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転生したってわたしはわたし。  作者: なの
学園編に入ってもいいですよね?
32/60

25.欲望に素直なのはわたしの良いところです?

新年あけましておめでとうございます。

今年も閲覧ありがとうございます。


頑張っていきますのでよろしくお願いします!


では本編です↓↓↓↓↓






「ーーと、いうわけだな。


 よーし、じゃあ次だ。

 魔法属性は大まかに分けると三種類あるが、それはなんだ?


 んーと、そうだな……アイザック、わかるか?」


 ダン先生の授業はたまにフリがあるので寝たりしないように気をつけないとですね。

 アイザックと呼ばれた貴族の少年を指差せば、手を上げながら勢いよく立ち上がります。

 そんな勢いよく立つといつか立ち上がるのに失敗して痛い思いしますよー。

 後ろの人の机との間隔が少し狭くて膝カックンになるとかさ……。


「はい! 初期魔法と上位魔法と特殊魔法の三種類です!」


「そうだ正解だ。

 そしてそこからさらに区分して十種類に分けている。


 初期魔法が火、水、風、地

 上位魔法が焔火(えんか)、氷結、豪雷(ごうらい)、樹木

 特殊魔法が闇と光だ。


 上位魔法は名前の通り初期魔法の上位といえる存在で、火の上位が焔火、水が氷結、風が豪雷、地が樹木……というようになっている。

 上位魔法が使えるならば下位にあたる魔法は使うことができる。

 俺もそうだ、焔火が使えるから当然火も使える。


 そしてどんな生物にも適性属性は絶対ある。

 例え指の先ほどの火しかでなくても、火の適性はあるということだ。」


 先生大変です、絶対あると言っているものがわたしにはありません。


「では魔法とはなんなのか?


 それは生物が神に与えられた力だ。人だろうと、獣人だろうと、魔物だろうと等しく与えられた力だ。


 それぞれ適性が違うが、それはその神に愛されているかどうか、という風に認識されている。

 俺は火の神のみに愛されているから火と焔火のダブルだが、逆にダブルだけど火と水が使えるならば火と水のニ神に愛されていることになるな。


 では神は何人いるのか。属性の数だけ? いいや違う、全属性の十でも、初期と上位をまとめた四と特殊の二を足した六でもなく……七神いる。


 火と焔火の神 アドラメルク

 水と氷結の神 セドナ

 地と樹木の神 イシュタル

 風と豪雷の神 エンリル

 闇の神 エレボス

 光の神 アラマズド

 そしてそれら全ての生みの親と言われている

 創造神 ブラフマー


 創造神ブラフマーは属性の神ではないから他の神とはちょっと違う存在だ。


 創造の魔法なんてないしな、はっはっはっ。」


 先生大変です、そのないと言われる創造の魔法を使ってます……。


 2日連続怒られるのも嫌ですから今日は授業を微睡みながらも真面目に聞いていたのですが……

 まさか予想外のところからパンチを二発も食らうとはおもいませんでした……。


 昔お兄様から神様が七人、七神? いるってことは聞いていましたし各属性の神と創造神ってことは把握してましたが……正直名前なんて全く覚えていませんでしたね。

 そもそも横文字すぎるから覚えれる気がしなくて聞き流してた気がします……せっかく教えてくれてたのにごめんなさい、お兄様。


 話しながらホワイトボードみたいなものにペンでキュッキュと魔法属性や神様の名前を書いていく様を眺めていると、なんとなく既視感。


 なんか地の神様の名前に見覚えあるんですよねぇ……


『地球機能検索、イシュタル』っと……


 あ、やっぱり……神話の愛と豊穣と戦いの女神の名前ですね。

 ああなんで聞き覚えあったのかわかった!

 前世で読んでた漫画の主人公がイシュタルって呼ばれた女の子だったんだ!

 なんとなくモヤっとしてた正体が分かってスッキリです。

 むしろ何回も読み返した好きな漫画だったのに忘れちゃってるんですねぇ……記憶薄れてきちゃってるんですかねぇ……まぁ10年も関係ないところで生きてると仕方ないですかね……


 ん? イシュタルが神話の神様ってことは……あ、やっぱり他の神様も地球の神話の神様と同じなんですね……


 この世界は地球と同じようなところがいっぱいあるんですよねぇ……パラレルワールド的な感じで繋がってるのかなぁ?


