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転生したってわたしはわたし。  作者: なの
道が見えなくなっちゃったんですよね。
48/60

記念小話「予期せぬ温もり」

アルファポリスのブックマーク数200到達記念です。


更新できていないのにブックマークが少しずつ増えていて本当にありがたいです。

て、ことで、応援していただいてる感謝の気持ちもこめて、ブックマーク200いったしたまには更新しようぜ!ってことで今回のお話を作ってみました。

本当は100でやりたかったのですが気付いたら120くらいになっていたのでやり損ねました……。


次はどちらでも500いったら記念小話作ります。


この小話は診断メーカーみたいなやつでお題をもらって気に入ったやつを使って作りました。

では、短めですが。↓↓↓




お題*一緒に毛布にくるまる。



「むぅ……寝れないです……」


 何を隠そう実は怖がりのわたし。

 雷は平気。高いところは屁っ放り腰になるけど嫌いじゃないです。

 絶叫はヒヤアアアってなるけど無言で乗ります、結構好きです。


 何がダメってホラー系がダメなんですよね。


 霊感とかはなかったので見たことはないけど、テレビとかで見たり怪談したりとかもう……背後が怖い。


 前世では自分の部屋が二階にあったけど、夜中のトイレとか階段の電気をつけ、玄関の電気をつけ、廊下の電気をつけ、トイレの電気をつけ、ドアをしめーー隙間でも開いてるとお化けが覗いてくる気がして絶対に閉めるーー用を足してから逆に電気を消していき、階段をダッシュであがりやっと布団に戻れる。


 こうしないとトイレにいけなかったんです。

 ちなみに転生するまでこうでしたよ。えぇ、25歳でもこうでした。


 なんで今こんなこと考えてるかって、たまたま家族全員揃ったから使用人の人たちも集めて全員で真冬の怪談をやったんですよね。


 嫌がらせかと思いました。

 えぇ、まぁ発案者のアイラお姉さまはきっとラルフお兄様に対する嫌がらせなんでしょうね。


 もちろんアイラお姉さまは嬉々として話しましたし、意外にも執事頭もノリノリでした……あとキズリお兄様が無表情で語るから尚更怖くて……

 そしてストラも大層楽しそうに大量のネタを披露してました。

 なんでも色んな所に行ったから色んな人から話を聞いてきたそうです。


 お陰様でねれません。


 もうここは前世流怖さ紛らわし方でいきましょう。



 -------------------------------------



「ストラ? 寝てます?」


 ノックをしても反応がないので寝てるっぽいです……ガチャガチャとノブを回すともちろん鍵が。えぇ開けますとも。

 鍵なんてあってないようなものですからー。


 秘技『怖がらせた人に責任をとってもらう』です。

 人が後ろにいれば怖くないので一緒に寝ようと思います。


 ドアを開けると以前とは違い生活感を感じさせるようになったストラの部屋。

 ストラの匂いがします。

 きれい好きと化したストラの部屋は男臭くも汗臭くもない柑橘系の匂いとストラの匂いの混ざったいい匂いのする綺麗な部屋です。

 特に飾ったりをしないシンプルな木目調の部屋ですが、冒険者としての服や護衛騎士の服などがクローゼットに入れずに壁にかけてあります。


 最近は入れてくれない部屋をチラチラ観察しつつストラのベッドを覗くとぐっすり寝てるみたいですね。


 ……護衛としてどうなんですか? 人が来ても気付かないとか……


 ……いやまぁわたし気配消すの異常に上手いらしくて今の所そろーっとしてるときに誰かに気付かれたことないんですよねーあはは。


 追い出されても困るのでそろーっとそろーっと布団に入ります。


 うはーあったかいです。人肌の温もり……。

 あーこれならまったり寝れそう……ですね……






 -------------------------------------





 うっすらと目が覚めていつもより暖かく感じる布団が心地よくて、ついつい二度寝をしそうになる。

 時計をチラとみればそろそろいつも訓練にいく時間で、むしろ寝すぎたらしい。

 布団から出たくないとは思うがもちろんそんなことは言ってられないから動こうとすると何やら重いものがくっついてるようで動きにくい。


 何事かと布団をめくると……


「っ!?」


 なっ、なななななななんでユイがここにっ!?

 心地よい温もりの正体がまさかの好きになってしまった護衛対象の年下の少女なことに平常心を保てない。


 昨日は夜遅くまで使用人や主人を問わず参加可能の肝試し大会があった。

 そのあとは何人かビビってる人がいたが無事何事もなく解散して各々の部屋に戻った。


 ラルフ様がめちゃくちゃ怖がっていて、ユイは思ってたよりもビビってなかったんだよな。

 めっちゃビビると思ってたからつまらん。



 って思いつつ寝てはずだよな? それが何故こんなことにっ……!?


 むしろいつきたんだっ……いや、今のユイの寝方は明らかに少し前に入ってきたとは思えないから……夜中のうちに入ってきたんだろうな……


 ……うわああああぁ、予期せぬ同衾……!

 カイザント様やラルフ様にバレたら殺されるっ……。


「ユイっ! 起きろ! 何でここで寝てるんだよおおおお!」


 思い切り揺さぶると「うー……」と身じろぐも起きそうにない。

 ひたすら声をかけ揺さぶると数分たってようやく目が薄く開く。


「む……ぅ……おあようございますぅ……。」


 寝惚けたように開いた目が可愛らしくて、気怠そうな雰囲気が少し色っぽい。

 なんとも言えないバランスの年頃の少女の色気にどきりとさせられる。


「朝……? む……まだこんな時間じゃない、ですかぁ……もうちょっと……一緒に寝ましょう〜……スー……」


「っ!? あー……卑怯だろぉ……。」


 ふにゃあっと初めて見る笑顔で舌ったらずに一緒に寝ようとか言われたうえに服をギュッと掴まれてしまったら断ることなんて出来るわけがない……。

 こんなに可愛らしくおねだりをされて、俺は理性を試されているのだろうか。


 とりあえず完璧に目が覚めてしまったので寝ることも出来ず、ユイが起きた後のことを考える。


 ラルフ様たちにバレたらどうするか、な。

 いやまぁ……その時はその時だよなぁ……とは思うけど……もう少しご褒美に、抱きしめるくらいさせてもらっても、いいよな……?






 数時間後、末娘がいなくなったと屋敷内大捜索で、ストラの協力を仰ぎに来たメイドに発見され大騒ぎになることを、彼はまだ知らない。






つかの間の幸せ。




本編更新お待ちください。

そしてお待ちいただきありがとうございます。


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