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新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第三章 再会~でも初めまして~
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第24話 ギルメンの正体は――

 大学に上がってからというもの、俺はこれまで以上にアニメや漫画、ゲームといったコンテンツにどっぷりとハマっていた。

 特にMMORPGなどのネットゲームは欠かせない。

 それぞれが様々なジョブの冒険者をロールプレイし、ギルドメンバーと共に手強いボスを倒すという体験は、俺を熱くさせた。

 学校とバイトが終わり、疲れているにも関わらず夜遅くまでプレイすることも多々ある。

 ちなみに最近は王道ファンタジーゲームである、アリスティアオンラインこと通称アリオンをメインに活動している。

 職業はもちろん勇者。

 名前は本名まんまのAYUMU。

 賢者のAMEMIYAさんと二人だけのパーティを組んでいる。

 そしてこの日もいつものように、AMEMIYAさんとアリオンを楽しんでいた。

「AYUMU、バフを掛けるからベヘモットのヘイト集めて囮役お願い。私はその間に大魔法の詠唱をする」

「了解!」

 運営により四、五人編成での討伐を想定されているボス達を、たった二人で倒し続けた俺達コンビは、サーバー内でも有名になりつつあった。

 その秘訣はAMEMIYAの異常なまでのステータスの高さと知識にある。

 まさに廃人としかいいようのないプレイで、常にオンライン上に居た。

……本当にこいつ、いっつもログインしてんな。

 いつ寝てるんだ?

 同じパーティの仲間ながら、不安になるぜ……。

 ベヘモット討伐後、俺は常々思っていたその疑問をついにぶつける。

 すると――。

「私のことが知りたいなら、オフ会でもするか? 私もAYUMUには興味がある」

 そんな思いも寄らぬお誘いを受けた。

 ネトゲの相方と現実世界で会って語り合うってことか……。

 なんだか楽しそうだな!

 こういうのは初めてだ!

 幸いなことに俺達は近所に住んでいたため、トントン拍子で話は進んでいった。

 そしてオフ会当日――。

 待ち合わせ場所は近所の漫画喫茶の前。

 AMEMIYA……。

 一体どんな奴なんだろう。

 プレイスタイルから察するに、効率を追い求める冷静沈着な理系男子……のニートって感じかな?

 ゲームの中じゃうまくやれたけど、実際はどうだろうな……。

 もし今日会ったせいで不仲になって、パーティ解消とか言われたりでもしたら……。

 なんか急に不安になってきたな……。

――っていやいや!?

 何を悪い方に考えているんだ!

 ポジティブに行こう!

 あいつはポジティブと言われるくらいに!

 プロテインパワーで張り切っていこう!(意味不明)

 俺は不安と期待の入り交じった、複雑な心境でAMEMIYAの到着を待った。

 しかし――。

 来ないっ!

 とうに待ち合わせの十時は過ぎているというのにッ!

――待ち合わせ時間を既に一時間近くオーバーし、俺は一人ポツンと待ちぼうけを食らっていた。

 まさか直前になって、気が変わって来るのをやめたとか!?

……大天使有リ得ル。

 いくらパーティを組んだ仲間とはいえ、ネットで出会った人間にホイホイ会うなんて、よくよく考えれば危険だもんなぁ!?

 オフ会とか狂気の沙汰だよっ!?

……きっと、そういうことなんだろう。

 連絡も来ないし、もう帰ろうかな……。

 そう諦め、その場を立ち去ろうとした時だった。

 背後から漫画喫茶入り口の自動ドアが開く気配がする。

 そして――。

「お前、もしかしてAYUMUか?」

 そう背中に、声を掛けられた。

――女の声!?

 AMEMIYAは男だと勝手に思い込んでいた俺は、その事実に驚きながらも振り返る。

 ふわふわで、お姫様のような色素の薄い髪色。

 猫のような目。

 その姿を俺はよく知っていた。

 お互いに驚きながら、同時に名を叫んだ。

(れい)!?」

「歩!?」

……そうなのだ。

 実はAMEMIYAの正体は名前もそのまま、俺の実家のご近所さん。

 二つ年下で幼馴染みコミュ障な幼馴染み、雨宮鈴(あめみや れい)だったのである。

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