「そして各属性の神だがそれぞれに聖獣と呼ばれる使役獣のようなものがいる。


 常に火に包まれている雄々しい見た目とは違い心優しき『火牛(かぎゅう)オグン』

 その体躯は人などアッサリと呑み込むことができるほどのサイズだという『海蛇ナーギー』

 地の神である女神イシュタルを背に乗せ戦場を正面から突破する勇ましい『地獅子シャルム』

 風神以外は刃となった風に阻まれ身体に触ることすら出来ぬといわれている『風龍(ふうりゅう)エエカトル』

 闇夜に浮かぶのは銀にも金にも見える瞳のみということから魔族の先祖なのではと言われている『闇豹テスカトリポカ』

 七色に輝き別名虹の女神と呼ばれる『光鳥(こうちょう)イーリス』


 そしてまたまた特別だな。

 それぞれの属性神は一神一獣だが、創造神ブラフマーだけが天の御使いを何人も連れているという。

 その姿は人の形に白い羽根の生えたものが多数いると言われているな。」


 説明しながらもそれぞれの神様の横に線を引き、聖獣の名前を記入していく。

 もちろんこれも神話の神様たちですね。

 イーリスは調べなくても知ってました、アイリス(アヤメ)の花の語源になった女神様ですね。名前超可愛い。


 関係ないけどダン先生見た目の割に字が綺麗ですね。

 書道の先生みたい。この世界書道なんてないですけど。



 うーん。それにしても御使い様ってどう聞いても天使のことですよね。

 どっちだろうなーとはふと思い出したときには考えていたけれど、クロサワ氏が俄然こちらの世界の天使な気がしてきました。

 目の色今のわたしと同じで翡翠色だったから地球カラーじゃないですしね。



 そしてそのへんをうんうん考えてるあたりでわたしの意識は昨日同様深淵の世界に堕ちていくのでした。

 眠気に負けた。








 -------------------------------------






 いい匂いがする気がして鼻をすんすんすると、やはり美味しい良い匂い。

 グゥ~っとお腹がなった気がして少しずつ意識が覚醒していき顔を上げると、何かを食べながら楽しそうに話すセイルの姿が。

 そして視線の先をうっすらとぼやける目でゆっくりと見てみるとわたしの右隣の席にはリュカがいました。



「お、起きたか?」


「おや、おはよう? 今日もぐっすり寝てましたね、眠り姫様?」


 相変わらずセイルは恥ずかしいことしか言わない。なんですか眠り姫様って。

 我が国にはお姫様は二人いますがどちらのお姫様も今頃王宮にいますからっ! って……


「あれ? どうしたんですか、それ?


 ……お弁当?」


 セイルとリュカの前には既に食べたのであろういくつか隙間のできたお弁当があります。


「作ったんですか? お揃いで?」


 実はこの二人いつの間にかそういう仲に発展してたんですか?


「……まぁお揃いっちゃお揃いだね……。」


「いや、これはお揃いっていうのか……?

 食堂でお願いしたら包んでくれるって聞いたから作ってもらったんや。

 誰かさんが気持ちよさそうに寝てはるから邪魔しちゃあかんかなと思うて。」


 お揃い? と呟くと二人してなんとなく嫌そうな顔をしたあとにお弁当の経緯を説明されると半端なく申し訳なくなりました……まさかのわたしのせい。


「それは申し訳ないです……」


「はい、じゃあこれユイの分ね。ぼくがまとめて買ってきたからお金は明後日のお昼ぼくに奢るのでチャラね。リュカは明日ね。


 うんまぁ、チャラにするしいいんじゃない?

