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セーラー服と帰還中  作者: 吹野 祭
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第1話 

「さてと、話さないといけない事がたくさんあるけど、まず二人から聞きたいことはあるかな?」


席に着いたノーラさんがそうきりだした。

()()()()()()

そう、まず聞かなきゃいけないことがある。でもそれを聞くとはとても怖い。


「いや、ごめん。これはズルかったね」


わたしたちが質問をするまえに、ノーラさんが遮った。


「家に帰れるかどうか。それを言わなきゃだよね」


それだ。私たちは家に帰ることができるのか。

それが今一番重要なことだった。来ることができたのなら、帰ることもできるはずだろう。たとえすぐには無理でも、いつになるのかは聞いておきたいことだった。


「現状、君たちをもとの世界に戻す手段は無い」


ノーラさんは、私たちの目をみて、はっきりとそう告げた。


「「・・・・・」」


帰ることができない。

聞き違いであってほしかった。


「質問してもよろしいでしょうか」


一呼吸おいてから、委員長がきりだした


「帰る方法がないのなら、どうやって私たちを呼んだのですか?」


「ん?いや、君たちをこちらの世界に呼んだのは俺たちじゃないよ」


「本当、ですか?」


問い詰めるような委員長の言葉に、ノーラさんはだまって頷いた。


「そもそも人や物を、任意の場所に送るって技術や魔法はこの世に存在しないし研究も滞ってるんだ。」


少なくともこの国ではね、とノーラさんは小声で付け加えた


「この国では。ですか。つまり、どこかの国や組織がこっそりと完成させている可能性はある、ということですか?」


委員長の踏み込んだ質問にノーラさんはそれはわからないと首を振った


「実は、君たちの他にも別の世界から渡ってきた子を保護していてね」


「え!?」

「そうなんですか!?」


「うん、その子たちがいたから、人為的な転移の可能性を疑い始めて、内密に周辺の国々を調べてはいるんだけど、進展が全然なくてね」


「どうして表沙汰にしないんですか?」


「ああ、うんとね、もし【とある国】が、【なにか目的】をもって、【世に知られていない方法】で、別の世界の人間を呼び寄せたのだとしたら、その子たちをその国に引き渡すのは危険だと判断したから、だそうだよ。」


えーっと、つまりどういうことだ?仮定のワードが多すぎで頭がいたくなってきた。


「つまり、【この国】に、【私達】が、いるってことが知られると、狙われる可能性があるってことですね。この国も、私達も」


頭を抱えるわたしのために、委員長が短くまとめてくれた。なるほど、すっごい解りやすい。


「そういうこと。そこで君たちに相談、というかお願いなんだけど、元の世界に帰る方法が解るまで、この国に留まってくれないだろうか?この国にいてくれれば身の安全は保障するよ」


わたしは早く帰りたい。ここに居てもすぐには帰れないだろう。だったらいっそ自分の足で探したほうが・・・でも

ーー身の安全ーー

森で襲ってきた狼を思い出す。街の外には人を襲う生物がいる。あんなのに遭遇したらわたし達じゃ太刀打ちできないだろう。

どうしよう・・・どうしたらいいんだろう。父さんと母さん、そして(ももか)の顔が頭の中をぐるぐる回っていた。


「私たちよりも先に来たっていう人達に合わせてもらえませんか?」


わたしが沈黙していると委員長が声を上げた


「その人達がどう暮らしているのか見たいんです」


「ああ、かまわないよ」


「その人達に話を聞いてからでも、遅くはないよね」


わたしの方を見て委員長はそう言った。


「うん、そう・・・だね」


確かにわたしたちと同じように飛ばされた人達というのは気になる存在だ、一体その人たちは、今どんな気持ちなのだろう。


「そうと決まれば出発しようか、っとその前にこれを渡しておかないとね」


そう言ってノーラさんは、さっきリーデルさんが出してくれた物と、すこし違う首飾りを2つ取り出した。


「こっちのは改良型だからいちいち言語を合わせなくていいんだ、もっておくといい」


見た目はきれいな宝石のようなものが埋め込まれた、お洒落なアクセサリーなのに、言葉の翻訳ができるとは、いったいどうなっているんだろう。まるで魔法のようだ


「へーまるで、魔法みたいですね」


「まぁ、実際使われてるからね、魔術」


「え?」


聞き間違いだろうか、魔法がある。いまノーラさんはそう言ったのか?


「魔法があるんですか!?」


意外にも委員長が食いついた。ああでもそういえば昔遊んでた頃、日朝アニメの話で盛り上がって、よくごっこ遊びしてたっけ。


「空とか飛べるんですか?」


「できなくはないけど、移動手段としてそうする人はいないよ」


「炎とか出せるんですか?」


「それならできるよ、周りを凍らせたり、放電させたりとかもね」


「見せてもらうことって・・・?」


「あーごめん、俺にその手の才能はないんだ」」


「はえーそういうものなんですね。じゃあじゃあ、えっと、ノーラさんのそのお耳。それって本物なんですか?」


「あーこれ?これは偽物。付け耳だよ」


「そうなんですか・・、獣人的なものではないんですね。」


「うん、この世界に獣人とか妖精とか、そういうのはいないんだ。しいて言うなら、魔獣ってよばれてる人を襲う獣がいるくらいかな」


「魔獣ですか!?」


委員長のテンションがやばい、こんなテンションの高い姿学校はおろか昔ですら見たことないんだけど・・・


「委員長」


「え?あ・・・ごめんなさい、魔法と聞いて思わず・・・」


いいよいいよと、ノーラさんは笑って流してくれた。


「もう質問がないならこのままあいつらの所に向かうけど、準備はいいかな?」


「はい」

「よろしくおねがいします」


「おっけー、じゃあ行こうか」


こうしてわたし達は先輩転移者たちに話をきくために小屋をあとにしたのだった。




















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