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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第五章 夏季到来~でも予定は未定!?~
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第45話 JKからの誘惑

「青砥さん、夏はどこか行ったりする予定はないんですか? 海とか」

 この通り藤野は、答えに困るような質問ばかりを投げ掛けてくる。

 だが、その質問は想定済みだ!

 早速、俺は脳内ロールプレイを再現実行した。

「夏に予定ぃ? 無理無理! シフト表見てみろよ? 週六でバイト入れちゃってるし!」

「うわぁありえない。でも一週間の内、一日は休みですよね?」

「一日じゃ海に行ったって、どうせ忙しなくバタバタ帰ってくるだけだろ? 疲れるだけだ」

「だったら市民プールはどうですか? 青砥さんには海よりお似合いですよ」

「どういう意味だよ!?」

「スケールの小さい男って意味ですよ! 言わせないで下さいハズカシイ……」

「いや恥ずかしいのはこっちだよ!?」

「ぷっ……そうですね」

「この野郎……!?」

 まあただのコンビニバイトでしかないし、事実なんだが……。

 そんな俺の考えを読み取ったかのよう、藤野がこんなことを言い出す。

「男を上げましょうよ、青砥さん!」

「男を……?」

「漢と書いて、おとこと読むような男になるんです!」

「か、漢……。そうなるにはどうすればいい!?」

 ニタリと、藤野の口元が歪んだ。

「簡単ですよ! 女の子を連れて浜辺を歩けば、それで十分です! さすれば青砥さんはあら不思議、漢として羨望の眼差しを幾つも向けられることでしょう」

「で、でも……」

「そうですね、青砥さんにそんな時間は無い」

「あぁ……」

「かと言って近くの市民プールじゃ格好がつかない」

「そ、そうだな」

「だったら間を取って、大きな商業用プールなんてどうです? 遊園地も併設されたような」

「おお! それなら最低限の格好はつくな!」

「ですよね?」

「ここからなら距離的にも時間的にも、海へ行く半分で済むし!」

「うんうん! ところで青砥さん、車の免許はありますか?」

 車の免許なら、高校を卒業するタイミングで取得していた。

「あ、ああ。車は無いけど、一応は……」

「車なんかレンタカーでも借りたらいいじゃないですか! これは男を上げるチャンスですよ!?」

「でも、肝心の隣を歩いてくれる女の子が……」

 藤野がチョイチョイと、自らを人差し指で差して見せる。

「……」

 読めたぞ……。

 コイツ、俺を足にするのが目的かぁっ!? 

 自分がおっきいプール行きたいだけのやつじゃん!?

 そうとも気付かず、思い通りに操られるところだった……。

 俺は藤野のアピールを気付かないフリし、こう言ってやった。

「あ、でも女なら鈴が居たな。あいつに頼むのもいいか」

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