ゆいこのトライアングルレッスン U 〜それぞれのメイドカフェの過ごし方〜
「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」の人気企画「ゆいこのトライアングルレッスン」にて、採用されたものです。
詳しくは、第311回 2024/9/13放送分をお聞きください。
https://youtu.be/NWWemdPSdh8?si=wr8pOIlTPKirlvK-
なお、本物語は、放送では気配を消していたむっくんが同席しているバージョンです。
そもそも「ゆいこのトライアングルレッスン」とは?という方は、
ゆいこのトライアングルレッスン〜軌跡〜
https://ncode.syosetu.com/n1009ic/
をご一読いただくと、より楽しめると思います。
「おかえりなさいませ、御主人様〜」
カランカランと開いたドアの前には、たくみ、ひろし、そしてむっくんがいた。
「こちらにお座りください。本日お給仕いたします、ゆいこです。」
とお辞儀する。
「へ〜似合ってんじゃん。ちょっと回って見せてよ。ね、お願い、メイドさん」
たくみがリクエストする。黒のメイド服に、フリルのついた真っ白なエプロン、頭にはカチューシャを付け、白のニーハイソックスに黒のストラップシューズで、くるっと回り、両手の親指と人指指を使ってハートを作って、ポーズを取る。
「いかがですか、御主人様?」
ククッと笑いをこらえるたくみ。目をそらしつつ、小さな声で
「メイドさん、ぽい…。」
とむっくん。そしてひろしがぼそっと言う。
「ちょっとスカート短くないか。」
「えーそうかなぁ。」
と普通に答えてしまったことに気づき、メイドモードに切り替えて、
「お食事が決まったら、こちらのベルを鳴らしてくださいねっ。」
と言ってテーブルを去る。
たくみが頼んだのは、「にゃんにゃんオムライス」。
「にゃんにゃん、と私が言ったら、にゃんにゃんと返してくださいね。はい、にゃんにゃん。」
「にゃんにゃん!」
たくみがノリノリで応えてくるのを繰り返している間に、ケチャップでネコをオムライスに描いていく。
「出来上がりにゃ〜。」
「ゆいこ。これネコかぁ」
爆笑しながらたくみが突っ込む。
「猫だもん!」
また、素に戻ってしまった。慌てて気を取り直して、ひろしの方を向き、
「お次は、らぶまよからあげランチですね。私がらぶらぶといったら、まよまよと言ってくださいね〜。らぶらぶっ!」
「まよまよ。」
と苦笑いしながら言ってくれて、3往復するうちに、からあげとサラダと丸く盛られた白いごはんの乗ったピンクのプレートの縁にマヨネーズでハートをたくさん描いた。
「ラストは、シャカシャカチーズナポリタンですね。私がシャカシャカと言ったら、シャカシャカとチーズをかけたいだけ言って最後にストップと言ってくださいね。はい、シャカシャ。」
「ストップ!」
たくみがニヤリとしながら、ナポリタンをじっと見つめるむっくんに声をかける。
「照れるよな〜。」
あっという間に90分は過ぎ、
「御主人様、そろそろお出かけのお時間ですね。」
と声をかける。ひろしがまとめて会計をして、私がお釣りを渡すと、ひろしが軽く乗り出し、耳元で囁いた。
「ゆいこ、可愛かった。このあとも頑張れよ。」
思いがけない言葉に、
「いっ、いってらっしゃいませ。御主人様。」
とどもりつつ、顔が熱くなった気がした。
トライアングルレッスン交流できたら楽しいので、コメントなどいただけると嬉しいです。
下野さんと巽さんに声を吹き込んでいただくと、字面よりも10倍くらいゆいこが可愛くて、たくみのにゃんにゃんはノリノリで、ラストのひろしのセリフに破壊力があって感激でした。