 それよりもリュカなんてぼくに3人分買いに行かせて自分はずっとユイの寝顔見……」


「わあああああああ! 言うなっ、それ以上言うなや!」


「ぐっ……そ、れは……卑怯……じゃな、いかな、ぁ……」


 呻きながらも机に突っ伏すセイル。

 そして明らかに闇の霧を出してセイルを痺れさせるリュカ


「って、ええええぇ、セイル! だ、大丈夫ですか!?」


「問題ない、ほんの少ししびれるだけやし……。

 すぐ回復するように微弱量しか使ってへんから1分もしたら治るで。


 余計なこというからや、全く……」


 なにやら後半はぶつぶつ言ってて聞き取れなかったですが……すぐ治るならあり、なんですかね……うん。

 セイル、成仏してください。

 まさかリュカの痺れる霧、微弱量とやらでもこんなに効き目があるとは……

 思っていたよりも更にえげつなさが上がりましたな。

 闇魔法恐ろしやぁ……。


 とりあえずお腹も空いたのでセイルは放置してわたしもご飯を食べましょう。


 昨日も食堂のご飯を食べましたが、色々なものがあって目移りしちゃいましたが……とっても美味しかったですし……あ、よだれが。


 でも何より驚いたのがこの世界にはなかったはずのメニューがあったことですよね。


 オムライスがあるなんて何故!? と食券機の前で驚いて、わざわざ列を外れ食堂のおばちゃんにこのメニューは何かと聞いたら


『何年か前の卒業した特待生の子なんだけどねぇ、こういうメニューを作ってくれと必要な材料とレシピを教えてくれたんだよ。

 やっぱり特待生ってのは頭がいいのかね、自分で考えたのかねぇ?』


 あ、はい。

 間違いなくアイラお姉様ですね、納得しました。

 そのあと満足して振り返ったら長蛇の列が目に入ってまた並ぶのかと辟易したあとに……あれ、列外れないでも後で聞けばよかったのでは!? ってことに気付きました、嘆いた。




 実は昔どーしても食べたくて、領主の権力(娘のワガママ)を使って探したんですよね、お米。

 異世界物定番ですよね、お米タベタァイ病。

 ええ、もちろんわたしもなりましたとも、お米が食べたい病。

 5年前くらいだったかな? ちょうどアイラお姉様が学園にいってる年ですね。


 どうしても食べたくて、でもわたしが検索できるのは地球の知識だけだからお米がこの世界にあるかどうかも分からなくて。

 お米大好き人間だったわたしには米なしとか耐えられなくて半泣きで訴えて探してもらってたら……我が領地よりもずっと北の方にある村で栽培してました。


 えぇ、えぇ。

 もちろん即買い付けてもらいましたとも!


 そしてご飯を炊いてみて食べてみたら美味しいっ……美味しすぎて泣きました。

 (もみ)までは取れたんですけどね、残りは取れなかったーーというよりも面倒くさかったーーので玄米で食べましたよ。

 わたし玄米も雑穀米も結構好きなので美味しく食べれたので問題なしです。

 自分で籾とるのすっごい面倒くさかったけど、食べたらどうでもよくなりましたよね。


 ちなみに今は我が領地でも育ててます。

 麦は色んなところで育てているので輸入メインでも構わないだろうということで麦を作っていた農家さん数件を残して他はお米を作ってもらっています。


 食堂のお米もリシュール領のものみたいですね。


 代理の人を用意していますがユイプロデュースご飯屋さんもやっています。

 米メインなのでお米に合うオカズをこんな感じのってイメージで作ってもらってるのですが、美味しいです。

 熊肉とか食べたことなかったですが、ベベベアっていう小さいピンク色の毛の熊さんがこれまた柔らかくて臭みもなくて美味しいんですよ。

 ベベベアは炒め料理が美味しいですね。

 濃い味付けの野菜炒めにしてお米とコンソメスープと塩揉みの漬物のセットで売り出してますね。塩もみキュウリ美味しいです。


 ちなみにビッグベアっていう茶色い、動物園にいそうな見た目の熊さんは硬いし臭みがあって美味しくなかったです……。

 しかもベベベアはCランクの魔物で比較的倒しやすいのに、ビッグベアはBランクなのでちょっと倒しづらいうえに不味いとか。

 ベベベアと比べても可愛くないしいいことない魔物です。

 身体がでかいので皮とかは素材として役立つみたいですけど。


 まぁそんな感じで、鶏肉……鶏というかフィアという食用の鳥でオムライスつくってから我が家での常設メニューになったわけですね。

 ケチャップっていうかトマトソースで食べました。

 前世ではトマト嫌いで食べれなかったけど今世ではいけます!

