コトリバコと考え
続きです。
「さて、コトリバコについて語る前にだ……私はお腹が空いた。食堂で話そう。」 急な提案に戸惑いつつ俺は食堂に案内した。腹ごしらえもそこそこに本題に入る。「君はコトリバコについてどこまで知っているんだい?」 と聞かれた。 残念なことにオカルト好きと言ってもネットで調べた程度の知識しかなかった。「ネットの知識ぐらいです。」 と答える。教授は笑いこう言った「十分だ。復習もかねて初めから話そう。」
教授は語り始めた。「ネットの掲示板が初めだ。見た目は秘密箱によく似ているらしい、女子供を殺す呪具だという。部落争いの中とある男が命見逃す代わりに武器の作り方を教えると言った。その武器こそがコトリバコだ。持っていると2週間足らずで血反吐を吐いて死んでしまう。報復に報復を続け部落内で作り続け完成品が16個に及ぶという。一つ間違えば自分の村さえも滅ぼしてしまう諸刃の剣だと気が付き、事態を重く見た村のものが神社の神主に除霊を依頼したところ呪い強力過ぎて払えなかった.
神主は時間をかけて払おうと考え箱一つをグループで管理して長い時間をかけ大多数の箱の解体は完了した。しかし、まだ全ての箱の解体は済んでいないらしい…… 簡単に嚙み砕いて話したがこれがコトリバコの始まりだ。」
俺は鼓動が速くなるのを感じていた。教授がコトリバコについてどういう考えをもっているのか、とても気になった。俺は教授に尋ねた。「教授はコトリバコのことをどう思っていますか?」 教授は少し考えてこう言った。 「そうだな、民俗学の呪物系の中心……」 俺は再度問いただした.「それはどういうことですか?」 教授が言う。「土着信仰ではコトリバコに似た話しが複数ある。特にメジャーなのがコトリバコだと私は思っている。コトリバコを中心に土着信仰が多く広がり人々が知るきっかけになった、と私は思っているよ。」 俺は心を躍らせていた。人によって違う見方や考えを聞くのが好きだからだ。「すごく参考になりました。ありがとうございます。」と教授に言った。
すると教授は、「では、私からも質問をしよう。」と言い。俺の目のをを覗いた。「君は、噂が先か?幽霊が先か?どちらだと思う?」 俺は悩んだ。教授が言う「噂が立つから幽霊が出るのか、幽霊が出たから噂が立つのか。君はどう思う?」と再度問う。俺はこう答えた.「水掛け論。でも、幽霊が先ですかね。」と答えた。「どうしてだい?」 と教授が聞く。「噂に流され恐怖心で見る幻覚より、自分を信じた現実を見ていたい。その方が楽しいじゃないですか。」と笑う。 「同意見だ。君とは気が合いそうだ。」笑い言った。 ところで俺にはまだ気になることがあった。教授の持っていた箱だ。 「あの箱は本物ですか?」と聞く。すると教授はニヤリと笑いこう答えた。 「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。2週間経てばわかるさ」と答え食堂を出た。この時から俺は教授に惹かれ始めていたのかもしれない。火に吸い寄せられる羽虫のように……
不定期に投稿していきたいと思います。