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タメ口先輩とへりくつ野郎の青春記録  作者: 遥風 かずら
第二章:変態と青い始まり
21/22

21.へりくつ野郎、タメ口先輩に救われる


 むぅぅ、こんなチートすぎる美少女が、何故こんな何てことのない学校に来るんだ。

 この前会った、おみ足美少女と同じ理由だというのか。


 だがしかし、俺には全く無関係なことだ。

 しかし俺は今、チート美少女に弱みを握られ、かつ責められようとしている。


「まぁ、あれだよ! つまり、キミはチートなのだな?」

「……」

「なに、言わなくても分かるぞ。残念なことに、俺もある分野ではチートなのだよ。そういう訳で、残念ながら俺は鮫浜あゆなる美少女には、何の触手も動かなくてだね……」

「触手……ふぅん?」

「冗談だ。食指だぞ」

「どうでもいいけど……。それじゃ、あなたは私の敵……敵で間違いない?」


 あれ、これはそういう流れだっただろうか。

 たかが女子の名前を聞いただけなのに、しかも相手はよく分からないチート美少女だったのに!


 何で雑魚なる俺の敵と化す必要があるというのか。

 さすがの実乃梨さんも、ドン引きモードに突入してるぞ。


「……いいよ? ここでキミもやりたいんだよね?」

「や、やらん! 何かは知らんが、自分をもっと大切に扱うべきだぞ」

「クスッ……全然似てないね。似てないけど、育て甲斐はあるよ?」

「育てる……だと!? おれの身長はとっくに止まっていてだな……」


 やばい、何かがやばい。このチート美少女から漂う雰囲気は、間違いなく黒い世界のトップオブトップ。

 逆らったつもりは無いが、名前を聞いてしまっただけで何かの引き金を引いてしまったか。


『うっるせええな!! さっきから廊下で何をごちゃごちゃとしゃべってやがる!!』


 おぉ? この怒りで我を忘れるわけも無い怒気をはらんだ声は、先輩か!


「――あぁ、あなたはこの学校の……」

「ちっ、鮫浜だぁ? 何でここにいやがる。ここでぼさっと突っ立っている雑魚野郎は、面倒でもこの学校の奴だ。鮫浜なんぞがしゃしゃり出る幕はねえぞ?」

「……何だ、もう唾をつけられた男、男なんだ。それならいらない。どうでもいい。どうせ、彼はここで会えない」

「あぁ? 何言ってやがんだ?」

「へりくつ野郎くん、キミはもう答えが出すぎている。分かっている……違う? 違わないはずだけど?」

「そ、それはだな……」


 チート美少女鮫浜は、俺と実乃梨を交互に見つめた後、首を左右に振った。

 そして、


「もういい。これでさよなら。へりくつ野郎くんは、最後に決めてあげるべき。それじゃあ、さよなら」

「……へ?」

「おい、待ちやがれ! 鮫浜がこの学校に来やがって、ふざけんじゃねえ! 出るとこ出るぞ、あたしは!」

「じゃあついて来れば? ふふ、そうすれば……きっと」


 どうやらタメ口先輩に救われたようだ。

 闇のチート美少女とは、縁が生まれそうで生まれなかったということか。


 ううむ……あの子の微笑はどう考えても、俺の心を読んでいるとしか思えん。

 さてと、先輩もいなくなったことだ。


 決めるしか無さそうだな。

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