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駅から出たらさ


その日、僕が出会ったのは

鼻が腫れたように大きく、垂れた男だった。

僕よりも身長は低くて、手足も短かった。


腹が出てパツパツのTシャツを僕が横目で見たまま

通り過ぎようとすると

「待って。」と

男の声が聞こえた。


鼻が大きくて隠れていたが

ちゃんと口があったようだった。

(鼻も目も耳もあるのだから当たり前か)

男は初めの位置から1歩も動かず

僕に話しかけたようだった。



僕は不思議に思いながら

「なに?」と言った。



「……ぁ…ぃ?」


「え?なんて??聞こえないよ。」


「僕の…お母さん、知らない?」


僕は鼻が大きくて垂れ下がっている男に

お母さんの居場所を尋ねられた。

目をぱちくりさせていると

男はまた繰り返した。


「ぼ、僕のおかあ…「あ〜わかってるよ。」

「君のお母さんのことだろ?何か特徴とかないの?」


「と、特徴…」

「君みたいにスマートじゃなくて」

(ふん、まぁ僕は自慢じゃないけど身長が高い方だ)


「そんなパリッとした清潔感の溢れる洋服なんか着てなくて」

(これは学校の制服なんだけど、なかなかカッコイイ)


「うーん。それとあんまり特徴的じゃないけど…」

「けど??」

「僕みたいに鼻が立派だよ」


「…それがお母さんの特徴?」

「うん、知らないかなぁ?」




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