 嫌いなものが一つなくなりました。

 ていうかこの世界のトマトは中のジュルジュルがないので食べやすくなりました。

 あのジュルジュルと味が嫌いだったんで……。


 もちろんオムライスをアイラお姉様にも食べさせてあげたかったので帰郷の際に家のシェフに作ってもらったら、とっても気に入ったらしく……屋敷にいる間は毎食作ってもらって食べてました。

 あれは流石に飽きるだろう……と思っていたのですが……。


 まさかお姉様……学園でも作らせてるとは……え、流石に毎日食べ続けたとか……ないですよね……?


 いや、考えないことにしましょう。

 アイラお姉様のことは深く考えたら負けです……。


 ちなみに昨日はオムライスは食べずに、白兎みたいな魔物ルナーのソテーを選びました。

 柔らかくてとっても美味しかったです。

 足りなかったのでニョッキを追加で食べましたけど。

 それにプラスして「食べるのが面倒くさくてあんまり量を食べない」とか意味不明なことをいうリュカの残したものももらいました。

 何故かあーんって食べさせてもらう形で。

 残り物を食べることも食べさせてもらうことも貴族としてあるまじき行為なのでセイルがとっても驚いてました。

 そのくせ途中からセイルも食べさせてきましたけどね。

 まぁおかげで最後の方は善意とかじゃなくてあれは集中攻撃だったと言えると思うのです。親切に見せかけた嫌がらせかと思いました。

 あの量餌付けられるのは流石に多いです。




 今日のご飯はお弁当になってるのでナイフがいらないように一口サイズになっていました。

 なんか比べてみるとわたしのだけギュウギュウに詰まってましたが。

 そんなに詰めなくても足りるのに……多分。


 前世から食欲旺盛だったけど、今世は食べても食べても太らないから食べる量がガチのデブ並みなんですよねぇ。太らないって素敵……。


 うはー、このタケダケの甘辛煮美味しいです……シャキシャキ感が最高……あ、こっちのフィアの磯辺揚げサクサクジューシーでやばい……むむ……この青い野沢菜みたいなのなんでしょう……初めて見ましたが美味しい……ふぁぁ……


 もぐもぐと食べていたらふと視線を感じたので何かと思い顔を上げると

 痺れから復活したらしいセイルとリュカに見られていました。


「ふぇ? ……なんふぇふか? 」


 ちょっとほっぺに詰めすぎて飲み込みが追いつかず喋れないです……。


「いやぁ、昨日も思ったけど、ユイのご飯の食べ方はフィンレイソンみたいで可愛らしいね。

 あと、すごく美味しそうに食べるから作る人はこれを見れたら幸せになれそうだね。


 それに作った人だけじゃなくてリュ……いや、なんでもない、おーけー、ぼくは余計なことはもう言わない。」


 なんかリュカはよくセイルのこと睨みますねぇ。

 さっきも二人で楽しそうに話してましたし嫌いなことはないと思うんですけどね?

 フィンレイソン……リスみたい、ですかぁ。

 うん、まぁそれもよく言われますね。

 口に含みすぎらしくて頬袋あるの? って言われます。

 ないです、人ですから。


「むぐむぐ……ふぅ、美味しいですからね。

 美味しいものは美味しそうに食べるのが普通ですよ?

 だからリュカも面倒くさいなんて言わずにちゃんと食べ……ってちょ、むぐっ……ちゃんほひふんえはへてくははいよ……もぐもぐ……」


「残念やけど何て言うてるんか聞こえへんから自分で食べるんは無理やな。」


 その受け答え絶対聞こえてるじゃないですかー!


 もー、なんで楽しそうなんですかっ!

 むふぅ……それにしてもこの出し巻き卵美味しい……絶妙なふわふわ感がぁー……幸せ……。






行きつけの飲み屋さんの出し巻き卵が本当に美味しいんです。

ちなみに私は酒は甘いのしか飲まないのでジュースかウーロン茶があればいいと思っています。

飲み屋=人と楽しく美味しい食べ物食べる場所

あ、芝海老の唐揚げ食べたい。



ちょっとずつ魔物の名前が出てきていますね。

昔やってたオンラインゲームのモンスター一覧見ながら名前とかどんなのいるかとか考えてますが……結構大変だけど楽しいです。

野菜等はレモン同様名前の変更はなしです。


さてさて、挿話を挟んだあと章が変わりますよー。

次回は挿話で1/11の午前9時です!

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