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フランツとの再会

少しが間が空きました。

ぜひ最後までご覧になっていってください。

「魔王様、今日は何をしましょうか?」

 魔王としての仕事は主に魔物を作ったり幹部に命令したりするぐらいだ。

「今日はちょっとだるいから寝てようかな?」

「流石、魔王様です。圧倒的な余裕を感じます! ちなみにこの私クニトゥルもご一緒してもよろしいですか?」

 クニトゥルは正直可愛いし体もいいし何より俺に従順なのが最高だ。

「しょうがないな。今日だけだぞ。」

 そういうとクニトゥルは昇天し倒れてしまった。

「魔王様! 勇者がやってきました! どうされますか?」

 いつもはここでクニトゥルに頼んでいるのだが、今は戦える状態ではない。

 しかし他の幹部のやつらとはほとんど話したことがないので緊張してしまう。

「適当にその辺の幹部に頼んでくれ。」

「承知しました。」

 しかし最近勇者が来る頻度が上がってきている。来るのは別に構わないのだがいかんせん弱すぎる。

 魔王に転生してからというもの勇者と戦ったことが一度もない。

「魔王様、お呼びでしょうか。」

 やってきたのはミノタウロスのロックだ。こいつは見た目が怖すぎるし無口なのであまり会話をしてこなかった。

「さっき、勇者が来たらしいから倒してこい。」

 一応魔王らしく立ちふるまっているが内心びくびくしている。

「承知しました。」

 ロックも結構強いため、取り合えず負けることはないだろう。

「おい! 魔王! お前を倒しにここまで来てやったぞ!」

 どこか聞き覚えのある声が聞こえた。

「魔王様には指一本触れさせん!」

「邪魔をするなら容赦はしないぞ。」

 目を凝らしてよく見てみると勇者は妹のフランツだった。まずいこのままじゃロックにやられる。

「ロック、戻ってこい。」

「しかし、勇者がまだ生きてますよ。」

「私が負けるとでも思っているのか?」

「いえ、そんなことはございません。」

 そういうとロックは奥の扉に戻っていった。

「何が狙いかわからないが随分と余裕そうだな、魔王。」

 やっぱりフランツだ。それにしても可愛くなりすぎだろ。

 青白く長い髪がきれいに輝いている。目鼻立ちはくっきりしているが身長があまりないのがまた可愛い。

「何じろじろ見てやがる!」

 妹の仲間であろうやつが威嚇してくる。

「フランツ、俺がついてるから大丈夫だから安心しろ。こんなやつすぐに倒してやる。」

 こいつさては妹に惚れてるな? 兄として気に食わんな。

「さぁ、どこからでもかかってきやがれ」

 いくらムカつくとはいえフランツにとっては大事な仲間なんだろうな。そう思うとこいつを殺すのも申し訳なくなる。

「かかってこないならこっちから行かせてもらうぞ。」

 まずい、取り合えずバリアで様子を見るか、

「インフィニティ・シールド」

「バリアとは卑怯なやつめ、しかしこちらにはバリアを割る技を持ってるんだよ! シールドブレイク!」

 いろいろ御託(ごたく)を並べて切りかかってきたが、はっきり言って全く怖くない。なぜなら俺魔王だから、

 予想通りそいつの剣は簡単にはじかれた。

「なに?! 割れないだと?」

「そんな攻撃じゃ、びくともせんわ!」

 そういうとそいつの表情が変わった。この顔を俺は知っている。俺が勇者だった頃魔王に使った究極奥義を使う覚悟を決めたときの顔だ。

「フランツ、今までありがとうな。俺は魔王と一緒にくたばることにするよ。」

「アントン! だめ!」

 あ、こいつアントンっていうんだ。あれ? フランツが泣いてる? まさかとはと思い聞いてみる。

「そこの女、この男とはどんな関係だ?」

「ぐすっ、アントンは大切な仲間だ! あんたなんかに仲間の大切さなんかわからないでしょうね!」

 その言葉をきいて突然知らない記憶が頭によぎってきた。


「魔王様! 今日は何しましょうか?」

 クニトゥルの声だ。俺とは別の意思で魔王が喋っている。

「昨日は人間をかなり殺せたからな。今日はみんなで宴じゃ!」

「あの、僕たちは……」

 足元を見ると小さいスライムがいた。

「だまれ! 下っ端が参加できるわけないだろ!」

「おいスライム気にするな。たくさんいた方が盛り上がるだろ。もっと仲間を呼んで来い。」

「ありがとうございます!」

「その前に昨日人間にやられた同士に、乾杯」

「魔王様に乾杯!」

 幹部の一人が声を出すと魔王は少し顔をしかめた後持っていたグラス握り潰し、

「今日は飲むぞー」

 と叫んだ。これが俺の前の魔王? 魔王ってこんなに仲間想いなもんなのか? しかし魔王が人間を殺すのは許せない。でも急になんでこの記憶がよみがえったんだ?



「魔王! とどめだ! ライフバースト!」

 男の剣が光り輝く。勇者時代に使ってた最終奥義だ。この技自分の命を使って自分を強化する技だ。

 まずい! 反撃をしたらこいつを殺してしまう。そうだこいつをどこかに飛ばしてしまおう。

「ワープホール」

 するとアントンの下に大きな円ができアントンは落ちて行った。そしてその場にはフランツだけが残った。

「貴様、アントンに何をした。」

フランツは持っていた杖を上に掲げた。

「サンダードラゴン!」

 サンダードラゴンは電気攻撃の技の最大級の技だ。ここまで来たのもだてじゃないな。

「いっけぇーーー!」

 見た目だけはいっちょ前だが俺には全く効かない。なぜならすべての属性攻撃に最大の耐性を持っているからだ。

「そんなもの、きかん。」

 片手をハエをはらう程度の力ではらうとドラゴンはあっさりと消えた。

「そんな、私の最大魔法が。」

「さぁ、どうする? このままやられるか俺の仲間になるか、」

「だれが、お前の仲間なんかに!」

「いいだろう、今日は見逃してやる。」

「そんなの私のプライドが許さない。ここで殺せ!」

 いや殺せるわけないよ。だって俺の大切な妹だぞ。どうしよう。

「今日は人を殺す気分じゃないんだ。」

「いいから、殺せ!」


 どうやら、折れないようだ。しょうがない、フランツもワープホールでどこかに飛ばすか。

「じゃあな、フランツ。ワープホール」

 そしてフランツはどこかに飛んで行った。


ご覧いただきありがとうございます。

次回はフランツ目線です。

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