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転生したってわたしはわたし。  作者: なの
新人だろうが冒険者っていいですよね。
8/60

8.秘密の共有しちゃいましょう -2-

「は!? なに、なんだこれ俺がおかしいの!? ユイがおかしいの!?

 いや、ユイがおかしいんだろ!」


「落ち着いてくださいストラ、わたしはまだ何も言ってません。」


「ちょ、え? 数値おかしくね? 俺が低いの?

 転生ってなんだよ!


 いや、落ち着こう俺。

 よし、一個ずつ説明してもらおうじゃないか。

 まず俺のステータスは、平均的に見てどうなんだ?」


 まさかいきなりあんなに上がったテンションが急降下して落ち着いて質問してくるとは思わなかったのでビックリです。

 ただの突っ込み野郎じゃなかったんですね、誤解してました。


「まず、成人男性の平均ステータス……あ、街にいた人たちを適当に鑑定した結果なのであくまで参考程度なので参考にしすぎないでくださいね。

 基本的にはSTRからLUKは全部15くらいが平均でした。


 それと、あまり見かけることがなかったのですが冒険者の人たちは、鍛えてるからか街の人とは違いましたね。


 と、いってもリシュールの街で見かける人だと基本E~Cの人たちなので、

 平均してーえっと……どれくらいだったかな……ちょっと忘れちゃいましたが大体ストラも平均的くらいだったと思います。


 あ、LUK値は異様に低いです、運ないですね。」


 あ、崩れ落ちました。

 称号に苦労人ってついてましたしね、LUK低くても仕方ないですね。

 ドンマイ! ふふ、ニヤニヤしちゃいますね。


「えーっとそれで、INTも低いですね。

 ストラも魔法は得意じゃないって言ってましたし、INTが低いからあんま魔力量がないみたいです。

 INT値が高いと魔力量増えるはずなので。

 でもAGI値、えっと素早さがここまで高い人は今のところ見てませんよ!(自分以外)」


「あー今心の声が聞こえた。

 うん、よし、とりあえず俺のAGI値とやらが高いという喜びは後回しにして次の質問にいこう。

 最大値がいくつかはわかるのか?」


 後回しとは言ってますけど顔が嬉しそうですよ?


「それは予想になるのですが

 多分HP(体力量)MP(魔力量)は9999、STR(筋力)AGI(敏捷性)VIT(生命力)INT(知力)DEX(器用さ)LUK()は99かなーと思っています。」


 ゲームでよくあるのはこんな感じですからね。

きっとこうだと思うのですが……


「……ユイ最大値もうすぐじゃん。

 どんだけだよ……。」


 あぁ……それはわたしもちょっとやりすぎたなぁとは思いました。

 実は産まれたときはここまでじゃなかったのですが……暇つぶしに魔法やら鑑定やらを使いまくってたらレベルが上がっているのかと思える感じに色々上がってったんですよねぇ……仕方ないんです、動けない期間が長すぎて暇すぎたんですよ……。



「それはですね、多分一番質問したいであろう称号のところに関係があるのですが……。

 異世界転生者、意味そのままで『異なる世界から転生してきた者』ですね。

 わたしは前に別人として違う世界で生きていた記憶を持ったままこの世界に生まれてきたのです。


 なのでですね、産まれた時には記憶というか人格が既にありまして。

 今まで生きてきた大人としての記憶があるんです。


 わたしは天使の使いとして(?)前世で死んでいないのにこちらに来ました。

 死んでないのに記憶を持ったまま生まれ変わりをするボーナスとして特別な力(チート能力)をもらったんです。

 それがその紙に書いてあるスキルの項目ですねぇ。


 で、そんな力もらっちゃったのに何もしないとか無理でしょー?

 赤ん坊ってすっごい暇なんですよ『あー』とか『うー』とかしかしゃべれないですもん。

 ていうか言語がまったく違うので翻訳機能なかったので何言ってるかすらわかんなかったですしね。


 なので暇つぶし兼スキルアップとして一生懸命コッソリと魔法の練習とかしてたらこんなステータスになってしまったんですよね、てへ。」


 そんなポカーンとした顔でこっちを見られても困ります。

 いやん、ユイ照れちゃうわ。


 普通どの物語でも周りには転生者ってことはバラしたりとかってしないと思うんですけどね。

 ストラの『七大神に選ばれし護衛』って称号見ちゃったのでねぇ……。

 きっとわたしのために神様に選ばれたんですよね?

 元からリシュール家の護衛騎士でもあるストラですからね、神様の保証つきならなおさら裏切ることはないなと思ったのですよね。


 むしろストラ基準でわたしの生家が選ばれた可能性すらあるんじゃないですかね?

 ストラ>わたし のフラグ?


「えっ……と……?

 まじか。まじかぁ……いやうん、信じる、よ。

 ユイのスキルとか考え方はどう考えても普通の貴族じゃないし普通の人ですらないからな。

 普通の7歳の貴族令嬢はこんなんに育たんだろうしな。

 ユイ自体が全く普通じゃないからなんか信じれちゃうな。」


「ちょっと待ってください、それはなんか聞き捨てなりません。」


 なんですか、わたしが普通じゃないって! 失礼な!


「で、ユイは前世の記憶を持ったままなんのためにこの世界に転生してきたんだ?」


「わたしの苦言はスルーですか!? 酷いです、もうっ!

