~では、踊りましょう。君の望む夢のため~ プロローグ1
はじめまして。
初投稿なのでよくわかりません。
転生ものではありません。でも、主人公チートです。
プロローグ
魔術師は困惑していた。
どういった理由かは分からないが、子どもに魔術の素養が失われていくのが、魔術師の家系で洩れることなく確認されていた。
どれだけ優秀な魔術師であっても、例外なくであった。
魔術は彼らにとっては当たり前の神秘。人間が歩いていることと何も変わらず、だが努力をして研鑽を積み、より良い魔術を、始まりを、自分たちの存在を求めてきた。
その手段が唐突に失われ始めるのを感じて、危機感を抱かない魔術師はいなかった。
魔術師を招集し、話し合われたのはもちろん魔術の永続方法。
その話し合いの結論が出るだけで十年以上の歳月がかかり、その結果出たものは単純であった。
魔術とは関係のない人間に魔術の詳細を知らせ、魔術師と人間という枠組みを取り払い、魔術の神秘を共に紐解いていくということ。
これにはもちろん反対意見も多かったが、最終的に自分たちの子孫もいつかはただの人間になってしまうのであれば、魔術が廃れるのはすぐという意見を誰も否定できなかった。
まず魔術師たちは大国の首脳陣たちだけに魔術のことを知らせ、人間とともに魔術の存続方法を考え始めた。
出た方法は魔術師の遺伝子を人間に少しでも移植させ、魔術師自体の総数を増やすこと。その結果魔術が使える人間が総数として増え、魔術が廃れるのは遅い時代になるという考え。
これは結局大魔術、つまりは時間転移や空間把握・不老不死などを行使することができる魔術に至れる魔術師が減るのではないかと懸念する魔術師も多かったが、魔術の存続を優先事項として、渋々と納得した。
数十年の科学による試行の結果、人間でも魔術を継承することが可能になった。
ただし発現した魔術的素養は眼のみであり、使える魔術の種類も一つ、多くて二つであった。
その素養の発現も三歳になってからであり、それまでは何も素養が現れずどんな魔術が発現するかもわからなかった。
その魔術的な素養が眼にのみ現れることから、魔術が使える眼ということで魔眼と呼ぶようになり、魔眼が発現した人間を魔眼使いと呼ぶようになった。
午後にもう一話投稿します。
感想などいただけたら嬉しいです。