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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第五章 夏季到来~でも予定は未定!?~
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第47話 第二回チキチキ! コンビニB級グルメ創作選手権! 先手、歩

――休憩時間。

 ユニフォームを脱ぎながら、藤野が言う。

「やっとお昼ですね。おなかペコペコです」

「そうだな。さ、今日は何を食おうかな……」

 そう答えながら、すでにユニフォームを脱いでいた俺が弁当を物色しに行こうとした時だ。

「ちょっと待って下さい」と、藤野に呼び止められた。

「なんだ?」

「第二回チキチキ! コンビニB級グルメ創作選手権!」

 またなんか始まった……。

 以前結成されたコンビニB級グルメ創作隊、久し振りの活動再開である。

 ちなみにメンバーは変わらず、今現在も俺と藤野の二名だ。

「そんなわけで、今日は普通にお弁当を買うのは無しです」

「強制か?」

「強制です」

 正直、まんざらでもない。

 こういうおふざけは好きな方なのだ。

「……仕方ない、やってろうじゃないか!」

「望むところです!」

 先手、藤野花枝。

「私は今回、なんと骨無しアンマチキンをコロッケでサンドしちゃいます!」

「な、なんだってー!?」

 その突き抜けたアイディアに、俺は驚かずにはいられなかった。

「美味しい物×美味しい物は美味しい物という、単純バカを通り越してもはや単細胞染みた安易な考え方を実践してしまおうというのか!? まるで小学生が考えたみたいなバカな食べ物!……だが、そのジャンクジャンクしたアイディアは嫌いじゃないぜ!」

 俺がノリノリで言うと、藤野もまたノリノリでこう返してくる。

「お褒めに与り光栄です。ではご賞味あれ!」

 目の前に用意された、チキンのコロッケサンド。

 さあ、これがジャンクフード界の新たなキングとなるか!? 

 俺はおもむろにそれを掴むと、大きくかぶりついた。

「あむっ! ……ぬおっ!?」

 一口目でいきなり崩れたぁっ!? 

 メチャメチャ食いづれぇ! 

 もちろん不味くは無かったが、その美味しさが掛け算的に増えることもなく、結局は別々に食べた方が美味しいという結論に至った。

 残念だけど、これは……。

 俺は心を鬼にして言う。

「……無しです」

「だと思いました」

 そう思うんなら出しちゃダメだろ!? 

 もっと自信作を思い付いてからかかってこいよ! 

――とは思ったが、藤野がこの調子ならば俺は容易く勝てるだろうと思い直し、黙っておいた。

 そっちがシンプルに勝負してきたんだ、こっちもシンプルに行くぜ!

 後手、俺、青砥歩。

「ではまず、この明太子おむすびをバックヤードから引っ張り出してきたおでんのカップに入れます」

「ふむふむ」と、藤野は興味津々だ。

 さあ、驚くのはここからだ!

「次に、ここへホットのお茶を注ぎます」

「おお! これはまさかのあれですね!?」

 どうやら藤野も、俺の狙いに気付いたようである。

 俺は自信満々に言った。

「そうです、簡単コンビニお茶漬けです!」

「……やりますね、青砥さん!」

「ふふん! 俺もただ長くここに居るわけではないのだよ。さあ、ご賞味あれ!」

「ではいただきます……」

 サラサラと、お茶漬けを食べた藤野は感心した様子で言う。

「……ちゃんとお茶漬けですね、これ。具が明太子なのもポイント高いです! それにどのおむすびを選ぶかによって、具も自由に選べるところもいいですね! そして何より、溶けて柔らかくなった海苔がいい香りと味に深みを出してます!」

「そうだろうそうだろう! それに冬ならおでんの出汁を使った出汁茶漬けにも出来るんだぞ!?」

 俺がドヤ顔を披露すると、藤野は更なる対抗心を燃やした。

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