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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第六章 おでん襲来~招かれざる客達~
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第62話 ケルベロス(本名茶吉)

「ニャーン」

 ホッとした雰囲気の店内に再び猫が!?

 その上藤野の足元に頭をぶつけ、擦り寄ってすら来ている。

 完全に懐かれちゃってんな……。

 抱き抱えられた時の、巨乳の感触が決め手になったのか?

……マズイことになった。

 藤野も足元にまとわりつく猫に、おろおろと戸惑っていた。

 仕方ない、今度は俺がもう少し遠くにまで猫を連れていくより他ないか……。

――その時だ。

 どうしたものかと困惑する店内に魔王が!

「おぉ我がしもケルベロスよ! こんな所に居たのか!」

 どうやらこの茶虎猫は、佐藤家で飼われているらしい。

 それにしてもネーミングセンスがイカれているが……。

「お前の猫かよ!?」

「失礼な! 猫ではなくケルベロスだ!」

「どうでもいいが、首輪くらい付けとけよ……」

「おかしいな、首輪はしていたはずだが、取れてしまったようだ……」

 こうしてケルベロス(本名茶吉)は魔王に抱かれ、無事家路へと就いたのだった。

 名残惜しそうに藤野が呟く。

「行っちゃいましたね」

「……ま、また遊びに来るんじゃないか? あの感じだとさ」

「そうですね……」

 図らずも俺と藤野の仲は猫の手を借りたことで、気付かぬ内にすっかりと修繕されていた。

 もしかしたらあの猫は、そのためだけにテーヘンに来てくれたのかもしれないな……。

 しかし、秋風によって運ばれてくる招かれざる客は、決して茶吉のようにいいものだけとは限らない。

 悪い者達の訪れも、まだまだ後を絶たなかった。

 その前触れであるかのように、まずは鈴が現れる。

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