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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第五章 夏季到来~でも予定は未定!?~
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第48話 第二回チキチキ! コンビニB級グルメ創作選手権 後手、藤野

「そっちがそう来るなら、私にも考えがありますよ!」

「ほう? 場外戦と行きますか?」

「はい! ちょっと待っていて下さい!」

 そうして藤野が持ってきたのは、なんとじゃがいものスナック菓子。

「そ、そのじゃがりっ子をどうするんだ?」

「こうするんですよっ!」

 俺が制止するより早く、なんと藤野はじゃがりっ子にポットから湯を注いだ。

「なんだとッ!? そんなことをすればじゃがりっ子の良さである、カリカリとした食感が!?」

 しかし、藤野は湯を注ぐのを止めない。

 それどころか……。

「このまま蓋をして、少し待ちます」

 そんな狂気染みたことまで言い出した。

 しばらく待ってから、再び蓋を開ける。

 するとやはり、じゃがりっ子はふやけてフニャフニャになっていた。

 これは食べるまでもなく、マズイだろう……。

 そう思っていたところへ、藤野がまさかの一言を告げた。

「これを箸でかき混ぜます」

「えっ!? ……おおっ!」

 食欲を失せさせるフニャフニャのじゃがりっ子は、かき混ぜられることでとある料理のように変貌を遂げる。

 その料理とは――。

「マッシュポテトの出来上がりです!」

 そうマッシュポテトだ。

「さあ、召し上がれ」

 言われるがまま、俺はそれを口に運ぶ。

「これはッ!?」

「どうです!?」

 口の中を空にしてから、俺は感想を述べた。

「普通のマッシュポテトとはまた少し違った、ジャンクな味が素晴らしいね! カリカリの部分の食感も残っていて、それがアクセントにもなってる! これは炭酸飲料が欲しくなるぜ……」

 ギラリと藤野は目を光らせ、待ってましたと言わんばかりにペットボトル飲料を差し出す。

「おお!」

「そう思って、既にラーコーと辛口ダイサーを用意しておきましたよ!」

「素晴らしいよ藤野君! じゃあ俺は辛口ダイサーを頂こう!」

「どうぞどうぞ!……お金は頂きますよ」

「そこは流れ的におごりじゃないのかよっ!?」

「じゃがりっ子代も頂きます」

「くっ……でも美味しかったから払うけど……」

 そんなやり取りをずっと見ているだけだったクズ店長が、ついに呆れながらこんな言葉を発した。

「……お前ら、勤務中も休憩中も相変わらず楽しそうだな。仲良しこよしかよ」

「~~」

 一気に現実に引き戻された俺と藤野は、二人して赤面した。

 イカれたテンションで、俺達は一体何をやっていたのだろう……。

 第二回チキチキ コンビニB級グルメ創作選手権――完!

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