表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新人バイトJKに手を出すなと店長から釘を刺されたが、生意気すぎてあり得ない  作者: 兼定 吉行
第二章 魔王転生~邪悪な匂いがスメル~
21/77

第20話 エスカレート

 毎度毎度涙目になりながらも、諦める素振りすら無く魔王が言う。

「ハッハッハ! どうだ! これが私の本気の嫌がらせだ! どうだ? 今回こそは心底苛ついたか? んん? んんんんっ!?」

……くそぅ。

 だがここで冷静さを欠いてはいけない!

 的確に相手を分析することこそ、ボス戦では重要になってくるのだ!

 物理攻撃耐性が高いのなら、こっちは精神攻撃に切り替えるまで!

 本当はブチギレてやりたいところであったが、あえて俺は余裕そうな笑みを繕ってこう言ってやった。

「どれもこれもトイレをゲロまみれにする酔っ払いよりは全然マシだ。ちゃちい奴め」

「チクショォォォッ!!」

 無様に涙を後ろに散らしながら、全速力で敗走していく魔王。

 随分と心を折られたようだし、これで今度こそ当分は店に来ないだろう。

 そんな俺の見通しは、大分甘かったのだと後日思い知る。

 さすがは腐っても魔王を自称するだけはあると言うべきか。

 イタズラは止むこと無く、涙目敗走を繰り返しながらも日を重ねるごとに、精神攻撃に対する耐性すらも徐々に獲得していった。

 奴は不死身かよ……。

 まるで魔王城で死んでも蘇って何度も戦いを挑んでくる、勇者の相手をしている気分だ。

 ああいや、勇者はこっちで向こうが魔王か……。

 いやそもそも俺は勇者じゃねぇよ!?

……まずいな、完全にあの幼女のペースだ。

「おーい勇者! 駐車場ののぼり旗が倒れてるぞー!?」

「お前が倒したんだろうがっ!?」


「おーい勇者! トイレが水浸しだぞー!?」

「お前またウォシュレット付けっぱなしにしたな!?」


「おーい勇者! 駐車場に駄菓子のゴミが散らかってるぞー!?」

「お前が食べ散らかしたんだろっ!? ちゃんと片付けろっ!」

「やーだよー! バーカバーカ! やーい社会の最底辺! あばよっ!」

「チクショォォォッ!!」

 一撃離脱。

 一つイタズラをしては、逃げていくというヒットアンドアウェイスタイルで、こちらに反撃の暇を与えぬ嫌らしいやり方すらも覚えてしまったようだ。

 手強い……。

 日に日に小癪さを増していく魔王。

 まったく腹立たしい……。

 やられっぱなしのこっちはストレスがマッハだよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