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ミヤビも私も、他人に必要とされている実感を欲しがる。
だから、自分よりもまず他人を気遣い周囲の目が気になって仕方がない。だけど、自分よりも努力しない、能力ないと判断するとそれに大してはかなり冷たい。そこがミヤビも私も、損している部分。元々、敵を作りやすい特徴を持っているのだから…絶対に敵は少ない方が良いに決まってる。特に私はミヤビの存在する環境ならば許されても、許されない状況が多いから。そして段々、私はミヤビに戻っていってしまった。
職場という人間関係が嫌になり、ミヤビの方が生きやすい…
私は転職を繰り返し遂に出社拒否になり半年間家から出れなかった。
昼夜問わず寝ているか、TVをぼ〜と眺めているかのどちらか。食事もしない。
外出はミヤビが客との約束がある時のみ。
収入も生命維持に必要な食事という行為もミヤビが動けたから何とかなった。
ミヤビが居なければ私は確実に死んでいた。
結局はミヤビを愛人として見る男という対象相手にしか、ミヤビも私も必要とされないのだろうか。
悲しいような虚しいような、でも客はミヤビに会えて喜び金を払う。
私とミヤビ、二つの人格で一人の人間だけど必要とされているのはミヤビだけ。
私は彼とも距離を置いてしまっていたから、私は私の必要価値がわからなくなってしまった。だが、私が死んでしまうと、必然的にミヤビも命を落としてしまうので…ミヤビは私を巻き込んでの擬似恋愛相手を見つけてきた。