第51話 喜べ紳士諸兄! オラッ! サービス回だぞ!
「みんな着いたぞ! 一年中常夏のパラダイス、サマーアイランドに!」
無事目的のプールへと到着した俺達は受付を済ませ、早速着替のために更衣室へと向かった。
そして一番に着替えを終えた俺は、更衣室の出口で二人の登場を待つ。
最初に現れたの藤野だった。
彼女がモジモジとしながら訊ねてくる。
「ど、どうですかね? 実はビキニとか着るの、初めてだったんですけど……」
「どうですって、そんなの……」
鼻血出そうです……。
控えめなすみれ色ながらアグレッシブなその紐ビキニは、今にもはち切れんばかりに藤野の豊満なバディ(ネイティブ風発音)を包み込んでいた。
白い肌への食い込み方がエッッッロいな……。
低身長ながら手足は程よい細さで、腰にはくびれもあり、その上凶悪な爆弾までをも胸元に装備した姿は、まさに男を殺す兵器。
「まるで花束に仕込まれた小型爆弾だ……」
俺がつい心の中で思い付いた、藤野のおっぱいを揶揄する下ネタをうっかり口から漏らすと、すかさず藤野が突っ込んでくる。
「爆弾っ!? ど、どういう意味ですかっ!?」
「良い意味でだよ!?」
「……ならいいですけど。もっと普通に、似合ってるとか言ってくれたらいいのに……」
「ああ、超似合ってるぞ」
俺の口からストレートな褒め言葉が出ることは予想外だったのか、藤野の顔は一瞬で熱された鉄のよう真っ赤っかに染まった。
「……あ、ありがとうございます」
あらまあ耳まで赤くしちゃって。
顔の赤と体の白のコントラストがいいですねぇ。
藤野と一緒にプールへ来てよかったぁっ!
俺が心底そう思っていたところへ、今度は鈴が現れる。
「待たせたな」
その声に振り返った俺は、思い切り目を見開いた。
「んなっ――!?」
なぜならその姿は、予想を大きく裏切る程の――エクストリームなマイクロビキニだったのだ。
膨らみかけの胸の、その先端部。
そしてお股の大事な部分。
どちらもその局部しか隠れない、必要最低限しかないピンク色の布地。
そしてそれらを繋ぐ、線のような紐。
アウトォォォォッ!!
違法スレスレのイメージビデオじゃないんだぞ!?
さすがの藤野も「ワンピどころか……そんなのって……」と、動揺していた。
俺はどういうつもりなのかを鈴に訊ねる。
「お前……それはさすがに……さすがにヤバイんじゃないか!? 埼玉県のプールなら問答無用で叩き出されるぞ!?」
しかし鈴は平然とした様子でこう答えた。
「私の体は正直、発展途上。今のところはまだまだ貧相だ。だがだからといって普通の水着にすると、大きく肌が隠れて格好悪くなる。そんな私がそこの巨乳しか取り柄の無いタイプの女と同等に格好良く水着を着こなすためには、肌を露出する以外に方法はない。確かに一見すると私の方が肌を露出しているように見えるが、実は肌と水着の面積を数値にすればその割合はさほど変わらないだろう。つまり、これが私の最適解だったというわけだ」
……確かに。
つるぺたな鈴が、今じゃ藤野と同等かそれ以上にエロいっ!
胸囲の格差社会をものともせず、知恵と勇気で乗り越えるその姿勢やご立派ァ!
ここはもはや、巨乳と虚乳のパラダイスだッ!!
……そうだよな。
俺達はみんな違ってみんなオンリーワン!
そのことを、まさかお前から教えられるとはな……。
……やるじゃないか、鈴!
普段はうんこ製造機に成り下がっていたから忘れかけていたけど、国公立大に受かる程度の知能はあるんだもんな!?




