17.つまりは、そういうことである。
おみ足先輩のことを聞き出せそうにないし、ここは綺麗手違い美少女と親睦を深めてみるか。
「ま~なんだ。あんたは何しにここへ?」
「そう! それよ、それだわ! わたくしには暇も余裕も無いの。あの人に話を聞かなければいけないんだわ!」
「どんな話を?」
「それもプラ……プライベートなことなのだけれど、変態に話した所で、何の解決にもならないというものね」
本人も何を話したいのか理解していないとみえる。
変態に認定されてしまったことだし、ここは自由にしておこう。
「いや、分かった。俺は何も言わないし関わらないでおこう」
「あ、あら? 案外素直な子なのね。それでは、ごきげんよう」
「それはどうも」
あの美少女はなにがしたかったのか。
俺としては、おみ足先輩との関係性を聞きたかっただけなんだが。
いなくなったから、よしとする。
「……で、お前はいつまで俺を睨んでいるんだ?」
「何さ! ちょっとばかし美少女だからって、デレデレッ!」
「そんなことはなかったはずだが」
「しゅうのバカ、変態へ理屈野郎!」
一体なぜそこまで妹に言われねばならんのか。
そしてなぜヤキモチを妬いているのか、意味がわからん奴め。
タメ口先輩も見当たらないことだ、今日は何も考えずに帰ることにする。
つまりは、おみ足美少女に関わると、あまりいいことは無い。
そういうことだな、うん。
こういう時に楓子がいれば慰めてくれそうなんだが、全くもって、気配がない。
楓子~! それか、実乃梨さんでもいいんですよ?
俺を慰めてくれないですかね。などと無駄なお願いである。
このまま放課後突入で、素直に帰るのが最適なのだろうな。