 ぷー……えっと、天使さんいわく『面白おかしく普通に生きてこの世界の停滞している現状を打破しろー』って感じで言ってましたよ。

 とりあえず魔王を倒せーお前が勇者だーとかではないらしいので安心して来ることができました。」


 細かいことは覚えてないけど確かそんな感じだった気がする。

 勇者とか無理ですよね。

 自分からやろうと思ってやるのと、やれって言われて強制的にやるのではモチベーションが違いすぎますもんね。

 まぁ面倒くさいし自分からもやらないですけど。


「適当って……。

 えっと、ユイがこの世界に産まれた理由は一応わかった。

 スキルの方も……創作魔法もなんとなくわかった、鑑定も分かった、これが分かんないんだが地球知識検索ってのはなんなんだ?」


「えっと……地球というのが前世の世界の名称なんですけど、違う世界なんだから違うものがいっぱいあるでしょう?

 わたしの基盤は地球のものだから不便なことが絶対出てくると思ったんです。

 だから便利なものや地球の知識なんかを検索する機能があるといいなと思ったのでもらったスキルです。

 

 前世ではよく今のわたしみたいに転生してきちゃった人とかを題材にした本とかが結構あったんですよね。

 その中では特別な力を授かって強いけど、地球と違くてあれもない、これもない!

 みたいな不満が大体出てくるんですよ。

 そのとき前世の知識を使って生活を豊かにできると便利だなって思ったのですよね。

 停滞しているのを打破してほしいっていうのなら前世の知識が役に立ちますからね、文句も言わずもらえました。

 わたし物覚えよくないので『どうしてもあれがしたい!』ってなった時に思い出せない~……ってなったら嫌じゃないですか。


 なので検索する機能があったらとっても便利だなーと思ったわけです。

 それが地球知識検索です。」



 調べたらなんでも検索できちゃうとは思うけど、難しいこととか銃火器とかそういう物騒なものは検索する気はないのですよね。


 せっかくのファンタジーがそんなもので穢されたくないので。

 魔法と剣とか超わくてかしますよね! あぁ、ファンタジーらぶ!

 銃はまぁかっこいいとは思うんですけどね、そんなん使ったら弓技術が衰退……というよりも弓自体お役御免になってしまいそうなので却下なんですよね。

 弓好きなんですよ……


「なるほどなぁ……あとはなんか普通じゃないことあるのか……?

 流石にもうないか。」


「うーん、しいていえば身体能力の向上ですかね?

『氷の鎌』っと……この武器を……」


 氷で作った死神の鎌をぶんぶん振り回します。

 もちろんストラに向けて。

 これくらいなら避けてくれると思うので大丈夫でしょう。

 ちなみに死神の鎌を精製した理由は



 かっこいいから。(趣味です)




「うおお! 危ねぇええ!

 分かった、なんとなくめちゃくちゃ凄いってことは分かったから!

 いきなり出して超危険そうなそれしまってくれ!」


 む、もう降参ですか? だらしないですねぇ。

 まぁ、全部危なげなく避けていたのでそこそこの腕前!

 流石AGI高いだけありますね!


 ていうか多分ステータス表示があんな感じなのはゲーム好きをわざわざ条件にして呼んだあたりからも分かるように、ゲームと同じにしてるんでしょうねぇ。

 魔法とかも『ファイア』とか『ヒール』とかそういう詠唱があったほうがイメージわくんですかねぇ?

 今までは普通にイメージしてなんでもやっちゃってましたが……


「えい、『ファイア』『燃えろ』」


「あちぃ! ちょ、あちぃ!

 身体能力関係ねぇじゃん、それ!」


「っは、そうでした。

 全然関係ないところに思考回路がトリップしてました。」


 ふーむ……『ファイア』でも『燃えろ』と願うだけでもあんまり変わらないですね。

 やっぱりイメージがしっかりしてればなんでも大丈夫みたいですね。

 なにこれっょぃ。



「と、とりあえず……よく動けることはわかった……あれは7歳の動きではない……

 よくそんな大きい武器振り回せるな……。

 ていうかなんだよそれ、そんな武器初めて見たぞ……いや、武器を出す魔法自体も初めて見たが……。

 草刈り鎌がでっかくなった感じか?」


「これはー、前世の世界では死んだ人間の魂を刈るための武器ですね。

 死神っていう魂を狩っていく死の神様の鎌ですよー!


 わたし的なイメージとしては……

 首に当ててスポンっと一刈りで魂もポーン! みたいな!」


「なにその軽く言ってるけど隠すことすらせず溢れでる狂気!?」









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「はい、じゃあこれ鍵渡しておきますね。」


「え、あれ? ステータス見たら渡さないって言ってなかったか?」


「大丈夫です。

 渡してストラがこれ以上この話題に対して文句を言わないなら渡すのも(やぶさ)かではありません。」


「わかった、じゃあもう鍵に関しては言わない。

 すぐに 壊すけどありがたく……もないがもらっておく。」


「約束ですよ?」


「あぁ。」


「……ふむ……。

 ストラは……いえ、やっぱりやめときましょう……なんでもないです。」


「ん? なに? 気になる。」


「いえ……もう少し人を疑ったほうがいいと思うのですよ?


 一度作れたものは何度でもできますからね?」


 ニッコリと今までにない爽やかな笑顔が出たなと、我ながら思います。

 ウワアアア~……と悲壮感たっぷりのストラを急かしつつ、そろそろ出かけましょうか。


 いざゆかん、冒険者ギルド!









次回は冒険者ギルドに行きますよ!

定番のあれ、あります(*´艸`*)ぷふーどういう風にしようかなー



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