表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第1話 世界観の変化

これから先の人生に、夢も希望も見えない。


頑張る力が湧かない。


心療内科の「いかにもやばそうな」担当医の診断は、「ストレス性抑うつ状態」


まあ、鬱の一歩手前だそうだ。


三週間通院し、毎日七錠の薬を飲んだが、いっこうに気持ちは晴れない。むしろ悪化してる。


「このまま生きていてもね」


なんてことを口走ったら、担当医が、特別な薬を処方してくれた。


病院に隣接する薬局通さずに、直接渡された三錠の薬。


「死を選ぶくらいなら挑戦してごらん。そのかわり責任はすべて自分でとること」


あきらかに「やばい薬」に違いない。


「飲んだらどうなるんです?」


「世界観が変わるのは、間違いない。はず」


まあ、この気分から逃れられるならいいか。


どうせ、ハイになるドラッグかなんかだろ。


僕は自分の車に乗り込むなり、薬を一錠飲み込んだ。


まったく躊躇なんてないのは、ここまでさんざん苦しんできたからだ。


ちなみに僕は二十五歳だから、運転免許もあるし、車もある。仕事もね。


飲み込んで三分。


別に何も変わらない。


(変わらないじゃん!あのヤブ医者め、適当なこと言いやがって)


運転席の窓から外を見た。


みんな幸せそうに歩いている。


途端に激しい憎しみの感情が湧いてきた。


視線を逸らして、街路樹を睨む。


(クソ!!!!)


すると、ぶっとい樹木が、真ん中から折れて車道に倒れた。


(え?)


軽自動車が倒れてきた木に衝突した。


そんな速度で走ってなかったのと、間際でブレーキを踏んだので、ライトが壊れて、ボンネットが歪んだくらいだ。


(偶然なのか?)


僕は目前の消防署の外壁を見つめた。


(凹め!!!!)


できるわけないとは思ったが、思い切り念を送った。


すると、どうだろう。


月のクレーターのように外壁が凹んだのだ。


(ま、まじか・・・・・・)



こうして僕は世界を破壊する力を得た。


人類、社会、秩序をぶち壊すことのできる力だ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