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技術と芸術

 芸術は人を選ぶが、技術は人を選ばない。


 学生の頃、無自覚タイプの音痴だった。音程が合ってないことに、まったく気づかないで歌っていた。

 絵に関しても、数学で立方体が描けないくらい、センスがなかった。絵のセンスがないことも、やっぱり無自覚だった。


 そんな芸術性皆無な人間だからこそ、今になって思うことがある。


 芸術には生まれもっての才能が必要で、誰にでも才能があるわけではない。しかし技術は覚える早さに差はあれども、誰にでも習得可能なもので、技術を伸ばす方向に努力すれば、絵でも音楽でも文学でも、才能のない人間にもいい作品を目指せるのだという事。



 生まれもっての才能として、鋭い感性が第一に挙げられる。

 絵であれば、この色を塗るのが一番この絵に相応しいだろうと察知したり、景色を描くときに、どの線を描いてどの線を描かないかを選択する能力に優れていたり。

 音楽なら、伴奏とメロディの調和だったり、安定感と不安定感のバランスだったりを、頭の中で上手くイメージできる能力があったり。


 絵の配色も、背景の線画も、音楽の調和も、芸術は無意識の領域だけではない。

 配色を心理学的、科学的に研究し、技術化すること。

 音楽の調和する組み合わせを論じること。


 芸術としてではなく、技術として学べる道も、いくつも用意されているのだ。



 そこで問題となるのは、小説の技術とは何かということだ。


 まず描写力。描写するからには、描写する対象を深く知る必要がある。

 人間描写であれば、心理学や哲学から何か学べる部分もあるだろう。落語や川柳などにも人間性が描かれている。

 背景描写であれば、幅広い知識力が必要になる。描きたい場面には何があるのか、一つ一つ細かい部分に注目して自分の世界の幅を広げていくことになる。


 次に構成力。文章構成は、どう要素を分類するかという大きな壁がある。そもそもプロットが決まっていなければ構成は練れない。だが構成が分からないからプロットを作れない。初心者にはハードルが高すぎる。

 起承転結と、4部分に分けるにしても、4部分の分類と言うのも感覚で理解するのは難しい。

 構成が悪くても、とりあえずまとまった1つの話を作ることに慣れるところから始めないことには、どうにもならない気もする。

 まとまった話が書けるようになったら、構成もきっと……。


 あとは語彙力。

 知識を集めるのは知識を入れる方向、小説を書くのは知識を出す方向。

 いろいろなことを読んだり聞いたりして情報を集めるのはもちろんのこと、知識を出す方向にも慣れないと意味がない。

 文章を書いて、他の言い回しはできないかと常に考えることで、知識を出す能力は発達していくと思う。


 ついでに空想力。

 ジャンルに応じた空想の方向性を定めておかないと、たぶん変なことになる。

 変なことになったのを持ち味にするもよし、もっとメジャーな方向を目指したいなら、好きな作家さんの空想の後を追うのも良し。

 空想ってどうやったらいいの、という人はたぶんいない……と思う。

 重要なのは方向性と明確性だと思われる。

 方向性はジャンルだとして、明確性は調査力。

 明日異世界に飛ばされるかもしれないから、用心して火の起こし方をネットで調べておこう、とか常日頃から考えて行動しておくのが調査力。


 いつかは、小説の書き方の技術面を、自分なりにまとめられるようになりたい。

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