。
クリス兄様と6歳、つまり今年は16歳になる。
成人までまだ2年もある。
「そんなに、老けて見えますか…?」
お父さんとか父様とか呼ばれた少年のガラスのハートは傷ついていたのだ。
「いえ、でも、大人だと思ってました。」
私の言葉を聞いて、やっぱりほんの少し傷ついた様子のアーサー先生…今後はアーサー兄様と呼ぼう。
「アーサー兄様のお誕生日っていつですか?お祝いしたいです」
「にいさ…、あ、ええと、6月24日です」
「わかりました!ありがとうございます」
6月24日、今年はとっくに過ぎてしまっているので来年からお祝いしよう。
来年どんなプレゼントがいいかと鬼が笑いそうなことを考えていると、アーサー兄様が少し嬉しそうに笑っていた。
「さてと、休憩もこれぐらいにして始めますよ」
「はーい」
私は近くに置いてあった小さめの木刀を拾い上げて構える。
アーサー兄様の指導のもと、基本となる型を学んでいる最中だった。
今学んでいる型は王道な型で、攻撃は防御で受けて攻撃は鋭い一撃を放つこの型は大体の戦士が使うものだ。
男にも女にも使い易いオーソドックスの型なのだ。
他にも受けた攻撃を流し避け小さな攻撃を繰り返す型や、受けた攻撃を利用して大きな一撃を繰り出す型もある。
しかし使いこなすのは難しいそうだ。
アーサー兄様はすべての型を一通りやっており、腕前も上級。
先生として教えることに申し分ない実力の持ち主なのだ。
言われた通りに木刀を構え、言われた通りの振り下ろしをする。
体が若いからなのか教え込まれるとすんなり覚えられる。
3歳になってからというもの剣術と魔法を学んできているが、これといって苦戦したことはない。
魔法に至ってはノーモーションが使える事にさすがのアーサー兄様も驚いてしまって、しばらく口を開閉して驚いていた。
魔法の基礎や使い方などを軽く教えてもらうだけでそれ以上の事はまた後にと言われていた。
その点剣術は才能自身はあっても知らない事ばかりなので、こちらも教わりがいがある。
アーサー兄様も教えがいがあるらしく、いつになく楽しそうだった。
「今日はここまでにします」
私が立ち上がれなくなった頃合いに今日はお開きとなった。
息が上がって辛いが、教えてもらった事にきちんとお礼をいう。
アーサー兄様に抱えられて、そのままメイドさんに預けられお風呂に入る。
髪の毛も体もメイドさんが洗ってくれるので楽だけれど、少し恥ずかしい。
さっぱりしたのでお昼寝をしよう。
薄い水色のワンピースに青色の水玉が付いている部屋着に着替えてそのままベットにダイブ。
大きな窓から吹き込む風が少し涼しくなってきた。
次第に秋が近づいてきているのだろうと思うとなんだか少し楽しくなった。
そしてしばらくベットで寝転んでいると、疲れからか眠くなってきた。
8割ぐらい眠っていた頃に扉が開いた音がして、その気配からアーサー兄様だとなんとなく思った。
アーサー兄様はなるべく私を起こさないようにと静かに動き、窓を閉めた。
「ゆっくりおやすみ、レア」
髪を優しく撫でたアーサー兄様は部屋を静かに出て行った。
私は驚きから目が覚めたが、すぐにウトウトとして眠ってしまったのだった。




