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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第四章 夜勤者の日常~あるいは異常~
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第37話 意外な真実

 幽霊入店事件から一時間後の午前三時。

 暇だ……。

 レジ裏でしゃがみこんでスマホをいじっている五味を横目に、俺だけは馬鹿真面目に立って客を待ち続けていた。

 正直、退屈さにやられかけていたそんな時、久し振りに店のドアが開く。

「いらっ――」

 俺の挨拶がそこで止まってしまったのには、理由があった。

「鈴!?」

 そう、来店したのはなんと、髪はボサボサ、ジュースの飲み溢しで汚れたTシャツをまとい、ゴムの伸びて弛くなったハーフパンツのジャージを穿いた鈴だったのだから。

 その上ハーフパンツはズレ落ち、嬉しくないタイプのパンチラをしていた。

 そんなレインは俺を見るなり言う。

「ラーコー切れたから、買いに来た」

「……あんま深夜に出歩くなよ? 変質者とか出たら危ないだろ?」

「平気、危なくなったらネット通販で最近買ったスタンガンの威力がどんなものかの実験台になって貰うし」

「だから最初から俺は変質者の方が危ないって意味で言ってるんだよ……」

「なるほど……って私の心配をしろー」

……おぉ、鈴のノリツッコミって、そう言えば初めて見たな。

 ポッと、鈴の頬が赤く染まる。

 あっ、照れてる。

 慣れないことしたから恥ずかしくなったのか。

 可愛いところあるじゃないか。

「あとさ、いくらコンビニとはいえ、もう少しまともな服で来いよ。パンツ見えてんぞ」

「見せパンだから平気」

 いやそこは恥ずかしがらないのかよ!?

 ってかそんな見せ方あるかっ!

 それにそもそも絶対見せパンじゃないし……。

 まったく、このグータラ幼馴染みは……。

 鈴はケツを掻きながら、だるそうな足取りで漫画雑誌コーナーへと歩んでいった。

 そんな俺達のやり取りを、いつの間にやら五味がレジカウンターから覗くようにして見ていた。

 いや事件を目撃しちゃう家政婦かよ!?

 一応訊いてやる。

「……何やってるんですか」

 その俺の言葉を無視し、震える声で五味は質問に質問で返してきた。

「え……青砥っち……彼女居たの?」

「居ませんけど?」

「じゃああの可愛い子は誰?」

「ゲーム仲間……ですかね」

「よかったー! 青砥っちに先越されたかと思って焦ったよー! ウチだってまだ男女交際もしたことないのに!」

「えっ」

 貞操観念ガバガバで性器もガバガバな世紀のヤ◯マンじゃなかったのかー!?

「正直遊びまくってると思ってました、ごめんなさい」と、心の中でだけ謝っておく。

 もう一つ付け加えて「ギャンブルをやる金のためにパパ活もしてそうとかも思ってました。ごめんなさい」と謝罪した。

……心の中だけでだけど。

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