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テーマ

 小説の書き方において、まず提唱されるのが、テーマとプロットだ。

 プロットは人によっては作らないと断言する人もいるだろうが、テーマは作らないわけにはいかない。


 例えば1日の予定に当てはめて考えると、プロットは1日に何をするかの詳細で、テーマは1日に必ずしなければいけないこと。

 月曜日は学校に行かなくてはならない。これがテーマ。

 月曜日は学校に行って、古文、英語、地理、体育、日本史の授業を受けて、放課後は友達とカラオケに行く。これがプロット。


 この場合、テーマを無視するというのは、学校に行くという予定を忘れて、遊びに出かけてしまう事。

 プロットを無視するのは、突然地理の先生がお休みで自習になったり、放課後に遊びに行く場所をゲームセンターに変えたりすること。


 プロットはいくらでも変えられる。しかしテーマを変えるというのは、すべてをリセットしてしまうようなもので、完全な禁じ手であると言える。


 ただしテーマを確定する前なら、変えても問題はない。


 日曜日は市立図書館で課題のための資料集めをする。それをテーマにする。

 図書館で何冊か本を選んでノートに必要事項を書き込み、課題を進める。帰り道で友達と話し込んでしまい、家に帰る頃には真っ暗なってしまったという、プロット。


 プロットを考える中、もう少しいいテーマがあるのではない、テーマとプロットがしっかり一致していないのではないかと悩む。

 そこで、テーマを少し変えてしまう。

 日曜日はクラスメートと一緒に、学校の図書館で資料をまとめる、というテーマ。

 この場合は学校でクラスメートたちと相談しあいながら、資料をまとめていく。早めに終わればどこかに寄り道をするかもしれないし、そのまま早々帰宅するかもしれない。議論が盛り上がって、帰ることには真っ暗になっているかもしれない。テーマに沿った状態でならばプロットは好きに変化させることが可能だ。


 テーマを書き途中で変える場合、テーマのために書いたすべてをやり直す覚悟が必要になる。

 そこまでの覚悟を持って初めて、最初に決めたテーマをひっくり返すことができるのだ。



 テーマというのは、これだけは絶対に変えないぞ、というお約束である。

 物語を迷子にしないための道標でもある。

 テーマはガチガチには固めずに、なるべく融通の利く形にしておいた方が余裕を持って話を考えることができる。



 例えば恋愛ストーリーなら、初恋相手と再開して紆余曲折の末結ばれる、というテーマだったり。

 冒険ストーリーなら、農村で育った主人公が剣の師匠に巡り合い、紆余曲折の末、英雄になる、というテーマだったり。


 テーマでも、結びは重要だ。

「結ばれる」とテーマに記したなら、結ばれるまでをエンディングで描かなくてはならない。

「英雄になる」とテーマに記したなら、英雄になるまでをエンディングで描かなくてはならない。


 結ばれるをエンディングにできそうにないなら、テーマの時点で、それを確定しないようにしておく。

 初恋相手と再開してさまざまなトラブルの末に友情を深める、というテーマだったり。

 初対面だと思ってた相手が紆余曲折の末に初恋相手だと気づく、というテーマだったり。


 ほぼ同じ内容であっても、表現次第でテーマは物語の結末に大きな影響をもたらす。

 テーマは確定事項。

 それを胸に刻んで話を作ることにより、構成力アップに繋がるかもしれない。

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